

Legends of Dragons and Universe 宇宙と竜

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竜は想像上の生き物ですが、色々な民族の宇宙観によくかかわっているようです.混沌から最初に 生まれたのが竜だったり、世界をささえる竜などもいます。星座にも色々な竜がでています. 世界の創世神話と竜との関係について調べてみました。 |
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★ティアマト−−海と雲になった竜
文書に残る史上最古の竜は、メソポタミアの創世神話エヌマ・エリシュに登場する、海の女神の ティアマトでしょう.
ティアマトは、かっこうは巨大な海ヘビと考えられています.母神であるティアマトは、夫の淡水神 アプスーとの間に,たくさんの神々をもうけます.しかし、神々を滅ぼそうとしたため、逆に神の1人
マルドゥークに倒されてしまい、母神の宿命で、死体はチリチリバラバラにされて,利用されます.
マルドゥークは、ティアマトの体をちぎって半分は空に投げられ天の水(雨?水蒸気?)になり,半分 は地上の川などの水になり、頭蓋骨は粉々にくだかれて星になりました.ずいぶん大きな頭蓋骨だった
ようですネ。
紀元前2340年、キシュという国のサルゴン王が、史上初めてのメソポタミア統一をなしとげ、同時に
公用語をシュメール語からアッカド語に改めました.エヌマ・エリシュはアッカド語文献で、完成したのは 通説ではB.C.1700頃となっていますが、文章表現等から、原案はシュメールであるという説が強いようです.
ティアマトといいますと、私たちがきく名前は、くじら座になっているアンドロメダに襲いかかる 化けクジラの名前です.元々海の怪物(海ヘビ)だったのですが、伝聞の妙か?いつの日か星座はクジラ
になったようです.ギリシャ神話のティアマトは、海の神ポセイドンの部下で特に意志などもってない ように描かれています.そしてペルセウスに退治されますが、空のペルセウス座は、メソポタミアでは
マルドゥーク座であり、やはりティアマトはマルドゥークに倒されることになるのが面白いですね.
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★ムシュフシュ
バビロンの青いイシュタル門に刻まれた、メソポタミアを代表する聖なる竜です.シュメール語で 「怒りの毒蛇」という意味だそうです.毒蛇の体に角とライオンの前足、ワシの後ろ足がはえたもので、
ヘビタイプの竜に近く、英語名もスネイク・ドラゴンです.ときどき翼もはえます.
もともとはエシュヌンナの町の神ニナズのおつきの動物だったそうです.バビロン市の神マルドゥーク、 およびその息子の書記の神ナブのシンボルとして、石碑によく刻まれています.
とても古く、有名なドラゴンですが、宇宙とはあまり関係ないようです.
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リヴァイアサンという英語読みで有名な、旧約聖書の海に住む悪い竜です.聖書のオリジナルと思わ
れていましたが、今世紀にラス・シャムラから出土した粘土板にレヴィアタンが見つかりました.
B.C.14世紀ごろ、主にアッカド語で書かれたウガリット王国の文書で、「バアルとアナト」物語に、 「主神バアルが、悪い蛇ロタン(レビアタン)を打ち砕き云々」と登場します.旧約聖書がほぼ完成した
のはB.C.5世紀ごろですので、900年以上古いわけです.
バアルとアナトにおけるレヴィアタンは、死の神モートの手下で,「7つ頭の強い者で、..1つの唇は 地に着き、1つの唇は天に達し、舌は星まで達する....太陽や月を食い、日食月食を起こす」という怪物
です.この聖書の竜が、日食ドラゴンの元なのでしょうか.レヴィアタンは豊饒神バアルに倒されます.
旧約聖書では、レヴィアタンは神が作った生き物で最も凶暴な海のドラゴンで、最期の審判の日には 神はレヴィアサンの複数の頭をつぶしてしまうと記されています.「イザヤ書」ではレヴィアタンを
7つ頭で「曲がりくねる蛇」と記していますが、ラス・シャムラ出土の文書にも同様の表現が何箇所か 出てきます.
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ウガリット王室の文書集であるラス・シャムラ文献は、ヨーロッパからエジプト、中東、イラン
やインドに至る広い地域の神々の名前がいっしょに記されており、フェニキア人の通商能力ととも に、世界の神々の関係がわかる貴重な文献です. |
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竜を現わす「ドラゴン」のよび名は、新約聖書(B.C.2-4世紀ごろ成立)の「ヨハネの黙示録」に登場 します.赤いドラゴンと呼ばれる7つ頭の竜で、たいへんな破壊力をもってあばれます.
