潮汐力



質量Mの天体(上図の左)の中心から、それぞれ r, r+d 離れた
ところに、質量 m の物体 A, B があったとしましょう。

A, B に働く、左の天体の重力には、「差」があります。
(天体からの距離が少しちがいますからね)

このため、AとBには異なる加速度が加わることになり、AとBはしだいに
はなれていくことになります。

「潮汐力」(ちょうせきりょく)とは、物体に働く重力の差によって、
その物体をひきのばす力、といえます。
(満ち潮引き潮ができるわけ)



「潮汐力」、つまりA, Bに働く天体の重力の差をもとめてみましょう。


A に働く天体の重力は Fa = GMm/r2 となります。


B に働く天体の重力は Fb = GMm/(r+d)2 となります。


Gは万有引力定数。Mは左の天体の質量で、mは物体の質量。
rやdは上図にある距離です。


(参考ページ: 惑星運動と万有引力。万有引力は重力といわれることもあります)


その差は引き算ですから、


Fa - Fb =  GMm/r2 -  GMm/(r+d)2 

             分母を同じにして、少し整理すると


	   =   GMm d(2r + d)/(r2(r+ d)2)


ここで、r よりも d が十分小さい場合は、2r+d は 2r と
みなすことができます。
同様に、r+d は r とみなせます。

したがって


Fa - Fb = 2GMmd/r3  ということになります。



「潮汐力は、天体の質量 M に比例し、天体からの距離 r の3乗に反比例する」という結論です。

天体から2倍離れれば、潮汐力は8分の1に減り、3倍離れれば
27分の1に減る、というわけです。
距離の2乗に反比例して弱まる「重力」に比べて、距離の変化にいっそう
敏感な力と言えます。天体からの距離が離れていくと、潮汐力は急激に
弱まり、距離が接近してくると急激に強くなるのです。





関連ページ:閏秒のページ

宇宙・天文ニュースへ