

Copyright: Juan Carlos Casado (www.skylook.net)
2002年11月19日のしし座流星群
1分露出の写真30枚を合成。中央やや上にある明るい天体は、
マイナス2.3等(1等星の約20倍)の木星。
撮影地はイベリア半島最東端にある、クレーウス岬自然公園。
遠方にあるのは地中海。手前には撮影者らの飼い犬も写っています。
86人の観測者による2002年のしし座流星群の観測の結果、
19日13時10分頃に最初の極大を迎え、理想的な条件下に
直した1時間当たり出現数は2350個と見積もられました。
2番目の極大は19時50分頃となり、理想的な条件下に直し
た出現数は2660個と見積もられたという報告が、国際流星
機構から11月22日に発表されました。
(2002年の予報や結果について詳しくはこちら)

珍しい、宇宙から見たしし座流星群の写真です。MSX衛星のカメラが48分間、1997年のしし座流星群をとらえたものです。(資料)
2000年11月のしし座流星群では、どのような出現をみせてくれたでしょうか?予報によりますと、2000年に多くの流星を見るのに適した地域 は、アメリカ、西ヨーロッパ、西アフリカなどとされていました。
最も多くの流星が出現すると見られた極大時刻が、日本時間の18日昼間にあたっていたことや、夜も夜遅くに下弦近い半月が昇ることで暗い流星が見にくいこと(これは海外でも同じ)など、とくに日本から見る2000年のしし座流星群はあまり期待できませんでした。
2000年の極大時にどれくらいの流星が出現するかは、研究者により異なり、理想的な条件下(月明かりもない)で、100個〜700個/時 とかなり幅がありました。
NASAのマーシャル宇宙センターの科学者らは、直径3mの気象観測用気球を18日15時30分に上げ、3〜4時間の飛行時間中、約32kmの高度から高感度のCCDビデオカメラ(視野は約20度)で流星のビデオ観測を行い、インターネットでもその映像が見られるようにしていました。気球には超低周波用電波受信機ものせられており、流星が発する電波をとらえようという実験も行われました。 (気球から送信さえた流星の映像などはこちらで/関連情報)
砂粒のような流星物質が大気に突っ込み、大気との猛烈な衝突でたちまち熱いガス(プラズマ)となり、このプラズマが光をだします。(これが流星の正体です)
高速で突入する流星物質の背後には、プラズマの希薄な部分ができますが、軽くすばやく動ける電子が周囲から流れ込み、薄い部分をうめます。すると、電子の濃いところ薄いところのムラができ、電子が少ない部分がプラスの電気を帯びて、電子の多い部分(マイナス)をひっぱります。電子は急には止まれないので、ひっぱられた方に行き過ぎ、またムラができます。この状態が繰り返されます。これを「プラズマ振動」とよんでいます。流星が作り出していると見られる「プラズマ振動」から発生する電波を今回とらえようというわけです。(プラズマ振動について: 1、2)ヨーロッパでは、13日〜20日、放送用電波が流星に反射するのを観測するという計画がありました。
流星物質が月面に最も多く衝突するはずの時間も、今回は11月17日14時頃と日本の昼間の時間帯であり、月も昇っていませんでした。(しし座流星群流星物質の月面衝突)
アメリカやヨーロッパでは、理想的な条件下に換算して、1時間に約300〜450個という流星が観測され、日本流星研究会がまとめたグラフ(グラフの時刻は世界時。9時間足すと日本時)を見ますと、2つの極大時刻が、アッシャーとマクノートらによる予報とよく一致していたことがわかります。彼らによる1999年の予報も観測とよく一致したことから、2001年の大出現が期待されます。
しし座流星群速報!(Avell-Leonid Home Page)流星の電波観測(しし座流星群速報ページあり)
Near-Live Leonid Watching System News
Leonids 2000: ESA observation reports
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1999年11月のしし座流星群の活動
1999年11月19日02時半頃、三浦半島で撮影されたしし座群の流星。撮影:渡辺秀夫
1999年11月しし座流星群の観測速報 日本流星研究会 / ASTRONET / Armagh Observatory / Near-Live Leonid Watching System
アフリカ、中東、ヨーロッパで「流星雨」が見られました! (アメリカの軍事衛星「アーガス」(ARGOS: the Advanced Research and Global Observations Satellite)が南緯約20度の南太平洋上833kmからGIMIで撮像。関連ページ )アーガスについて: 1、 2、 3
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1998年11月18日04時14分に現れた大火球(右は同じ画像の明暗を反転させた説明用)
6分間の露出中に現れた大火球とそのあとにしばらく残った流星痕がいっしょに写っています。 (明るい流星を火球(かきゅう)とよんでいますが、明るさについての厳密な定義はありません)
☆ 別の観測地点からとらえられた同じ大火球の写真も見てみましょう。(AstroArts; Live Leonids 98; 日本流星研究会; 府中天文同好会; KIDさんのページ) この大火球は、伊豆半島北部上空に出現したようです。
国際天文学連合回報7052号などによりますと、1998年11月17日14時頃、大西洋方面で1時間2千個ほどの出現があったそうです。他の観測結果を見ても、予報されていたよりも、半日以上も早く、11月17日昼前〜正午前後に極大を迎えていたようです。(国際流星機構による出現数グラフ(日本流星研究会ホームページより)
ただ、この2千個というのは、何人かの観測者が同時に観測をしていたもので、空全体に見えた数です。普通は、1人で見た場合の数で表しますから、それですと1時間に250個くらいに相当するのではないかということです。(資料1; 資料2)
魚眼レンズで撮影された1ダースをこえる火球
http://www.icstars.com/HTML/Leo98/index.htmより
魚眼レンズで撮影されたたくさんの火球
(高解像度版: 400dpi(1.28 MB); 600dpi(2.53 MB))
ヨーロッパのスロバキア、コメニウス大学のモドゥラ天文台で撮影されたこの全天写真(1998年11月17日08時33分00秒〜12時37分10秒の約4時間の露出)には、マイナス2等より明るい流星がおよそ150個も写っているそうです。最も明るかった火球は約マイナス8等で、ZHRは約400と見積もられています。(写真ともAstronomical Observatory Modraより)
ラスベガスの北東上空に現れた流星痕(31分ぶんのGIFアニメーション(2.84 MB))
