European Stellar Myth and Folklore

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星座のギリシャ神話は、★星のお話の部屋★ をみてね、と他力本願。 うちのサイト↓にあるのは、ギリシャ神話以外の星の伝説です。 Special Thanks To:かりんのアクセサリーアイテム for the web graphics. |
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10世紀ごろにキリスト教化されたロシアは、皇帝自ら改宗を民衆にせまり、今までのロシア独自の宗教を禁止し,神の像を川に流した.
そのためロシア土着の神々の資料は非常に少ない.
ロシアは元々ルーシといった.ルーシはヴォリャーグ人の部族名らしい. ルーシの土着の宗教は北方狩猟民風と、 ヨーロッパ風をあわせたような多神教で,主神はペルーン、熊の姿をした農業と商業の神ヴォロスが特に好かれていたらしい.
ウクライナとなどに非常に古くからある夏至祭は,現在イワン・クパーロと呼ばれている祭である.クパーロというかかしに女性の服をきせ、花つみ花冠を作って川に 投げ、たき火に回りで歌って踊る.このたき火は太陽への賛歌だという.
このイワン・クパーロ前夜は配偶者以外の異性と一夜を過ごしてもよいものとされ、キリスト教の神父もこれを止めることはなかったという.またよくにたヤリーロの祭は春分近くに行われた.
(栗原成朗「ロシア民俗夜話」丸善ライブラリ より)
トルコ地中海沿岸には、多くのギリシャ植民地あるいはローマ帝国の遺跡が存在していたが、
そのいくらかは、石作りの神殿が破壊をまぬがれて残っている。 研究しつくされたギリシャの遺跡にあきてきたら、トルコ諸遺跡はレバノンの フェニキア遺跡とならんで、特におすすめである。
アルテミス神殿、アポロン神殿、ジュピター神殿といった名称の神殿が多いが、 ローマ帝国がつけた呼び名であることが多く、ジュピター神殿はバアル神殿、 アポロン神殿はシャマシュの神殿であったのであろう。アルテミス神殿は少し
違い、本当にアルテミスという名称が彫られている。ただしアジア風の アルテミスでギリシャ神話のものとはまったく違う。「アルテミス」の名は、 それに類する神がカナーン神話にもバビロニア系神話にもなく、出所はよく
わからない。どうも地中海の古代の神であるらしい。月の女神ではなく、豊穣 の女神であるという。
地中海の遺跡には、魔よけとしてメデューサが彫られていることが多い。 メデューサは地中海の土着の女神で、ポセイドンの妻であったらしい。 目の持つ魔力で魔よけとして遺跡やよろいなどに刻まれたと考えられている。
メデューサは何の女神かというと、ある説では知恵の象徴で、ある説では アマゾン族の神で、ある説では髪の毛の蛇から医療の神で、ある説では 邪眼の魔力から目の神だという。メデューサがギリシャ神話にとりこまれた
時の名前がメティスだという説もある。メティスは知恵の女神である。
(安田喜憲「大地母神の時代」角川選書、B.ウォーカー「神話伝承辞典」他)
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太陽のディラッチャと月のヴェガは夫婦で、トナカイを解森で狩りをしていた。
あるときベガが赤ちゃんを誤って踏み殺してしまった。2人は天上のアマクの ところにいって生き返らせてもらおうとした。
まずディラッチャが先を歩き、そのあとをベガと星であるオシタクが死んだ 赤ちゃんの入ったゆりかごを持って歩く。毎日ディラッチャは山を越えては おり、彼が行ったあとからベガとオシタクが山にのぼり、おりる。こうして
彼らはアマクのところに行こうとしているのだ。
(萩原眞子「東北アジアの神話伝説」東方書店)
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ロシアのウラル地方では、天の川は春と秋に渡り鳥が飛んでいく通り道である
とされた。天を南東から北東に横切る壮大な道である。
また天は七層になっているとされ、精霊や神々が住むという。
(パノフ・大林太良「無文字民族の神話」白水社)