ここでも「年をとった蛇」という形容があることから、海ヘビタイプのかっこうをしていたようです.このドラゴンは、大天使ミカエルに倒され、千年の間封じこまれますが、完全に消滅させることはできません.
黙示録は、比喩が多用された予言が書かれており、解釈が色々ありますが、このドラゴンは一般的に, 魔王サタンを現わしているとされています.(他にローマ帝国を表すとか色々ある)
黙示録のドラゴンは悪の化身であり、その影響からか、ヨーロッパのドラゴンはほとんど完全な 悪の立場で物語に登場するようです.中東や東洋・南アメリカの神獣(あるいは荒ぶる神)としての竜
とは、ずいぶん違います.
残念ながらヨーロッパには、特例を除くと花冠の竜のようなドラゴンはいないのです.
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聖書によれば、もともと魔王サタンは、明けの明星と呼ばれる天使ルシフェルだったそうです.
それが神に逆らい、大天使ミカエルに破れ天から墜ちてしまったのですが、レヴィアタンの項でのべ たラス・シャムラ文書によく似た伝説が見つかりました. |
★アペピ
エジプト唯一の蛇タイプドラゴンで、太陽神ラーの敵の悪の大蛇で、猛毒をはきます.猛毒の
コブラを象徴したものではないでしょうか.アペピとラーが戦っている時が昼で、疲れたラーがアペピに 呑込まれている間が夜です.アペピの力を吸収し,元気になったラーが出て来るのが朝というわけです.
しかし、エジプトにはたくさんの昼と夜・太陽の運行を説明する神話があり、アペピの神話は その1つに過ぎません。日没は宇宙を現わすヌト女神が太陽ラーをのみこみ、星々はヌトの上を船に
のって運行し、日没後は地底の国を船にのって逆に進む、という話が有名です.
ギザのピラミッドの脇に、日の出の方向をむいてすわる有名なスフィンクスは、「太陽神の像」と して神話に登場します.生きているのではなく、最初から像なのです.
ライオンの体に女性の頭部、 ファラオの冠をつけており、太陽神ラーの敵を罰する役目をもちます.像のままでは、神の手助けはできませんから、きっと時がくると動き出すことになっていたのでしょう.
スフィンクスの像は最大で80mもありますが、いずれも紀元前2000-3000年の間に作られたものです.
どうも神話に登場するより先に、像があったようで、神話はあとからくっつけたのだろう、という説も あります.
ギリシャ神話にも、女神ヘラの命で、テーバイ市の近くで通行人に謎をかける獣として登場します.
オイディプスに謎を解かれたスフィンクスは,崖から身をなげて死んでしまいます.(翼があったはず ですが?)
ライオンタイプのドラゴンは、どれもあまり宇宙的ではないようです.
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★ラドン−−りゅう座の竜
固有名詞で、ギリシャ神話に登場する、世界の果てのヘスペリスにある、黄金のりんごの木の番をする竜です.ラドンはテュフォンとエキドナの子で、太古のドラゴン風のダイナミックな竜です.
ふだん は蜷局をまいていますが、頭が100あり、首をのばすと天に届き、ゼウスですら殺すことができない と言われます.
黄金のりんごは、ゼウスの結婚祝いにガイアが贈ったもので、ヘスペリスの7人姉妹が、ラドンと ともに番をしています.ヘルクレスが、ヘスペリスの姉妹の父アトラスにたのんで、りんごをとってきて
もらった話は有名です.
(または、寝ている間にとってきたという話もあります)不死身の獅子もヒドラ も退治したヘルクレスが、勝負を避けたというのですから、よほど強かったのでしょう.
このラドンが空に上がってりゅう座になったとされます. りゅう座はオリエントでは知られておらず(と書いちゃったんですが、B.C.1700?の「バビロンの新年祭」にムシュケシュダ星という名前で出てきます。ただ他の文献に全然でてこないので裏がとれません。)
ギリシャで作られた星座と思われます.星空のギリシャ神話を、星座の起源としてそのまま使える貴重な 星座です.ドラゴンの星座にふさわしい立派な竜で、星座の形もまたたいへんよくできています.
★テュフォン−−台風の語源の怪物
いちおう頭と足以外は人間ですが、ドラゴンの頭が100あり、腰から下は大蛇、前身に羽毛がはえ、 竜の目からは火が出ているという、たいへん絵にかきにくい半人半竜です.