Credit: ROTSE Collaboration (University of Michigan, Los Alamos National Laboratory and Lawrence Livermore National Laboratory)
1998年11月17日17時32分に約83kmの高さに現れました。画面の縦横は8度です。(ROTSEホームページより)
国内でも海外でも、空の条件のよい多くの場所で、多いときで平均毎分1個くらいの流星が見られたようです。
観測されたかたは気づいたと思いますが、たいへん明るい流星も多く見られました。ルーマニアでは、1時間に200個をこえる流星が見られ、その40%近くがマイナス3等(明るい惑星くらい)をこえる明るさであったということです。昼間の時間帯にも一部の流星が見えたという報告もあります。(資料)
火球が多く見られた理由は? 流星痕も多く見られました。
世界各地からの観測が集まるにつれ、さらに詳しい状況が明らかになるでしょう。()人工衛星への深刻な被害もなかったようです。(資料)
アメリカでは、海軍の人工衛星監視用レーダーの電波を利用して、流星観測をしているアマチュアの研究者がいます。テキサス州キカプーにある出力800kWのレーダーアンテナからの電波を利用しているのです。流星によって上空にできるプラズマは特定の周波数の電波をよく反射します。上記のレーダーからの電波は、理想的な周波数からはすこしずれているのですが、強い電波なので十分反射してくれるのです。
アマチュア無線の設備でとらえた、しし座流星群・ふたご座流星群の流星から反射した電波と、人工衛星から反射した電波がこちらのページに紹介されています。(FM放送の電波などを利用した流星観測についてはこちらをごらんください)
1999年11月18日にもしし座流星群の活動が期待されています。1998年のように、極大時刻が予報から大きくずれるかもしれません。夜半すぎの月明かりもほとんどなく、楽しみにしていましょう。
☆ 多くの火球が見られた理由 ☆北アイルランドのアーマー天文台と、ロシアの南ウラル州立大学の研究者らは、1998年のしし座流星群の出現で、極大時予報より16時間もはやく多くの火球(明るい流星)が現れた原因を調べました。
1333年にテンペル・タットル彗星から放出された粒子(大きなもので数cm)からなる、密集したひもかリボンのような形の雲に地球が突入した、というのが彼らの結論です。
観測された流星の明るさや数、時刻などから、流星群の粒子の分布がわかります。1998年に多数の火球が出現した時には、流星群軌道の中心部からすこし離れた空間に、大きめな粒子の密集したリボンかひも状の雲があり、そこに地球が突入したものと考えられています。
流星群の粒子のながれには、組みひものような複雑な構造があるようです。
それにしても、なぜ1333年に放出された粒子の群が長い間、あまりバラバラにならず密集したままであったのでしょうか? 大きな粒子の場合には、光の圧力の影響よりも圧倒的に太陽と諸惑星の重力によって運動が決まってきます。惑星のなかでも、巨大惑星である木星の影響は大きなものがあります。
7世紀、テンペル・タットル彗星は、木星の特別な関係にある軌道に入りました。木星が太陽のまわりを14回まわるあいだに、テンペル・タットル彗星は5回まわる、という関係になったのです。(木星が太陽の周囲を1周する公転周期は11.86年で、テンペル・タットル彗星の最近の公転周期は33.22年です。それぞれ14倍、5倍するとほとんど同じ数字になります)
テンペル・タットル彗星の近くにある大きめの粒子についても、ほとんど同じ周期で太陽をまわっていますから、木星の公転周期とは同じ関係にあります。 木星からの重力の影響が、こうした特別な関係にあることが、1333年放出の大つぶ粒子群があまりはなればなれにならない原因と見られています。
1998年11月に多くの火球が見られたのですが、それでも、上記研究者の計算によると、ほとんどの大つぶ粒子が地球に衝突しなかったということです。(一部が衝突し、多くの火球として見られたわけです)
計算では、1999年11月には、大つぶ粒子群が地球から一層離れたところを通るため、1998年のような「多くの火球」は期待できない、ということですが、普通のしし座流星群粒子による出現は1999年11月18日11時頃(日本では昼間!)になりそうだ、ということです。(これらは、1866、1899、1932年にテンペル・タットル彗星から放出された粒子) 1999年11月18日の極大時刻や火球が少なかったことなど、彼らの予想は現実とよくあっていました。
(資料)
1998年のしし座流星群で、大火球の音をとらえたという観測もあります。
1997年11月17日の流星バースト
1997年11月17日の流星バースト
(日本流星研究会Webページより)1997年11月17日、ハワイ島で超高感度ビデオカメラで撮影された、「2秒間の流星雨」のようすが公開されています。たった2秒間のあいだに、4等以上の明るさをもつ100〜150個もの流星が突然現れる、というたいへん珍しい現象が記録されています。
はるか上空で大きな流星物質がバラバラに分解したためにこのような現象が生じたのかもしれません。
この、短時間の突発的流星雨(流星バースト)のなかで、最も明るいマイナス2等級の流星は肉眼でも見えていたそうですが、月明かりのためか、他の流星については肉眼では見えなかったということです。 (資料: 1、2)
月への流星群衝突
しし座流星群の流星物質は、月にも衝突します。1999年11月17日夜半前は、月が空に見えていますが、光っていない部分を望遠鏡で拡大して観測すると、流星物質衝突時のフラッシュがかろうじてとらえられるかもしれません。詳しくはこちらを。
しし座流星群の月面衝突のせいで、多数のナトリウム原子が月面から飛ばされ、淡い大気ができるようです。その大気が、太陽光の圧力によって吹き流されたもの、と見られるものが、1998年11月に観測されました。
1999年11月18日の月面閃光地点
(IOTAWebページより)
1999年のしし座流星群極大の頃、月面に注目していた人たちがいます。月面に流星物質が衝突した際の閃光(せんこう。フラッシュ)をとらえようというのです。北アメリカのアマチュア観測家などがそれぞれ13〜35cmの口径という、比較的小型・中型の望遠鏡で月面を観測していました。そして、何人者もの観測者によって、月面で起こった閃光が高感度CCDカメラで記録されたのです。
ビデオにとらえられた閃光 一番明るいものでは、3等星の明るさに達していたそうです。しし座流星群の流星物質の群れが月に接近していた時間帯ともよくあっていました。
日本でも、電気通信大学の柳澤正久さんが11月18日の夜、4等級の閃光を3回記録しています。
今回、流星物質の月面衝突という現象が、観測によって確認された最初の例となることでしょう。ほかの流星群のときも、(月が満月に近くないとき)月面の監視をする観測者が増えるかもしれません。