ロシアのウラル地方では、別の神話もある。ある巨大なカシワの木が、大きくなりすぎて太陽や月、星の光を陰らせ、雲が木の枝にひっかかるようになった。1人の 小人が海あるいは地下からあらわれ、斧で一撃でカシワの木を切り倒した。 すると太陽や月は輝き始め、雲も再び空をただようようになった。天の川は
そのカシワの木の幹と枝だという。
フィンランドには、巨大な牛か鹿かが天をおおってしまい、海からきた小人が それを退治するという神話がある。
(パノフ・大林太良「無文字民族の神話」白水社)
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ベネルクス3国は北欧とドイツの中間に位置し、神話はゲルマン系である。オランダでは、北斗七星をウォーダン(北欧神話でいうオーディンのこと)のワゴン (車)とよんだという。
イギリスに伝わるケルト系の物語、アーサー王伝説のある解釈によると、
アーサー王の天の居城は北斗七星らしい。北極星のまわりをまわり つづける....という記述があるらしい。また、ブリテン島とは、
同じケルトでも若干伝説が違うアイルランドでは、聖ダビデの天の 居城となるらしい。
(インターネットWWW他より。)
フェニキアおよびカルタゴ等の植民都市の神話の資料は邦訳ものは
たいへんに少ない。現在のチュニジアにあったカルタゴでは、タニット という女神が崇拝されていた。タニットはカルタゴ遺跡の壁画にあるらしいが 女性らしい姿で、三日月の女神であったという。
(納耶敏郎「魔の世界」より)
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地平線のふちから渡り鳥はとんできて、また帰っていくとフィン族は
考える。渡り鳥は、天を南東から北西に横切る天の川を通っていくという。 また、別の民話では、天の川は高すぎて太陽をかくしていた巨大な柏の木 が切り倒されたものだともいう。
(大林太良「無文字民族の神話」白水社)
サモエド族は、自分たちの住むテントの中央の柱が、宇宙の支柱で、
天へと続くものと考えている。 シャーマンがその柱をつたって天にいくことができると されている。天は七層でできている。
天は北極星のあたりで最も高くなる。(北欧では北極星は真上近く にみえる)天は地平線のはてで、地上にくっつくくらいに下がっている とされる。
(レヒティサロの報告、大林太良「無文字民俗の神話」より)
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昔、地上に銀の娘・月の娘・太陽の娘が、使用人の雷雨の男・木の娘と
ともにくらしていた。雷雨の仕事は薪割り、 月の娘の仕事は水運びであった。 ある人間の男が、木の娘と結婚した後、 トナカイの血を体中に塗られて金の男になり、銀の娘と結婚した。
数日後、退屈になった金の男は月の娘と浮気をしたので、銀の娘は 男を追って大鷹に変身してとびまわった。金の男が矢をいかけるので、 大鷹の女は離れた場所から帯を天になげた。これは虹になった。次に服を
投げると雲になった。天の神エクシェリがこれをやめさせ、 月と太陽を天にとどめ、月の娘は 夜輝き、太陽の娘は昼輝くようにさせた。
(荻原眞子「東北アジアの神話伝説」東方書店ほかより)
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地上の最初の人間で、巨人の子マンギ・ジェロムンゴが罪をおかし、天上に逃げた。
天上をスキーで滑空して2人の狩人をみつけた。狩人たちは雌の大鹿を 追っていた ジェロムンゴはその大鹿を追いかけ、矢で射殺した。いっしょにいた仔鹿は 驚いて天の穴から地上に落ちた。この子孫が地上の大鹿だという。
雌の大鹿は大熊座の4つ星、狩人の1人は大熊座の端の星、もう1人は 大熊座の中央にかすかに輝く星、ジェロムンゴはオリオン座である。また ジェロムンゴがすべったスキーのあとは天の川になったという。
(荻原眞子「東北アジアの神話伝説」東方書店ほかより)
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太陽のデリチャは、末息子にたくさんの松明をたてさせることで 世界を照らしている。1本づつたてていき全部立ておわると地上が 完全に明るくなって昼になる。