大きさがまたすごいもので、どの山よりも背が高く、頭は星に届き、手をのばすと東の果てと西の 果てに届いたと書かれています.しかしこの形容はある意味で間違っていません.テュフォンは後に
台風を現わす言葉になるのですから.
ゼウスがクロノスを殺したことに怒ったガイアが放ったとされており、オリンポスの神々は焼けた岩 を投げながらやってくるテュフォンを見て、 あわててエジプトまで逃げだしましたが、ゼウスだけは
これに向かっていき、何戦かするうちに雷撃で倒し、エトナ山の下に封じこめました.
テュフォンは現在もエトナ火山で火を吹いています.ラドンや黙示録の竜もそうですが、このような 大型のドラゴンは、最高神でも殺すことができないのです.
その長さ故、神話以前の人々に永遠と関連 づけて貴ばれた蛇のように、古い時代のドラゴンは、永遠の力を象徴しているのかもしれません.
★デルピュネ,ピュトン−−古い神々
アポロンが生まれる前に、デルファイの神託所を支配していたのはまずデルピュネ、次がピュトン
であるようです.デルピュネは半身がドラゴンの女性、ピュトンは巨大な黒ヘビでした.
デルファイは、 ギリシャ時代以前から世界の中心と言われる聖地で、アポロンとは別の神の神託所だったと言われます.
ギリシャ神話は、土着の神の権限を奪う際、1つ1つ丁寧にエピソードを残し、けして前の神々を 滅ぼさないため、あのように多くの物語が残っているのです.
悪役も含めた、多くの歴史あるスピリット たちにささえられ、ギリシャ神話は今後も輝き続けることでしょう.
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古代ギリシャの哲学のシンボルの1つウロボロスは、自分のシッポをくわえて、円になったヘビ
です.不死、無限、時間といった意味をもちます.他のドラゴンと違い、伝説や物語で生まれたものでは なく、シンボルとして誕生した、とても記号論的な竜です.
ウロボロスは物語を持ちませんが、ヘビは神話以前の人類に、その長さ故か、生命のシンボルと して崇拝されていました.メソポタミアのB.C.1000より昔の石碑にも、世界を表すヘビが登場します.
そして何より次の項目であげる、北欧神話のミズガルズ蛇がたいへんウロボロスに似ているのですが、 エッダは独自性が強く、ギリシャから伝わったとは考えにくいものがあります.
ウロボロスは現在でも色々な記号に利用されています.錬金術では賢者の石を表すそうですし、時々 タロットカードで運命の輪にからまっています.
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北欧・ゲルマンの伝説は、場所柄オリエントの影響を受けておらず、ギリシャ・ローマとは違う
独特の色合いをもっています.
北欧・ゲルマン神話は、主にキリスト教化が遅かった北欧に伝わるもの です. ワグナーの歌劇などでドイツのイメージがありますが、実際はドイツ・オランダといった大陸の
ゲルマン人には、ほとんど伝わっていません. 中央ヨーロッパでは、後に詩人や作家が北欧神話を輸入 してアレンジしたような形です.そのため、専門書は皆、スカンジナビア諸国に敬意を表しゲルマン神話ではなく「北欧神話」
というタイトルになっているわけです.
北欧神話の原典は、アイスランドの伝わるエッダという叙事詩で、A.D.1000ごろまで口承で伝わり、 13世紀にスノリ・ストルルトンが、8-11世紀ごろのヴァイキング時代のエッダを散文で書き直しました.
エッダは9世紀頃、ヴァイキングによって、アイスランドからスカンジナビア半島に伝わり、北欧神話 として定着したという説があります.
北欧神話はスカンジナビア半島までで、ロシアよりのフィンランドは、カレワラという叙事詩を もとにしたまったく別の神話をもっています.
★ミズガルズ蛇−−大地をささえる竜
北欧の創世神話のミズガルズ蛇は、海の底に住む大蛇です.世界をささえるトネリコの大樹
ユグドラシルの回りの海に、ぐるりと陸地をとりまいて、自分のシッポをくわえて住んでいます.
昔、神々の世界から捨てられた蛇で、たいへんに大きく、また猛毒を吐くので、神々はミズガルズ蛇を おそれ、出会わないよう注意をして、未だに暮らしているそうです.ミズガルズ蛇は「神々の黄昏」
には浮かびあがり、海洋を沸騰させて神々に戦いを挑むことになっています.
