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ハイヌウェレ,トーテミズム、農耕儀礼...一般社会にまず出てこない 言葉が当HPでは説明なく使用されることがあるので、簡単な用語集を作ってみました. Special Thanks To :KOBEYA for the web graphics. 当HPで最も多く使わせていただいているKOBEYAさんのセットものです.ラインのみ自前. |
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トーテムとは19世紀の人類学者ガラティンがつくった言葉で、アメリカのインディアンの
「苗字」あるいは一族名のようなものをさす。インディアンの苗字には動物や 植物名が多く、自分の苗字の動物は殺さないし、同じ苗字の人間とも結婚 しないという禁忌がある。最近は自分たちの一族と同一視する動物や植物のこともトーテムという.
この,ある動物を自分たちの一族と同一視するして様々な しきたりをもつしくみをトーテミズムという。
有名なトーテミズムにはアメリカインディアンの,同じトーテムの一族との不婚,不戦,そのトーテムの動物を殺さない、というものがある. 同族不婚の禁忌がある民族は多いが、それに対しむしろ兄弟姉妹婚
が身分の高いものの間で尊ばれる例もある。遺伝的には、もちろん血族 以外との結婚の方がよいわけで、その生物的本能により、原始の時代から インセクトタブーは自然に守られてきたというのが現在の説である。
王族の兄弟姉妹婚は、数的に少ない集団の例外的なものとされている。
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夫婦とその子どもという形態が普通の家族である.家族が多数集まり共同で
暮らす群団,数万人規模の同一主権をもつ集団が国家である.
主権社会の分類を行った例は多数あるが、まずわかりやすい フリードの分類を紹介する.まず最も原始的な社会が、身分の差も貧富の差も ない平準社会.次が貧富の差はないが身分の差だけある序列社会.序列社会には
リーダーが誕生する.最も進化しているのが、富の差も身分の差もある成層社会とした.
次に現在よく使われているサービスの分類であるが、まずフリードの平準社会が頭目の率いる群団である. その次の序列社会が酋長という明らかなリーダーのいる酋長国、それが数万人
規模で同一の主権をもつと国家となる.
家族と群団&国家は対立する.家族を大切にすれば群団への協力や忠誠は 減るからである.そのため色々な民族は,過度の家族への帰属を制限するように 青年団や学校などを作る傾向がある.
国家の誕生は、農業の灌漑施設づくりや、他部族の進入やら、利益の増大やら,カリスマの誕生やら、様々な要因で 起こったと考えられている.
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日常の生活であるケに対し、盆と正月、結婚や年祝いなどの日をハレとして、
かつて日本のムラでははっきりと区別していた.ハレの日は、服装が違い( 晴れ着),食べ物が違う.また食事を作るのが、ケの日(普段の日)は主婦 であるのに対し、ハレの日は家長の男子であったりする.
ケとはケガレの意味ではなく、普通ということである.
ハレとケが時間的区別であるのに対し、日本ではケガレという不浄なものを 物事的に区別していた.日本におけるケガレは死と血にまつわるものである.出産もケガレ にはいる.
出産は5ヶ月目のウブ祝いで公認され、妊婦は産屋で煮炊きを別に生活し、 出産後も20日くらいは産屋ですごし、100日は外出禁止である. この期間に妊婦がさわったものは、みんなケガレたものになり、
産神以外の神様もケガレているので近づかない.とほほほ、昔はひどい時代だったものである.
また死もケガレであり、死体とか死者は,生者に影響しなくなるとされる49日を過ぎるまで は非常におそれられていた.死者の枕返し,1本ロウソク,枕飯,白い着物、
サンヤブクロ、塩など、現在も受け継がれて山のようにある葬式のしきたりをみれば、その 恐れ具合がわかる.すべて死者に呪われないための葬送儀礼である.