1999年11月18日14時頃あいついでビデオカメラがとらえた月面衝突と関連情報1、2、3
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プラネタリウム番組「降るか?しし座流星雨」
東京近郊地区流星観測者会共催による、はまぎんこども宇宙科学館「しし座流星群関連セミナー」は今年も開催されます。 (1998年11月8日のセミナー当日の写真)
しし座流星群のイメージ
クリックすると流星の飛びかたがわかります。(GIFアニメーション 94KB)
(作画: 遠山御幸)
テンペル・タットル彗星の軌道と地球の軌道
(http://www.astro1.demon.co.uk/orbit_diagrams.htmlより)
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3次元CGで見るしし座流星群やしし座流星群軌道のCGビデオも見てみましょう。立体太陽系シミュレーターでテンペル・タットル彗星の軌道をみてみましょう。
(startの字をクリックし、continueの字をクリックしたら、彗星の軌道が現れます。図のなかをカーソルで引っぱると、軌道の向きが変わります。シフトキーを押しながらクリックすると拡大し、コントロールキーを押しながらクリックすると縮小していきます)
テンペル・タットル彗星と水星〜土星の軌道運動CG(AVI動画 859 KB)
テンペル・タットル彗星と地球の軌道運動CG(AVI動画 4.32 MB 真横に近い角度から)
しし座流星群の軌道の立体CG(AVI動画 3.96 MB 水星〜海王星軌道まで)
(以上の3作品は、Leonids '98より)
しし座流星群の軌道と地球の動きCG(QuickTime動画 565KB)
(http://spacescience.com/headlines/y2000/ast10oct_1.htmより)
テンペル・タットル彗星の軌道データ
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彗星は、「巨大な汚れた雪だるま」といわれるように、砂粒のような固体物質も多く含んでいます。この固体物質は、砂や石ころの主成分(ケイ酸塩)と同じ物質でできた粒が主です。タールのような炭化水素もまじっていて、粒同士をくっつけている接着剤のような役割をしていると考えられています。(資料。こちらのページの Figure 2 に、航空機が成層圏で採取した、彗星の塵粒子とみられるものの写真があります) )
彗星の軌道は、細長い楕円であることが多く、多くの時間を太陽から離れたところを動いています。太陽に近づくにつれ、スピードがましていくます。太陽に最も接近した後、遠ざかっていくと、スピードはまたゆっくりとしたものになっていきます。(Java スクリプトによるケプラーの法則のページを見ると、太陽をまわる天体の動きかたがわかります)彗星が太陽に近づくと、表面の凍っていたガスが気体になり、それにつれて固体粒子も宇宙空間にこぼれていきます。こうしたガスや固体粒子の塵が彗星の尾となるわけです。(彗星情報のページもごらんください)
彗星表面から流れ出した固体粒子たちは、ゆっくりと彗星本体から離れていきます。長い時間が経過すると、ついには、彗星軌道上のどこでも固体粒子がただよっている状態になります。あまり長い時間たっていなければ、彗星の比較的近くに固体粒子が群をなしているわけです。
彗星軌道付近に分布している流星粒子(流星物質)の大きさはどれくらいでしょうか。あまり小さいと、太陽の重力に比べ、太陽の光の圧力の影響を強く受けるようになり、遠くに飛ばされてしまいます。(こうしてできるのが彗星の塵(ダスト)の尾です)
あまり大きな粒子だと、彗星に重力で引き戻され、離れることが難しくなります。
こうした制限があるため、しし座流星群の粒子の大きさは、0.01mmくらい(バクテリアくらいの大きさ)〜10cmくらい(数kg)と見積もられています。(資料)理想的な空のもとでやっと見える6等級のものですと、1万分の1g、0.5mmくらいの粒子になるでしょう。(資料)彗星から放出された粒子の多くは小さいため、太陽の光の圧力の影響を受けやすくなります。太陽光の圧力で粒の軌道は(彗星の軌道より)わずかに外側に広がります。大きな軌道ほど太陽をまわる公転周期はゆっくりになります。(外側をまわる惑星ほど公転周期がゆっくりになりますね)
こうして、わずかに軌道が広がった塵は、少しづつ彗星本体後方に離れていくようになります。(詳しくはこちら、あるいはこちらをごらんください)
光の圧力に関する関連ページ
そうした彗星軌道の近くに、地球軌道の一部が接近していると、毎年地球がそこを通過するときに、たくさんの固体粒子が大気に突っ込んできます。大気との猛烈な衝突でたちまち熱いガス(プラズマ)となり、このプラズマが光をだすのです。これが流星です。
猛烈なスピードのため、粒子前面の空気が激しく圧縮されて熱くなるのです。大気との「まさつ」によって1600度以上もの高温になるのではありません。(資料1; 資料2)
流星の高度
流星は、地上110キロくらいの高さで光だし、通常、80キロ前後で消滅します。質量は平均的なもので、1グラム以下です。しし座流星群の場合、とくに猛烈なスピードでぶつかるため、高度約160kmから発光するものがあります。(資料1; 資料2)
彗星起源のこれらの粒子は、特定の方向から突っ込んでくるため、ある星座の方向を中心に、放射状に流星が飛びます。紙に2cmくらいの間隔で2本の直線を引き、紙の縁からその線の間を見ると、2本の線が手前に広がり、放射状に見えます。(次の写真)
流星群の流星が放射状に飛ぶ理由
これと同じことが流星群にも起きています。
流星の飛んだあとを逆に延長すると、ほぼ1点に集まります。(このページ上の方にあるのアニメーションGIF画像を見ると、そのようすがわかります)この点を「放射点」(ほうしゃてん)とよんでいます。放射点のある星座によって、「なになに座流星群」といういいかたをしています。
流星群の流星が、放射点を中心に飛び散るような見え方になる説明 はhttp://www.atnf.csiro.au/asa_www/info_sheets/leonids.html からのものです。地図右下の時刻は世界時(9時間を足すと日本時)です。右上には当日の月の形が示してあります。地図の右側(うすい地図)は昼間の領域です。
(厚木市子ども科学館作成のAVI動画)
平行なレールの上を球が転がってくる。
流星群の流星たちも平行に大気に突入します。
一般的に、放射点は、空の高い位置にあるときのほうが、低いときより多くの流星が見られます。
画用紙に平行な線を何本も書き、これが流星群の粒子の流れだと考えましょう。
頭の上に放射点があるときと、かなり斜めの方向に放射点があるときでは、ある範囲の大気(図の太い黒い線の間)に入ってくる粒子の数(図では線の本数)がちがいます。放射点が地平線にちかくなるほど、流星の数が減るのがわかるでしょう。