このウロボロスタイプの大蛇は、世界をささえると共に、永遠を現わしているのかもしれません.
オーディンの子トールだけは、ミズガルズ蛇を釣りあげようとしたことがあります.力の神ですので ミズガルズ蛇と力比べでも負けず、もう少しでつりあげそうになりましたが、恐くなった従者が、糸を
きってしまい、ミズガルズ蛇はまた海に沈んでしまったということです.
あと、富の神フレイが空飛ぶ牝豚というのを持っていますが、どうもドラゴンとはほど遠いようです.
★英雄伝説(サガ)の竜
有名なゲルマンドラゴンであるファブニールは、5世紀ごろできた英雄ジークフリート(北欧風にいう
とシグルト)の伝説に出てきます.
ワグナーの歌劇ニーベルンゲンの指輪として有名になったこの物語の 原作は、やはりアイスランドの口承伝説「ヴォルスンガ・サガ」です.サガという英雄の伝説は、アイスランドの各村で別々のものが伝わっており、サガの総数は数百種類にのぼると報告されています.
ファブニールは、既に中央ヨーロッパ色濃厚で、堅い皮膚で毒をはき、宝を守り、知恵があり、英雄に 倒され、その血を浴びたり心臓を食べると魔力が身に付く....という、中世ドラゴンの基本をクリアして
います.私たちの考える「ドラゴン」のイメージは、このサガのドラゴンが元になっているように思えます.
深い森に、人を食べる魔物が飛び交う、中世以前のヨーロッパらしい竜たちですが、大変人間臭く, 宇宙とはあまり関係してないようです.
★竜のいない世界−−ケルト
ケルト神話は、勇猛な話が多いのですが、魔物一族・巨人等の人間タイプの敵と戦う話が中心で, 壮大な化物はあまり出てきません.また、島のケルトは創世神話をもっていません.
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ギリシャからヨーロッパ全土に広まったライオンタイプの竜です.獅子の体にワシの頭と、翼をもって
います.
イランからメソポタミア、シリアまでの広い地域で、紀元前数100年あたりの円筒印象にとても
多く見られます.またクレタ島付近で、B.C.2000-1400頃栄えた古代エーゲ文明で、神獣として神殿の彫刻 などに使われました。クレタ島はグリフォンの島と呼ばれることもあるそうです。シリア原産と言われます。
アジアバージョングリフォンは馬のたてがみをもち、ギリシャバージョンは巻毛のたてがみです。
グリフォンも特に伝説をもっていません.善でも悪でもなく、色々な神のおつきとして登場します.
その強そうな容姿から、紋章によく利用されていますが、やはり宇宙的な感じはないですね.
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たくさんの民話が誕生した中世ヨーロッパでは、聖ゲオルギウスの竜退治のように、聖人がよく小型
のドラゴンを退治します.これらは、ギリシャ神話と並んで、後世の画家のよいテーマとなったようで
色々な竜退治物語の絵が残っています.モローの絵などをみると、この中世ドラゴンは、人間くらいの大きさに描かれていて、このへんになりますと宇宙的色彩は皆無です.
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東洋のドラゴンは、西洋に比べ、ぐっと聖なる雰囲気をたたえています.
東洋の竜の元祖は、インドのナーガです.ナーガはサンスクリット語で蛇という意味で、女性格は ナーギー、主にコブラを指します.先住民俗の蛇信仰、および火の鳥ガルーダと対になる水神信仰から
生まれたようで、水と関係があり降雨の能力をもちます.
生と死を操る神通力をもっていたとされますが、神々には及ばず、協力者として登場します.よく 絵には頭にコブラがついた上半身人間、下半身コブラの姿で描かれます.ナーガの王がナーガラージャ
(竜王)ですが、インドにはたくさんの竜王がいて、やはりコブラの姿をしています.
シェーシャ竜王は、1000の頭をもつ最高の竜王です.(これも絵にかけない物体だ)、
.頭にマニ宝石という、全ての望みをかな える力のある魔法石をのせています.(頭が1000あるから、どれか代表の頭にのっているのだろうか)
ヴァースキ竜王は、神々(デーヴァ神)とアスラがアムリタを作るため大海を撹拌したとき、棒に なったマンダラ山にまきついた蛇で、世界をささえている大蛇もヴァースキ竜王だといいます.