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日本では米を主食とするため、農業が第一、漁業と狩猟・林業は2番目、という
考え方をしていた.また、農業は自分で種をまいて苗を育てて収穫する自力の 産業だが、漁業と狩猟・林業は自然の恵みにあやかるところが多い.自然の恵みは きまぐれであり、時として生命の危機にも遭遇するため、山人と海人は、
海と山は聖域と考えてきた.
山はその入り口には山の神があり、山に入るには条件があることが多い. 海に出るには舟を使うが、舟に乗るにも条件があり、舟霊が祭られている. その条件というのが、女人禁制であることが多い.
また山や海では、日常の言葉ではない、特殊な言い回しを使うことが多く、 沖ことば、山ことばと呼ばれる.たとえば猿は海上ではけして猿といっては ならず、エテコウという、など.
宮田登「神の民俗誌」によれば、元々山の神は女神で、巫女がその山で 神につかえていたという.それが飛鳥時代に役小角が始めた修験道が広がり、 男性ばかりの修験者が山に多くなるにつれ、法則を作って女人禁制となった.
この著名な本によると、農耕社会が浸透するにつけ、農業労働がうまい男性を主、女性を従とする世界観が男女とも 常識となり、男性だけの神社の祭祀など、日常的に女性を一段低く見る日本独自の民俗的慣行ができ
あがったとしている.さすが宮田先生、1970年代の本でよくぞはっきり書いて下さいました. 日本の民俗学は用語集を作っているとだんだん腹がたってくるという、 珍しい学問であります.
追記:世界的にみる山の禁忌では、やはり女人禁制は多いという.ム... もうちょっと調べてみます.
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いわゆる神懸かりになる状態の儀式.明治政府により神懸かりが禁止になり、 儀式が減ったそうであるが、神楽などに残っていることがある. 神懸かりの方法には、採物をもって舞を舞う、歌や楽器を演奏することが多い.能の夢幻能 の形態である.採物は笹、剣、ひさご、榊など、神社の巫女さんがよくもっている ものである.また、神楽の一種では神の仮面をつけることで神懸かりを 演出するものもある.
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年初などに神霊に豊かな収穫を祈願するもの.小正月に、麦の畝を3列作って
松をたてておがむ、麦団子を作ってたべる麦正月などが知られている. また九州など南方では里芋を神棚にそなえるなど、里芋の儀礼が多く伝わっている.これら農業関連の予祝儀礼は、元旦ではなく,満月にあたる小正月に多いのが
特徴である.
この予祝儀礼に対応する、秋の収穫儀礼が盆と中秋の名月にあたる. いずれも満月の日である.旧暦8月15日は米の収穫にはちょっと早いが, もともと南方の里芋の収穫儀礼の日時である、という大林太良氏らの有名な説
が最近は主流となってきている.稲作の収穫儀礼は10月10日前後の 刈り上げ祭という祭らしいが、畑作の収穫儀礼である中秋の名月や盆に比べるとどうも知名度 や参加人数いまひとつ、という感じがする.
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正月とは1年の最初の数日間である.だいたい世界各国どの民族でもお祝いする.江戸時代以前の
日本では正月は立春年初をとっており立春近くの新月の日であったので、今の2月はじめごろに あった.明治以降は現在の西洋の割礼年初の1月1日である.
ハレの日の代表である正月は儀礼オンパレードである.祖先祭祀、餅の儀礼、若水とり、 年神祭り、書き初め、鍬初め,模擬田植え、麦と畑の儀礼,粟や稗をそなえる儀礼、カイコの繭の儀礼,その他多数の前向きな儀礼が行われる.天文民俗学の立場で
注目すべきは、農耕関連の儀礼は正月ではなく、旧暦1月15日の小正月に 集中しているという点である.満月に何かやってりゃあ農耕儀礼だね、という セオリーはこの辺りからも納得である.
暦の上で正月と対になるのは、通常お盆と考えられているが、大陸の方では 中秋である.どちらも旧暦15日,満月である.