デリチャは人間のように天幕に住んでいる。秋になると自分の天幕を トナカイの毛皮でおおって熱を逃さないようにして、火をたく。天幕には どんどん熱気がたまるが、たまった
熱気を大きな皮袋にいれ、人間の世界に送り出す。すると地上では雪が とけて春がやってくる。そして雷神アグドイが目覚め、春雷を鳴らす。
(荻原眞子「東北アジアの神話伝説」東方書店)
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シベリアのオロチ族の神話より。始め大地は液状で、太陽は3つあった。 3つの太陽が照っているうちに水が減って大地は固まりはじめた。そして 大地は煮え立つほど熱くなった。(3つの太陽は姉妹らしい)同じシベリア
のネギダール族の民話では、この時に石炭ができたという。
そのときハダウだけがいた。ハダウは太陽に矢をはなって、姉と 妹を殺し、真ん中の太陽だけを残した。
ときどき、太陽が自分の耳をつかんでいるようにみえる日がある。すると オロチ族は、それは3つ太陽があった時の影なのだという。
(荻原眞子「東北アジアの神話伝説」東方書店)
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シベリアのブリヤート族の神話より。西の方に善良な54柱のテングリという神神が 住んでいる。東には45柱の悪いテングリが住んでいる。それぞれ下級のクアット という小神を従えている。火星と金星は戦士のような神(クアット?)である。
火星、金星と北斗 七星の7名の老人が人間と家畜の増殖を助けているという。
(パノフ他「無文字民族の神話」白水社)
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シベリアの諸民族の民話より。泥棒が夜盗みをはたらくのに、月が 明るくてじゃまであった。そのため泥棒は月に塗料をぬりにいくが、 そのまま月にはりついてしまう。今でも月には泥棒のシルエットがみえるという。
(パノフ他「無文字民族の神話」白水社)
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昔,鳥達の道案内をするリンドという妖精の乙女がいた.リンドはとても美しく、求婚者はあとを たたなかった.
ある時北極星が、リンドに求婚をしようと、宝石をちりばめたマントをきて降りてきたが、リンドは、 北極星と結婚するといつも同じ場所にいなければならないので、断わった.月が明るい光をまとって求婚
したが、リンドは幾度も姿を変える人は信じられないと断わった.次に太陽がやってきた.太陽が歩くと 木々が芽をふき小鳥が歌ったが、リンドは太陽といっしょだといつも同じ道を歩かなければならないので
断わった.
最後にいくすじもの光を放ってオーロラがやってきた.リンドは一目でオーロラに恋をしてしまった.
ところが、オーロラはリンドの花嫁衣装の支度をしにいくと姿を消したまま、とうとう帰ってこなかった.
リンドはウェディングヴェールをつけたまま、オーロラをさがして地上をさまよった.リンドの父で、 天空の神ユウコ大王は,娘を哀れに思い空に上げた.天の川はリンドのヴェールがなびく姿だという.
(井村花江「妖精物語」)
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「太陽の花嫁」「太陽に従う者」というのはチコリーという花の古名である.チコリーはタンポポに 似た,ヨーロッパに古くからある花で、色はピンクやブルーなど様々である.バロック時代あたりには,
種子が媚薬とされたらしい.
(「花の伝説」)
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旧約聖書・創世記37章に,ヨセフが太陽,月,11の星が自分を拝んでいる夢をみるくだりが ある.ヨセフの父親は,太陽は父,月が母,星は兄弟だと語った.そのとおりヨセフは高位の人物に
なり,親兄弟も彼にひざまづくこととなった,と物語は記している.新約聖書では,聖母マリアが明けの 明星や,新星,海の星(ステラ・マリス)とたとえられている.
ガブド・アラフマーンのアラビアの夢の書に,天体の夢について記されている.太陽は王,月は宰相,金星は后,木星は財務長官,彗星は書記長..といった具合いにランクづけされているそうだ.