しし座流星群の場合、ライオンの頭にあたる部分(「クエスチョン・マーク」のひっくり返しのような星々。この部分は、腕をのばしたときの手のひらの大きさくらいに見えます)の中央付近に放射点があります。しし座座流星群を作り出しているテンペル・タットル彗星は、1998年2月28日に太陽に接近しましたので、今後数年間に、相当な数の固体粒子が地球にぶつかる可能性があります。(テンペル・タットル彗星が地球軌道面を通過したのは1998年3月5日で、このとき地球は同彗星から約1.6天文単位離れていました)
33年周期で太陽をまわっているテンペル・タットル彗星が前回太陽に接近した1965年のときには、1966年の11月16日〜17日の夜、それこそ降るような流星雨が見られたそうです。(1966年、地球はテンペル・タットル彗星の軌道から46万km以内を通過しました)
☆ 1966年の大出現を記録した写真を紹介しているページ
☆ 1966年の大出現を記録した写真を紹介しているページ
☆ 1966年の大出現の体験談を紹介しているページ
1833年のしし座流星雨
当時の目撃記録に基づいた版画(http://hyperion.cc.uregina.ca/~astro/Leonids/leo_pic.htmlより)
人類の歴史上の記録では、しし座流星群に限らず、平均して20年に1度くらい、流星雨とよばれるような激しい流星出現が起こっているようです。(資料)
イギリスの天文学者、ジョン・クーチ・アダムズ(1819-1892)は、1867年にしし座流星群の軌道周期の問題について取り組みました。彼は、暦の違いなどを修正した結果、902年〜1833年の大出現の日付が、平均して70年で1日進んでいるいることに気づきました。大出現の日付がすこしづつおそくなっているのです。(資料)これは、地球が太陽のまわりを正確に1周するのに、365.2422日(1太陽年)では足らず、約20分よけいにかかるためです。
そのほか、流星群の軌道は、惑星の重力によっても影響を受けます。
過去には、大出現が予想されて、実際にはそれほどでもなかった例もあります。流星物質(固体粒子)の濃密なところ、少ないところといった軌道上の分布がよくわかっていないせいです。こうしたデータを集めるためにも、流星観測は重要になります。
しし座流星群の流星物質というのは、宇宙空間にどれくらい密集しているのでしょうか?
簡単な計算で考えてみましょう。
地面に寝ころんで頭の上を見る場合、地平線から45度くらいの高さに出る流星なら気がつくかもしれません。
頭の真上を見ていると、真上を中心に半径45度の範囲の流星が見えると仮定しましょう。つまり、観測点から半径100kmの範囲の上空に現れた流星が見える(気がつく)という仮定です。(図の三角形は二等辺三角形ですから流星の真下までの距離も100kmです)
冒頭の軌道図にあるように、しし座流星群の流星物質は、地球とほとんど正面衝突するような形です。流星物質たちから見れば、地球が秒速約70kmで突っ込んでくるのです。
放射点が頭上近くにあるとしますと、半径100kmの面積が1秒間に70km進んでいくわけです。したがって、1秒間に1個の流星(1時間当たり3600個!)が見えるのなら、半径100km高さ70kmの円柱の体積に1粒の流星物質がある、ということになります。
東京駅から富士山までの距離がおよそ100kmですから、流星物質同士がいかに離れているのかがわかります。
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しし座流星群の観測の歴史について:プラネタリウム番組シナリオやしし座流星群とは?のページにかんたんな説明があります。詳しい記述は、しし座γ流星群のページや、獅子座流星群の歴史、テンペル-タットル彗星の歴史のページなどにあります。(そのほか: 1, 2, 3)紀元後8世紀より昔は、テンペル・タットル彗星の軌道が地球軌道のかなり外側にあったため、観測記録はないと見られています。(資料)
記録によると、紀元後902〜1969年の間に、58回のしし座流星群の活動的な記録があり、そのうち23回は大出現といえるようなものだったようです。(資料)☆ エルンスト・ヴィルヘルム・テンペル(1821-1889)
☆ エルンスト・ヴィルヘルム・テンペル(1821-1889)
通常は極大時に、1時間当たり10個程度だったのが、1995年に約40個、1996年には50〜80個、あるいは100個以上という観測報告があります。(StarTrakによる) 今後の大出現のきざしかもしれません。(しかし、1899年や1933年のときのように、先立つ年に大出現のきざしのような現象があったにもかかわらず大出現にならなかったこともあります)
ジェット推進研究所のドナルド・ヨーマンズ氏の計算によりますと、テンペル・タットル彗星の軌道に地球が最も接近するときとして考えた、しし座流星群の出現極大時の予測は、
1996年: 11月17日16時20分 (日本時間)
1997年: 11月17日22時34分 (日本時間)
1998年: 11月18日04時43分 (日本時間)
1999年: 11月18日10時48分 (日本時間)
となっています。予測からずれた時刻に多くの流星が見られる場合もありますから、注意しましょう。1832〜1966年の出現記録では、彗星軌道最接近時刻を中心に前後10時間以内に出現数の極大をむかえています。(資料)
流星群の出現予測には、過去の出現記録から予測する方法や、流星群の計算モデルを設定して予測する方法などがありますが、いずれも不確かな要素(歴史的な記録の場合、あいまいな表現から流星出現数をどのように見積もるかなど; 計算モデルの場合、流星粒子の密度、彗星からの放出速度など)が入るため、予測結果もさまざまです
。(このページの最後にさまざまな予測結果へのリンクがあります)ウェスタン・オンタリオ大学、流星物理学研究所のピーター・ブラウン氏が1998年11月5日に発表した予報によりますと、極大が11月18日04時20分(日本時間)±60分になる確率は68%ということで、ZHRが1000個程度になりそうだということですが、はたしてどうなるでしょうか。
2029年8月には、テンペル・タットル彗星が木星に1.5天文単位まで接近するため、テンペル・タットル彗星の軌道が地球軌道の内側に少しずれます。(現在もわずかに内側にずれているのですが、さらにずれるのです)
☆ テンペル・タットル彗星と地球軌道の接近距離の変動図彗星軌道との接近距離が近いほど、多くの流星が出現すると見られていますから、21世紀のしし座流星群の活動は、しばらくおだやかなものになるかもしれません。(詳しくは こちら)
1997年の極大時には、明るい月が夜空にあり、暗い流星が見にくかったのですが、 国際天文学連合回報No.6772によりますと、この年のしし座流星群は、11月17日21時〜23時頃にピークをむかえ、この頃、かなり明るい流星も多数現れたそうです。
1998年の極大時には、月明かりもなく、予想極大時刻頃、しし座はみやすい位置に昇っています。