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いいと悪い、好きな物きらいな物の感覚、こういった民族固有の文化は、
人類として普遍なものかどうか、という議論.結論からいうと、最大公約数的な 文化もあるが、同じ進化をたどらない文化もあり、両方存在するということ.
あたりまえのような話であるが、これを事例と理論で説明していくのには、けっこう 時間がかかったようである.たとえば、日本人の言語ではまず赤という認識と 青という認識ができて、そのあとで他の色が生まれたが、世界の他の民族では
最初に赤、次に黄色と緑だという.しかし、グレーや紫を認識している文化 では、赤,青、黄,緑は確実に認識されているという順序は 世界中でだいたい共通である.....といった話である.
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日本は農耕民族であり、生業儀礼=農耕儀礼となっていることが多い.農耕儀礼は、
世界的にみて復活と豊饒の儀礼である.農業の特徴として、収穫サイクルがきっちり 1年であることがあげられるが、年中行事という形で、農業のサイクルに応じて 多数の農耕儀礼が現在も残っている.
日本の場合さらに農耕儀礼=稲作儀礼になっていることが多い. 前項で述べた小正月の予祝儀礼のほか、田植え近くには田の神を祭る行事 があり、水口祭とか社日,田の神降りなどが行われ、植物が育つ夏には
病虫害をふせぐ虫送り、人形送りなどが行われる.
ところが、当天文民俗ページでよくとりあげている七夕とお月見は, 稲作儀礼ではなく、畑作儀礼出身の行事である.稲作の収穫儀礼は10月10日頃 に行われる刈り上げ祭というものらしいが、お月見に比べマイナーである.
なぜだろうか.
中秋の名月は8月15日の月のことで、芋名月とよんで畑でとれた作物を月にそなえる. 9月13日(いずれも旧暦であることに注意)の栗名月(豆名月)にはくりなどを
そなえる.中秋の名月は里芋の収穫祭と考えられているが、9月13日の 13夜はなんだろうか?栗と豆用だろうか?
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民俗研究の対象者のことだが、具体的には稲作農耕民のことである.日本の大多数をしめて いるということで、民俗学研究の対象とされてきた.ただし、最近はまったく 異なる状況であり、常民ということばもめったに使われない.
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文化人類学上でいう、原始(旧石器時代後期〜縄文くらい)の文明における豊饒の女神のことで当時の最高神.太母神、あるいは大地母神ということもある.
グラマーで顔がはっきりしない太古のヴィーナス像が、世界中の原始の文明で発見されていることから、一般に成立する主流の説といってよい.
原始の時代,子どもを出産できる女性は神秘的で重大な存在であった. 多くの民族で、文明の初期には一族の繁栄に直結する女性の特長を強調した地母神が崇拝されており、文明が
すすんでいくにつれ女神にかわる男性の主神が登場する、という原理がある.
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モルッカ諸島セラム島のウェマーレ族の神話.独身男性が植えた椰子の木に
男性の血がひっかかったことで、椰子の木に生えてきた少女、ハイヌヴェレ. なんと彼女は大便として高価な食器などを出すので、男性(名前はアメタ)は お金持ちになった.村の祭りマロ踊りで、ハイヌヴェレは体から高価な食器を
だして村人に配ったのをみて、村人は気味が悪いと,彼女を土に生き埋めにして 殺してしまった.アメタは彼の娘が殺されたことを知り、死体を掘り出して 細かく切断し、新たに埋めると、そこから様々な種類の芋が生えてきて、人間
は芋を食べて暮らせることとなった.当然カンカンのアメタはハイヌヴェレの 腕だけもって支配者の女性サテネに会いにいき、村人の行いを訴えた. 同情したサテネは殺害のあった広場に9重の門をたて、村人に「門をくぐりなさい.
失敗した者は人間ではなくなる」というと、村人は鳥や鹿や魚や精霊になって しまった.サテネはそのあと精霊になり、死者がいくサラファ山に住んだという.