またイマム・シャフィクという学者の母親が,彼をみごもったとき,胎内から木星が生まれ, エジプトに向った夢をみた.その星から花火がとびちり,大きい火花がエジプトのメスレにおちた.
母親が,この夢の話をエジプトの学者にすると,息子は高名な学者となりメスレに住むだろうと言い,そのとおりになったという.
中世ヨーロッパの夢占いでは,「満月の中央部が波うっていると晴天」といった天気予報もある.
(ポングラチェ「夢の王国」)
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流れ星、または隕石(原著のよると天来の岩)は、神々の恩寵のしるしと考えられ、神々と落下した 地域との契約の証をみなされ、祭られた.
(M.P.ホール「秘密の博物誌」p.208より)
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ギリシャのピタゴラス派の戒律では、星を指さしてはいけないことになっていた.星は生き物とされ ていたので、指さすとその天の生命(天使)を刺し殺すことになるからだそうである.
(ポングラチェ「夢の王国」より)
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北ドイツのヴェント人の間には、ヨーロッパに伝わる、子どもが生まれた時に運命の女神がきて、 その子どもの運命を決めるという伝説がない.その代わり、賢女とも呼ばれる産婆さんが、子どもが夜に
うまれる前に,外に出て星をみる.生まれたらまた外に出て星を見る.その星がもう沈んでいたら,その 子どもは長生きするという.
(「運命の女神」より)
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ボヘミアではスディチカという運命の女神が伝わっていた.スディチカは深い森に住む白い服の老女 たちで、ヨーロッパの運命の女神らしく3名で行動する.子どもが産まれる時にやってきて、その家の煙突
の横にすわって星座をながめ、その子どもの運命を決める.夜中の12時をすぎると姿をけす.
(「運命の女神」より)
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ウェールズの神々はケルト系の中でも独特だ.大女神ダーナはドーンと呼ばれており、ドーンの娘 アリアンフロッドはかんむり座の守護女神として知られる.カシオペヤ座はリース・ドーン(ドーンの
王宮)、銀河はカエール・グィデオン(グィデオンの城)と呼ばれた.
また、「陸のケルト」とよばれるフランスあたりの先住民ケルト人の 光の女神ベレンは、有名な古城モンサンミッシェル近辺で信仰されて いたとされる。ベレンの娘アリアンホドは、やはり北の冠座の女神である。
アリアンフロッドはイングランドケルトの民話には登場しないが、 ずっと離れた陸のケルトに似た女神がいることは不思議である。
(だれか詳しい人調べてくだされ)
(ギラン他「ゲルマン・ケルトの神話」)
(ベック「黒い聖母崇拝の博物誌」)
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陸のケルトとよばれる民族は、オランダからフランスあたりのゴール地方に B.C.9世紀ごろに入ってきたとされる。
ローマのカエサルのガリア戦記は、陸にケルトの数少ない資料である。 それとヨーロッパの研究者らの意見から陸のケルトの神々をあげてみる。
・ポールボ--温泉の神。
・エポナ--馬にのった姿で描かれる豊穣の女神。水の神でもある?
・ネマウスス--泉とニーム市の神。
・レーノゲヌス--ラインの子とい意味。ベルギー地方の神。
・ヴォーセグス--森の神。ボージュ地方の神。
・アルティオ--牝熊の女神。スイスのベルン地方の神。
・ベリサマ--火を使う職業の女神。カエサルはゴールのミネルバと記述。
・テウターテス--ゴールの国神。カエサルは、ゴールの マーキュリーと呼んでいる。戦いの神という説もある。
・ロスメルタ--テウターテスの妻の女神。ロスマータともいう。大地の女神らしい。
・ターラン--ゴールのジュピターとカエサルが記述。ただ、太陽の 神らしい。
・シローナ--技芸の女神でターランの妻。
・スケルス--ひげのずんぐりした、木槌をもった姿の神。
・シルヴァーナ--スケルスの妻の女神という。
・ケルヌーノス--雄牛の神らしい。
・シュレーブ--森林の女神。
・ルフ--光、太陽などの神らしい。リヨン市の神。
陸のケルトは後にやってきたノルマン人やゲルマン人によって 追いやられたが、フランスの古い地名は、多くがケルトの神の名に よっている。6月24日の夏至頃に行う草と火の踊りの祭は、ケルト時代
のなごりであるという。
(トンヌラ他「ゲルマン・ケルトの神話」みすず書房他)
フィンランドからウラル山脈付近のウラル系民族は,天の星を天に逃げた動物とみていたらしい.