空のどこを見ていてもかまいませんが、放射状に流星がとぶようすを実感するには、しし座が見えている東のそらを見ているのがよいでしょう。(冒頭のアニメーションGIF画像を参照)
1999年の極大時は日本では昼間の時刻です。
しし座にある放射点付近が東からのぼり、観測できるようになるのは、夜半から明け方にかけてになります。空の暗い場所ほど、暗い流星まで見ることができますが、市街地でも観察は可能です。街灯の明かりが直接目に入らないような場所を選びましょう。
流星は空全体に出るので、放射点のある東のほうを見ていなければならないことはありません。 (1997年しし座流星群の明るさの記録など)
しし座流星群の場合、流星が飛んだあとに、すじのようなものが残ることが少なくありません。 これを「流星痕」(りゅうせいこん)とよんでいます。 流星痕にも注意してみましょう。 双眼鏡を使うと、流星痕の形の変化を細部まで観察できます。流星が飛んだあと、残像のように1秒程度残っている流星痕をとくに「短痕」といいます。
いっぽう、数秒、ときには数10分にもおよぶ流星痕もあり、これを「永続痕」とよんでいます。
とくに、しし座流星群の流星痕については、1時間近くも残っていることもあり、こうした「永続痕」の発光のしくみはまだ解明されていません。
短痕の発生理由は、つぎのように考えられています。
熱や光などによって原子が刺激されると、原子核をまわる電子のエネルギー状態が、低い状態から高い状態に変化します。ふつうは、すぐにもとの状態にもどります。もどるときに余分なエネルギーを光として発します。(詳しい説明)
ある場合には、すぐには低いエネルギーの状態にもどらないことがあります。ちょっとたってから、低い状態になり、そのとき発光する、というしくみで「短痕」が説明されています。(詳しい説明)
発光している、細長い円筒領域の直径が数mm程度であるという 研究発表
アメリカ空軍の研究施設にスターファイヤー光学実験場というところがあります。ここでは「波面補償光学」(アダプティブオプティクス)の実験・研究が行われています。地球の超高層大気についての情報が得られるためでしょうか、しし座流星群の流星痕がどんな物質でできているのか、どんな化学反応が起きているのかの研究にも乗り出しています。1999年は、他の研究機関と協力して、流星痕のスペクトルを詳しく観測する予定です。(1998年11月の、ナトリウムライダー(電波ではなく、レーザーを使ったレーダーを「ライダー」といいます)による観測から、ナトリウムが主な発光元ではないと見られています。(資料。ライダーについてはこちらも参照のこと)☆ しし座流星群で見られた流星痕の写真や解説: 1、2、3、4、5
1998年のしし座流星群を含め過去の観測結果に基づいて、しし座流星群の粒子(流星物質)が、宇宙空間にどのように分布しているのかが計算されています。
そうした計算によると、1999年のしし座流星群が最も多く見られる極大時刻の予報は、11月18日11時08分となり、日本では昼間の時間帯です。この時刻では、西アジア、ヨーロッパ、アフリカからの観測が理想的になります。1998年に見られたような多数の明るい流星(火球)は1999年にはあまり期待できないという予報がでています。
1999年11月18日の実際の極大時刻が5分以内で一致したことや火球が少なかったことなど、この予想は現実とよくあっていました。ただし、極大時の出現数は予想より5〜10倍も多かったようです。
以下に示す予報によりますと、2001年11月19日の明け方2時〜4時頃に、かなりの数の流星が見られる可能性があります。この時間帯、日本では月明かりもなく空が暗く、観測条件は良好です。
2001年11月19日午前2時半の東の空
2001年11月19日午前2時半の空全体
2001年11月19日午前3時半の東の空
2001年11月19日午前3時半の空全体
(いずれも横浜から見た図。東の空では、地平線から頭上付近までが示されています。惑星はシンボルで表現。作図はHome Planetによる)
東の空に見える、「?」のひっくり返しのような部分がしし座のライオンの頭部です。放射点はこの頭部にあります。
空の暗い場所ほど、暗い流星まで見ることができますが、市街地でも観察は可能です。街灯の明かりが直接目に入らないような場所を選びましょう。
しし座の方向に多くの流星が出現するわけではありませんので、どの方向を見ていてもかまいません。
防寒、防犯にも注意してください。
過去2百年にわたるしし座流星群の活動を分析している北アイルランド、アーマー天文台のデイヴィッド・アッシャーとオーストラリア国立大学のロバート・マクノートらによりますと、流星物質を放出している彗星だけを考えて極大予報を計算すると、数時間くらいの正確さ(場合によってはまったくのはずれ)しかないのですが、彼らの方法で精度を上げていけば、しし座流星群の極大時刻が約5分以内という驚異的な正確さで予測できる、ということです。彼らの方法では、流星物質の密になっている場所に対する惑星の引力の影響を考慮した上で、100年、200年という期間にわたり流星物質の分布どのようになっていくのかを正確に計算します。彼らによりますと、1999年と2000年はまあまあの出現であるが華々しいとまではいかず、1999年の極大時には理想的な条件下で毎分20個くらい見られるかもしれない、という予報です。しかし、2001年と2002年には華々しい出現(「流星雨」)になるだろうという予想を出しています。2001年には東アジア方面で観測条件が理想的となり、月明かりの影響もないということです。その予報による極大予報は以下のとおりです。
すべて日本時間 ピンクの部分は2002年11月更新の新しい予報 水色の部分は2004年11月更新の2004年出現分の新しい予報 (フランスのジェレミー・ヴォバイヨンらによる)
新しい予報計算には、それまでの観測データと太陽放射の影響が組み込まれました。 1999年: 11月18日11時08分 理想的条件下で500〜1200個/時。アフリカ、ヨーロッパから見られる
→ 実際には11時05分に極大となり、極大時には理想的な条件下にして約5千個/時出現 2000年: 11月18日12時44分 日本時間の昼間に極大。夜は下弦の半月近い月あり。理想的条件下で100個/時? 西アフリカ、西欧などから見られる。
2000年: 11月18日16時51分 日本時間の昼間に極大。夜は下弦の半月近い月あり。理想的条件下で100個/時? 北米、中米などから見られる2001年: 11月18日19時01分 月明かりなし。理想的条件下で2500個/時? 北米、中米などから見られる(次行が新しい予報)
2001年: 11月18日18時55分 月明かりなし。理想的条件下で800個/時。 北米、中米などから見られる
2001年: 11月19日02時31分 月明かりなし。理想的条件下で9000個/時。東アジア、オーストラリアなどから見られる(次行が新しい予報)
2001年: 11月19日02時24分 月明かりなし。理想的条件下で2000個/時。東アジア、オーストラリアなどから見られる