アナンタ竜王は伝説の竜で、アナンタ竜の上で眠っていたヴィシュヌ神が、目をさましたことから 宇宙が創造されました.やはり千の頭をもつと言われ、アムリタを作るときにマンダラ山をひきぬいた
のが、アナンタ竜王だとされています.世界の終わりに出て来るそうです.
また悪い竜も多数おり、ヴリトラ竜はリグ・ヴェーダでインドラ神に退治される悪竜です.
カーリヤ竜は、川に毒を流して人々を困らせた悪竜で、クリシュナ神はカーリヤ竜の頭の上で踊りを 踊ってこらしめました.面白いこらしめ方ですが、インド神話はこのように、神々が、受けをとっている
としか思えない面白い行動をしばしばされます.
ナーガは水に関係すると共に、インドコブラの化身で毒が武器なのですが、中国に伝わると、中国 の龍と混同され、毒蛇のイメージが消えて、清浄な水神になってしまいます.
さて、ヒンデゥー教の宇宙観を描いた図で、巨大なカメの上にゾウが3匹いて、半球状の地球を ささえている絵がありますが、このカメをよくみると、ウロボロスタイプのナーガがまきついていて
中国の玄武のかっこうになっていることがあります.
また大カメの下に巨大なナーガ(ヴァースキ竜王?)がいる図もよく知られていますね.
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★龍−−天をかける神獣
中国の龍は、ほとんど今と同じ形状で、はるか紀元前1700年の殷の国から登場します
殷の国の言葉で 龍は、尊いという意味で使われていたそうです.龍の9似説というのがあって、鹿の角、ラクダの頭に、 兎の目を持ち、首は蛇で、体はミヅチ、ウロコが魚で、爪は鷹、手は虎..という姿です.
さすが極東、中国の龍は、ヨーロッパの悪役ドラゴンのイメージはみじんもありません.自然神に近く, 世界の竜の中で、最も国民に愛されているドラゴンでしょう.鱗を持つ366種類(陰陽五行説に従い、 1年366日に対応している)の生き物は龍から進化したという伝説があり、中国の天子は龍の子供と
されることもあります.中国の皇帝の紋章は龍で、礼服には龍が描かれ、公の建物のあちこちに龍が きざまれています.中国自体「龍の国」と呼ばれます.
中国の龍は水をあやつり、雨をふらせ嵐を起こすことができるとされます。
しかし中国の場合、そう雨不足地域ばかりでもなく、一部の龍は火炎の龍で、角の先に炎をともして います.火炎の龍の1人、上半身が女性、下半身が龍の女堝という神は、宇宙の創世伝説に登場します.
龍は普段は沼などの底にいて、めったに姿を見せません.しかし、春分の日には空にかけのぼるといわ れます.このため、天からの使いとして、地上の王のところにおりてくるものとされていました.
紀元0年くらいにできた陰陽五行説では、東の方角を守るのが蒼龍で、西の白虎、北の玄武、南の
朱雀と共に様々な芸術品に登場します.大昔は4方向とも龍が守っていたようです.
方位四神の1人玄武は、カメを竜がとりまいて、シッポをくわえています. 玄武は、インドの宇宙観を現わした図に出る世界をささえるカメと同じものとも言われます.
陰陽五行の龍は、他に中国独特の地形占い「風水」にも登場します.龍にかこまれた土地は、何を
たてても繁栄するそうです.風水の龍は、連なる山脈のこともあり、流れる川であることもあります.
こういった中国の龍に、インドのナーガ(中国語訳で竜とかく)が混同され、現在の多彩な龍伝説 を形成しています. 仏教の守護として知られる天竜八部衆は、インドの神々で占められ、1人がナーガです.
八部衆にいるナーガは、インドの最高の竜王シェーシャであるとされています.
龍のもつ龍の玉は、シェーシャ竜王のマニ宝石からきたのかもしれません.龍の玉が描かれていない 龍も、顎の下に玉を隠し持っているそうです.龍の玉はかぐや姫の難題の1つで、人間と宇宙のエネルギー
を凝縮したものであると言われます.
中国は、各王朝が紀元前から天文現象をきわめて正確に記録している、天文学がさかんな国です. また、道教で北斗南斗をはじめとする様々な星の神を祭り、たくさんの星座が作られました.
龍ももちろん星座になっています.黄道付近の星図を、東西南北に人工的に分け、五行配当どおり 東の地区に龍の星座があります. 龍のシッポがさそり座、頭がてんびん座で、ツノがアルクトゥールスと
スピカになります.アルクトゥールスは中国では大角星といいますが、蒼龍の角からきた名称でしょう.