大熊座は、6本足の駿足の大鹿が、狩人に追われて天に逃げたという伝説と結びつけられる.地上の鹿 は,何かの理由で足が4本になったのだ.天まで追って行った狩人が残したスキーのあとが,天の川
だという.昂であるとする解釈もある.
ウラル民族によると、天は7層に分かれており、天には精霊が住んでいる.稲妻は彼らが放っていると される.天に住む物達は,青い衣の老人だったり,一つ目の妖精だったり,天の雄牛とよばれる鹿だったりする.
(M.パノフ/大林太良「無文字民族の神話」)
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エウロペは,ヨーロッパの語源となったという伝説の,雄牛となったゼウスにさらわれたフェニキアの テュロスの王女だ.つまりフェニキアの言語という理屈にはなる.フェニキアは民族としては,メソポタミア
と同じセム語族のアジア人で、位置は後にカナーンと呼ばれる地中海沿岸地域,現在はシリア,レバノン, イスラエルの一部となっている.
エウロペの語源はヘロドトス以来多くの学者の頭を悩ませてきた.ヨーロッパという重大な名前が なぜセム人の簡単な1エピソードから命名されなければならなかったのか.
近年の説得力のある説の1つに、アッカド語「エレーブ(沈む=日の沈む処)」からきたのでは ないか,というものだ.アジアも同じく「アスー(出る=日の出る処)」からきた,というものです.
ヨーロッパの研究者はあまり信じたがらないようだが,他の説は根拠が薄弱なので,定説となる日も 近いだろう.
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愛の女神アフロディテーの誕生もフェニキアの海岸である. アフロディテーがフェニキアの女神であり、現地ではアスタルテーという名前であったことは広く認められている.
アスタルテーはメソポタミアのイシュタルのカナーン読みである.ギリシャ神話で説明に困るアフロディテー生誕の場面も、これが アスタルテーであるなら,ナルホドと納得できる.
アフロディテのオリンポス登場は、ある時新しく加わるという形であり、この描き方は古いギリシャ の神ではない.アフロディテ神殿はキプロスあたりに集まっている.
アフロディテーの恋人の1人アドニスは,キプロス王(またはシリア王)キニュラスとその実の娘 ミルラの不義の息子である.ミルラはこのため砂漠に追放され,ミルラの木となった.ギリシャ神話では,
アドニスを見いだしたアフロディテと育ての親ペルセフォネが争い,ゼウスの審判で,1年の1/3を各々の 女神といっしょにすごし,残り1/3がアドニスの自由時間とする,ということになった.春になるとアドニス
はアネモネの花として冥界より復活するわけである.
アドニスはカナーンの言語で「わが主」を意味し、現地では美少年ではなく神である.「アドニス川」 はビュブロスとシドンの間に流れ,春には「アドニア」と呼ばれるアドニスの復活祭が行なわれた.
またユダヤ教によれば,彼らの神ヤーウェはアドニスのヘブライ語訳からとった名前という.