2001年: 11月19日03時19分 月明かりなし。理想的条件下で15000個/時。東・東南・中央アジア、西オーストラリアなどから見られる(次行が新しい予報)
2001年: 11月19日03時13分 月明かりなし。理想的条件下で8000個/時。東・東南・中央アジア、西オーストラリアなどから見られる
2002年: 11月19日13時00分 日本時間の昼間に極大。極大時、理想的な条件下では15000個/時。西アフリカ、西ヨーロッパ、北カナダなどから見られる(次行が新しい予報)
2002年: 11月19日12時56分 日本時間の昼間に極大。極大時、理想的な条件下では1000個/時。西アフリカ、西ヨーロッパ、北カナダなどから見られる
2002年: 11月19日19時36分 夜は満月近い月あり。極大時、日本ではまだ放射点が昇っていないので、この時刻付近は観測に適さない。極大時、月がない理想的な条件下では30000個/時。北米などから見られる(次行が新しい予報)
2002年: 11月19日19時34分 夜は満月近い月あり。極大時、日本ではまだ放射点が昇っていないので、この時刻付近は観測に適さない。極大時、月がない理想的な条件下では6000個/時。北米などから見られる2004年: 11月9日08時30分 極大時、日本では昼間で眼視観測には適さないが、電波観測は可能。極大時、月がない理想的な条件下ではおよそ50〜100個/時。
2004年: 11月19日15時42分 極大時、日本では昼間であり、放射点が昇っていないため観測に適さない。極大時、月がない理想的な条件下ではおよそ10個/時。
2004年: 11月20日06時49分 極大時、日本では日の出の時間帯。空が明るくなるまでの明け方なら月もなく眼視観測可能。極大時、月がない理想的な条件下ではおよそ65個/時。
2006年: 11月19日13時45分 日本時間の昼間に極大。この時刻、日本では放射点がまだ昇っていないので、この時刻付近では観測に適さない。月明かりの影響なし。理想的な条件下では100個/時。西ヨーロッパ、西アフリカなどから見られる。 (さらなる資料: 1 2 3 4 )
2006年しし座流星群写真集
上記中、2002年予想極大時頃に観測可能な地域の地図
昼夜の境界線から夜側の方に、3本の線があります。薄明の度合いを示しており、太陽の仰角(地平線下なのでマイナス)がマイナス6度までの市民薄明、マイナス12度までの航海薄明。マイナス18度までの天文薄明の範囲をそれそれ示しています。
太い破線は月が空に昇って見えている領域と沈んでいる領域の境です。薄い破線は月の仰角がマイナス6度までの範囲を示しています。
これらの地図は、予想極大時刻に、放射点方向から地球を見たようすです。同心円は、放射点の仰角を示しています。中心では頭の真上に放射点が見え、円の縁では地平線上ぎりぎりに放射点が見えます。
2007年: 3つほどの予報が発表されています。
11月17日17時頃に極大を迎えるという予報
11月18日11時50分頃に極大を迎えるという予報
11月19日08時05分頃に極大を迎えるという予報
いずれも、 予想される極大時が、日本では昼間の時間帯にあたっていたり、 あるいは、しし座が空に昇っていない時間帯のため、観測条件がよくありません。11月19日08時05分頃という 予報
では、1932年に彗星から放出された流星物質の群に地球が接近するということです。 理想的な条件下では1時間あたり60〜65個の流星が出現するものの、その多くは暗い流星であると 推定されています。
観測速報(UT は世界時で、日本時マイナス9時間です)
2008年: 5つほどの予報が発表されています。
11月16日00時頃に極大を迎えるという予報
11月17日09時22分頃に極大を迎えるという予報
11月17日10時32分頃に極大を迎えるという予報
11月17日18時頃に極大を迎えるという予報
11月19日06時38分頃に極大を迎えるという予報
11月16日0時頃は、しし座が東の空に昇ってきているものの、 満月(13日)をすぎた月明かりが観測を妨げます。 出現数も数個程度と見られています。上記3つの11月17日の予報では、 予想される極大時が、日本では昼間の時間帯にあたっていたり、 あるいは、しし座が空に昇っていない時間帯のため、観測条件がよくありません。
上記、11月17日午前中に極大となる2つの予報では、 1466年に彗星から放出された流星物質の群に地球が接近するということです。 理想的な条件下では1時間あたり100個前後の流星が出現するかもしれないということです。
11月19日朝の極大では、空が明るくなっており、やはり観測条件がよくありません。
(太陽・月の出没時 / 薄明の 時刻)
★理想的な条件とは、雲がなく、6.5等の明るさの恒星が見える暗い空で、放射点が天頂にある場合です。
観測速報(UT は世界時で、日本時マイナス9時間です)
2009年: 理想的な条件下、1時間あたりの換算で100個以上の出現が予報されています。
研究者ら、それぞれのしし座流星群極大予報によりますと、2009年のしし座流星群の極大時には、(理想的な観測条件下の)1時間あたりに換算して100個以上の流星が出現する可能性があります。
テンペル・タットル彗星が1466年と1533年に、太陽に近づいた際に放出した 「流星物質の群れ」に今回、地球が接近すると予想されています。それぞれの群れに最も接近する時刻はぼぼ同じ頃です。 結果として、最も多くの流星が出現する極大時刻は11月18日06〜07時の間と 見られています。
11月18日06時44分頃には、 理想的な観測条件下、1時間あたりに換算して1000〜1500個程度という大出現になる可能性を指摘する研究者もいます。 (控えめな予報でも、理想的な観測条件下、1時間あたりに換算して百数十個)
幸い今回は11月17日が新月となるため、月明かりの妨害はありません。
06〜07時の時間帯の観測に適しているのはアジアの広い範囲です。
2009年極大時、 流星群(の粒子)が飛んでくる方向(しし座)から見た地球
Credit: Danielle Moser of the NASA Meteoroid Environment Office(上図)地球の中央にいれば、流星群の放射点が頭の真上にある、ということです。 太陽光に照らされていない夜の領域で、中央に近いほど多くの出現数が期待できます。 (タイとその周辺など)
06時ならば、東日本では 市民薄明が始まる頃であり、空が明るく観測は困難です。 九州・沖縄方面では 航海薄明 が始まる頃で、明るい流星ならば見えるかもしれませんが、観測の条件はよくありません。 07時となると、太陽が出ており、観測はできません。 (電波を使った観測ならば昼間でも観測は可能です)
- 日の出の時刻を調べておきましょう。
- あなたの観測地での薄明の 時刻も調べておきましょう。
資料
Return of the Leonids
2009 Leonids
Will the Leonids Roar Again?