この神話を取材したイェンゼンは,1977年に「殺された女神」説を発表. 太古の豊饒の女神が殺され、埋められ、そこから様々な作物が誕生する、 という農業(イェンゼンによればイモ栽培)起源の神話であるとした.
この説は広く研究されるようになり、女神の殺害を儀礼として繰り返す 人身御供の起源,また死の起源、成人の儀式の起源でもあるという 説もある.ただしモルッカ近辺(日本も入る)以外では見られない神話で
あるので一般的な農業の起源ではない.
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サンタグムは連辞と訳され、1つながりの文章や神話のタテ同士の関係 をいう.パラディグムはいい日本語訳がないのだが、1つながり部分の 中の1つに注目し、それから 連想される横の関係をいう...らしい.その横の関係のものと、元になった 要素とは対立関係でもかまわない.書いておいてなんですが、 この項目知らなくてもよさそうな気が...
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神話の中の,起承転,くらいまでは少なくともある物語の1つのかたまり をいう.非常によく使うことばなので、なんとなく意味はわかるであろう. 最初に使ったのはレヴィ・ストロースみたいだが、よくわからない. モチーフより細かい神話の最小単位の要素をミテームというらしいが、 こちらはまず最近はめったにきかない.
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アジア全般とヨーロッパに分布する、異世界からやってくる妻(あるいは夫)が,異世界へ帰る手だてのもの(羽衣とか人魚のシッポとか)を
夫にとられ、仕方なく妻になるが、最後にはその隠された物を発見して、 異世界へと帰っていく、といった伝説をいう(と思われる).
日本における羽衣伝説は、非常にバリエーションが多く、天女の羽衣、 七夕伝説のほか、夫が豆をまいてそれにのぼって妻のあとを追う東南アジア 系の羽衣伝説,メリジェーヌ伝説のような古事記の豊玉姫の話なども
含める場合がある.
東南アジアには空の星(多くは七星)が地上に舞い降りて沐浴して、 そのうちの1つが地上に残り、部族の祖先となる話が複数みられる. 一方ヨーロッパでは星はでてこない.アザラシの皮を隠す話、ぶたや
オオカミの皮をかくす話などがある.ヨーロッパではいずれも異世界から くるのは妻の方である.
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初出はカナーンのウガリット王室の紀元前14世紀の文書である.
その次に登場するのは、インド神話の古いヴェーダ神話で、天空神ヴァルナ の青空・契約・水の性格の一部を分離したものとして、 契約の神ミトラとして登場する.次第に水の神ヴァルナに対して火の神、
夜の神ヴァルナに対し昼と光の神、と対になる性格をもつようになる.
ミトラ神はイランに伝わり、紀元前7世紀の人物ザラスシュトラ(ゾロアスター) がおこしたゾロアスター教中の神として、後にとりいれられる.(ザラシュストラ 本人はミトラは無視してアフラマズダのみを光の神としている)
太陽の神とされたミトラは次第に人気を博したようで、ミトラにささげられたミフル・ヤシュト というゾロアスター教経典もある.ミトラ教というのはゾロアスター教から分離した一派で,ミトラ教によればミトラは救世主である.
このミトラ教はアレクサンダー大王の東遠征などでヨーロッパに伝わり、 ローマ帝国で一躍人気の宗教となった.キリストがキリスト教をはじめたころに ローマ最大の派閥であったのがミトラ教である.キリスト教はミトラ教から
クリスマスなどを取り入れたが、最も大きい影響はゾロアスター教の「最後の 審判」思想であったとされる. ヨーロッパにおけるミトラ教は、ミトラス教とよばれ、ミトラは冬至に毎年
死んで翌日(か、数日後)よみがえる太陽、農業の神とされていた.
インドで紀元前5世紀ごろ発生した仏教でとりいれられた、マイトレーヤ, 弥勒という神については、ミトラと同一視する説と違うとする説がある.
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