このアドニスというフェニキア(今のレバノン。アジアである)の神に 関する解釈では、フレイザーの「彼はミルラの木から生まれたので、 春にめばえる植物、麦を象徴する神で、
アドニア祭は春早く行われる」というよく知られた解釈に賛成する者は 今少なくなっている。理由はフレイザーはその植物神説を何でもかんでも あてはめようとしているためと思われる。
その1つドゥティエンヌの説では、冥界とこの世をゆききするという 伝承も、その周辺の多数の神話と総合して解釈するべきというものだ。 ドゥテイエンヌはアドニア祭が植物がめばえる早春ではなく、
西洋フクジュソウ(当時のアネモネ)の咲く7月20日前後に行われて いたことをつきとめた。この祭で女性たちはアドニスの園からシリウスの 果実とよばれる、土用ごろ成熟する木のみをもちかえるという。
これは男性をさそう媚薬といわれている。アドニスは恋の神なのだという。
(高津春繁「ギリシャ・ローマ神話辞典」岩波書店,「フェニキア人」
ブロス「世界樹木神話」八坂書房、他)
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シベリア最北東のチュクチ族の神話.人間が誕生して間もないころ、空に星がなく、夜にトナカイの群れ を守ることができなかった.
ワタリガラスのクールキルはその話をきいて,ライチョウ,地這い鳥と3羽で 嘴で暁をつついて穴をあけ、暁を作った.
次に宇宙にいって、ボール遊びをしている女の子から、ボールを 4つとりあげ、太陽、月、月の暈にし、1つはくだいて星にした.最後に女の子を月になげつけると模様に
なった.
さらにクールキルは、人間が川を作ってほしいというので、各地に川や島を作った.
ところがオオカミがクールキルをばかにしたので、彼は怒って太陽も月も星も回収して自分の家にとじこ もってしまった.
オオカミはクールキルの家をみつけて、オオカミの妹2人との結婚を条件に、クールキル に太陽や月をかえしてもらった.妹たちは当然おもしろくなく、クールキルと一夜を共にした時に舌をしばっ
てしまった.
クールキルは妻のもとにかえったが,このためワタリガラスは話すことができなくなった.
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アリューシャン列島のアウレト族の神話.月の妹は大人になるとルピナスの根を食べるのが好きになった.
あるときルピナスをひっこぬくと、穴から光がもれていた.のぞきこむと下に村が見えた.
月の妹は、 冬中かけて長い縄をあむと、その穴から下にたらし、おりていった....
色々なことがあったが、地上におりた月の妹の息子が、彼の叔父である月をたずねることになった.陽光 を綱かわりにのぼって天につき、母の教えのとおりを実行した.
まず血の入った杯があるところで、その1杯 をこぼす.すると地上は夕焼けになった.
さらに行くと3名の男が並んで下をみおろしている(オリオンの3つ星).もう少し進むと、大男が下を見おろしているが,これは宵の明星だ.
大男の左側を通り抜けると、 一群の男達が下を眺めている.これは「干しダラの束」という(プレアデス).さらにいくと、数名の男が 互いにそっぽをむいている(不明).これは地上でカリブーと呼ばれている。
それからしばらく歩いていくと 月の家についた。
月は年老いており、彼らに新月、上弦、下弦、満月の衣装をわたし、死んだ。月の妹の息子は、叔父の 遺言どおり月として天を歩いている。
(萩原真子「東北アジアの神話伝説」東方書店)
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シベリアのコリマ川周辺のユカギル族の神話。
両親が死んで、親戚を転々としている女の子がいた。 親戚たちはみなし子の娘にろくな食料や服を与えず、薪割りや水くみ、子守などをさせて働かせた。
この少女は月をながめることが好きだった。「あそこはきっといいところなのだろう.暖かく明るい. お母さんやお父さんもあそこにいるのかもしれない.」
ある日、少女は寒い夜に水汲みにやられた.桶を2つもって氷の穴のところにいき、月をながめた.
「お月さま、私をかばってくれるものはだれもいない.あんたのところは心地がよいでしょう.私を つれていって.ここにいるのは辛い.」
すると家の戸をあけてだれかがどなった「いつまで水汲みに いってるんだ!」
月は少女をあわれに思い、近づいてきた.少女は水桶をもったまま月に写し出された.家から どなった男は、家のものに少女が月をいっしょに行ってしまったことを告げた.
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