2009 Leonids Peak Visibility
Leonids 2001-2010
IMO Meteor Shower Calendart 2009
★理想的な条件とは、雲がなく、6.5等の明るさの恒星が見える暗い空で、放射点が天頂にある場合です。
- 観測速報(UT は世界時で、日本時マイナス9時間です)
- しし座流星群写真集(SpaceWeather.com: The Leonids: Nov. 15-18, 2009)
- 投稿画像ギャラリー「2009年 しし座流星群」(AstroArts)
以下、2001年のしし座流星群に関する解説のつづき
★ アッシャー/マクノートらと同様な方法で、予報を計算している研究者(ライティネン)では、計算結果にかなりの一致が見られます。
2001年の4種の予報の比較
赤がアッシャーら。緑がライティネン。青がブラウンら、黒がイェニスキンズの予報。
時刻は世界時(+9時間で日本時)。縦軸は理想的な条件下で見た1時間当たりの出現数。
グラフ中にある西暦の数字は、「彗星からいつ放出された流星物質であるか」を示しています。
http://see.msfc.nasa.gov/see/Leonid_Forecast_2001x.html より。
2001年しし座流星群の記録
2002年の4種の予報の比較グラフ
http://www.spaceweather.com/leonids/ より時刻は世界時(+9時間で日本時)。縦軸は理想的な条件下で見た1時間当たりの出現数。
グラフ中にある西暦の数字は、「彗星からいつ放出された流星物質であるか」を示しています。1767年放出の塵による極大はヨーロッパ等で観測条件がよく、1866年放出の塵による極大は(北)アメリカで観測条件がよくなっています。
アッシャー/マクノート理論による2002年しし座流星群の最新予報
(2002年11月発表。http://www.atnf.csiro.au/asa_www/info_sheets/leonids.html より)
横軸は2002年11月19日の世界時(+9時間で日本時)。縦軸は理想的な条件下で見た1時間当たりの出現数。
2002年しし座流星群の状況を、流星物質の群と地球の位置関係・予想出現数など、まとめて図示したのがこちらのページ
しし座流星群 2002 〜今年はどうなる?〜(日本流星研究会)や、「2002年 しし座流星群 出現予報と見解」というこちらのファイル、さらに Leonids 2002: The Last Hurrah も参考にしてください。
2000年〜2002年のしし座流星群状況
http://web99.arc.nasa.gov/~leonid/1998.htmlより。With permission from Dr. Jenniskens上図の説明
青い線は、地球の軌道の一部。軌道上の地球の大きさは実際の10倍の比率。
小さな楕円は、彗星軌道に沿うようにして広がる流星物質(彗星から放出された年が記入されています)が、地球軌道面を横断する部分を示しています。色の濃さは新しさを示しており、粒子の密度ではありません。ただ、放出が新しいものほど、あるていど密な傾向があります。2001年には、1699年・1767年・1866年放出の流星物質の群と地球がぶつかることがみてとれます。
そして、2002年には、1767年・1866年放出の流星物質の群と地球がぶつかることがわかります。
緑のX印は、1998年3月5日にテンペル・タットル彗星が地球軌道面を通過したときの位置です。(太陽に接近したのは同年2月28日)
巨大な地球は、1866年放出の流星物質が地球軌道面を通過するとき、流星群が飛んでくる方向(しし座)から見た地球です。その地球の真ん中にいれば、流星群の放射点が頭の真上にある、ということです。
左は月の形です。2001年にはじゃまな月明かりがありません。 (資料)
★ しし座流星群の生中継・速報サイトなど ★MSFC Forward Scatter Meteor Radar
- (Uses TV station transmitters to monitor the meteoroid environment round the clock)
日本流星研究会: しし座流星群のライブが予定されているサイト
Near-Live Leonid Watching System
2002年しし座流星群観測結果を伝えるページ2002年しし座流星群・速報集計(日本流星研究会)
2002年のしし座流星群の出現について(速報)(国立天文台・天文ニュース)
LEONID METEORS 2002(IAUC 8018)
LEONIDS 2002 - First observational results
Dazzling Display: The Leonid Meteor Shower Delivers on Promise
2003年のしし座流星群 予報
11月14日02時17分頃にしし座流星群の極大のひとつを迎えると 予想されています。
11月19日16時28分頃にも、しし座流星群のもうひとつの極大を迎えると 予想されています。
(主な資料:The 2003 Leonid Meteor Shower)
実際には、予想されたよりもかなり少ない出現数で、比較的暗い流星が多かったようです。
2003年しし座流星群予報ページ:
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人工衛星への脅威
しし座流星群の大出現によって、地球周囲の人工衛星に被害がでるかもしれません。前回の大出現のあった1966年当時とは違い、人工衛星の数も相当増えています。機能している人工衛星は現在およそ600〜750個あり、その一部に被害がでるかもしれないのです。(1966年当時機能していた衛星は約50〜100個)
しし座流星群の流星物質は、地球の軌道運動に対し正面衝突するようなかたちになるため、秒速72kmという猛スピードで地球にぶつかってきます。このスピードはマシンガンの弾丸のおよそ70倍です! 6分の1mmの粒子がぶつかっても、22口径(約5.6mm)のピストルの弾丸の衝撃があるといいます。(AW&ST Oct. 5 , 1998, P. 24)
衝突時の高熱で、衛星の一部が、気体の一種である「プラズマ」(電気を通す性質があります)となり、これが衛星の装置内に貫通すると、回路がショートし装置の一部が壊れる危険もありますし、衛星表面でもプラズマが静電気放電を誘発する心配があります。実際、1993年8月のペルセウス座流星群の際、ヨーロッパ宇宙機関の実験通信衛星「オリンパス」が、流星粒子の衝突で故障したと見られています。(詳しくは 1、2、3、4、5、6、7)
通信やナビゲーション・システムなどに影響がおよぶことも心配されています。
ハッブル・スペーステレスコープは、極大頃の10時間、望遠鏡の底の部分を放射点に向けておくそうですが、その間もクエーサーの観測を行います。(そのようすの図。スペーステレスコープ科学研究所のページより)ロシアのミールステーションでは、1998年11月11日、流星粒子を採取する装置を船外に取り付けました。
極大時の頃、宇宙飛行士たちは、ミール全体の最も長い部分によって流星物質の衝突から守られるよう、その先端に位置するソユーズ-TM28に避難します。ミール全体の写真(大判 186KB; 各部の名称)
一番手前が有人宇宙船のソユーズ-TM。この写真は1995年当時のミールですので、1996年にドッキングした「プリローダ・モジュール」は写っていません。現在、全体の大きさは約33m、重さ約140tです。
(Photo Credit: NASA)
デリケートな装置をあらかじめ停めておいたり、断面積の少ない面を放射点に向けておくことなどが人工衛星に対する予防策です。国際通信衛星機構(インテルサット)では、そうした予防措置をとるほか、地上で衛星の監視にあたる職員を増員するそうです。幸い今回は、太陽方向と放射点の方向は直角に近いので、衛星の太陽電池板の向きを大きく変える必要はありません。
1995年12月2日に打ち上げられたSOHO(ソーホー: Solar and Heliospheric Observatory 太陽・太陽圏観測機)は、地球から太陽方向へ150万kmいったところにある(太陽-地球系の)L1ラグランジュ点付近に置かれています。(L1ラグランジュ点では、太陽と地球による重力と、太陽-地球回転系における遠心力とが釣り合っています)
SOHOの位置は、しし座流星群のもととなるテンペル・タットル彗星の軌道(1998〜1999年は地球軌道から約120万km太陽側)にきわめて近いため、地球周辺の人工衛星よりも、流星群粒子との衝突の危険性が高くなります。
(SOHOについてのニュース) さきに説明したように、流星群の粒子はたいへんまばらです。人工衛星に衝突する確率はおよそ100分の1という見積もりや、ハッブル・スペーステレスコープのアルミ製外殻を貫くような粒子が当たる確率は1万分の1以下という見積もりもあり、あまり深刻になるほどではないかもしれませんが、万一に備えるにこしたことはありません。
NASAでは、流星群の激しい活動時期には、スペースシャトルを打ち上げないようにしています。
(詳しくは1、 2、3、4、5、6、7、8; 9; 10; 11; 12; 13 などをごらんください)
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しし座流星群に関するほかのページも見てみましょう (流星・隕石情報のページ)☆ テンペル・タットル彗星の軌道(緑の円が地球の軌道。地球の軌道とは約18度傾いています)
このページの冒頭の軌道図からも、テンペル・タットル彗星から流出した塵は、地球とほぼ正面衝突するような角度にあるのがわかります。☆ テンペル・タットル彗星の軌道図(Java applet)
☆ テンペル・タットル彗星の軌道図、軌道データ、計算位置(Java applet)
☆ テンペル・タットル彗星の軌道データ、光度変化
☆ テンペル・タットル彗星から放出される塵の量について
☆ テンペル・タットル彗星画像集
☆ しし座流星群データ集(英語)
☆ しし座流星群のさまざまな活動予測
☆ しし座流星群に関するさまざまな活動予測
☆ 流星群の流星の見え方をリアルに表示するパソコンソフト(DOS版)
1999年にインターネット生中継を予定していたサイト:1; 2; 3; 4; 5あなたの観測を送信できるページ(英語)
(10分毎の時刻(JST)とその間に見えた流星数、そして空に見えていた最も暗い星の等級を、あなたの名前やメールアドレス、近くの都市名などとともにNASAへ送信できます)
1999年しし座流星群・写真流星観測網参加者募集ページ
NASAの科学者らは、沖縄の嘉手納基地から2機の航空機を1998年11月17日22時頃と23時半頃に発進させ、東シナ海上空付近をおよそ8〜9時間にわたって飛行し、レーザー光線を利用したレーダーのような観測装置や高感度ビデオカメラなどにより、雲の上からしし座流星群の観測を行いました。嘉手納基地に帰還したのは両機とも07時頃です。(詳しくはLEONID MISSION '98 のページ)
1998年の観測結果: Meteor Showers; 日本流星研究会; ASTRONET; 航空機からの観測; ESA Space Science; Sky & Telescope; 気球による観測; 写真集(NASA); 写真・解説(倉敷科学センター); 写真集(宮崎科学技術館); 国際流星機構; 国際流星機構による計数観測まとめ; NASAのしし座流星群ホームページ; 府中天文同好会; 「しし座流星群」四方山話; 1998年しし座流星群画像集CD-ROM
NHKが超高感度ハイビジョンカメラでとらえたしし座流星群を紹介した番組: 総合テレビ1998年11月23日(月)19:30より
/ ハイビジョン1998年11月25日(水)22:30よりミールステーションの宇宙飛行士らは、地球の方にカメラを向けて流星の写真を撮影していたそうです。(資料)
1999年11月もNASAの科学者チームが、観測条件の良い地域の上空から航空機で観測を行いました。
2機の航空機(フィスタとアリア)は、カリフォルニア州モハベ砂漠にあるエドワーズ空軍基地から出発し、ニュージャージー州マグワイア空軍基地で給油し、イギリスの英ミルドゥンホール空軍基地へ向いました(11月14日12時すぎ)。そこから17日07時前に離陸し、スペイン上空まで南下して、地中海を東に進むイスラエルへの7時間にわたる飛行中に、しし座流星群の観測を行いました。翌日18日も、08時過ぎにイスラエルを離陸し、アドレス諸島のラヘス空軍基地までの7時間を越える飛行中に観測を行いました。
今回の観測飛行中、2機は平行に飛びようにし、流星を違う角度から観測できるよう計画されました。(詳しくはこちらやこちらを)