また、しし座のししの大鎌にあたる軒猿という星座は、中国の文書に「軒縁は黄龍である」という 記述があることから、これも龍の星座の一種だという説もあります.
★ミヅチ
中国にはもっとポピュラーな竜ミヅチがいます.ミヅチは沼などに住み、普通3m程度(大型もいる) で小さい竜です.各地の伝説に出る普通の竜で、4本のオールのような足、首に白い模様、胸は褐色、 背中に青い斑点をもち、普通角がありません.龍ほど賢くなく、人間もミヅチは神として敬いません.
中国には、他にも何種かの竜が伝わっていますが、宇宙と関係ある竜ではないようです.
★仏典の竜王
ところで仏典には、中国の龍とも、インドのナーガラージャとも違う、竜王というのが出てきます.
仏典の竜王は、総勢3万8千人もいると言われ、身長4kmで、湖や川の竜宮に住む水神です.天帝の命 で自然を統治し、よく人間に化けたりします.水神としての竜で、あまり宇宙とは関係ないようです.
仏典の竜王も、如意宝珠という竜の珠をもっています.竜王は仏になることを望んでおり、火の鳥で ある珈楼羅鳥と対決し、なぜか竜王はけして勝つことができない運命になっています.
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日本の龍は、中国の影響が強く、自然の神・龍神として、湖や沼で多数祭られています.
中国の龍のように雨を降らせ、水場を統治し、龍の玉をもち、怒らせると恐い、というものが 多いようです. 龍の水場は女人禁制とか、色々なタブーがあり、龍のウロコ、龍のヒゲなどの遺物が、
各地の神社などに伝わっています. しかし完全な輸入品だけあって、日本の創世神話には、ほとんど かかわっておらず(八叉のオロチくらい)、中国の龍のような宇宙論的ダイナミックさはありません.
また龍神の多くは如意宝珠を持っていることから、仏典の竜王の影響もあるようです.
日本独自のドラゴンは、龍神ではなく大蛇です.
日本書紀にも載っている『活玉依毘売という美少女が、毎晩通って来る謎の男の正体を知るため、 男の着物のはしに糸をつけた.ところ、その糸は三輪山の神の社でとまっていた.三輪山の祭神は
大物主の神(大国主神の別名)である.また糸が小さい鍵穴を通っていたことから(異説あり)、 大物主神の正体は蛇であると言われる.』という三輪山の伝説は有名です.
また、甲賀三郎・道成寺等のように、人間がある特異な状況のために、大蛇に変身してしまった、 というものがあります.大蛇伝説も時代が経るにつれ、尾ひれもついて龍化が激しくなるようです.
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中央アメリカの言葉で「羽毛の蛇」を意味するこのドラゴンは有名です.ケツァルコアトルは、他の
ドラゴンと大きく違い、主神クラスの扱いをされています.宇宙と人間を作り、また、王として生まれて 国を支配もしたりもします.風の神で、天体観測を教えたものケツァルコアトルだと言われます.
ケツァルコアトルは、西メキシコのトルテカ族(ナワ人)が作り、後にアステカ族が継承した、多く の神の1人の神です.トルテカとほぼ同時代のマヤ文明にも、ククルカンという名で輸出されましたが、
ククルカンは、マヤ人にとっては英雄の1人で主神ではありませんでした.
マヤ人の神話は、ポポル・ヴフやチラム・バラムの予言という書物が翻訳され、詳しく伝わって います.多数の神々が登場し、メソポタミアと似た洪水伝説があります.アステカ神話と違い、蛇に関係
する神はそうおらず、豪雨の女神(老婆)イシュチェルが頭に蛇をまいている等です.
アステカの神話は一風変わっています.異なる4柱の神が、4回人間をつくって滅び、5回目の人類 創造が今の時代となっています.5回目に人類や太陽を作ったのが、2回目と同じケツァルコアトルです.
人間となり,トルテカ第9代の王となったケツァルコアトルは、同じ創造神のテスカトリポカ(1回目の 創造神)に破れ(記録によると、酒と女に狂って国を追い出されだことになっているが、これがテスカ
トリポカの作戦なのだそうです)必ず戻ってくると告げて去ります.
ケツァルコアトルは、蛇の形や人間の形で彫刻に残っています.アステカ神話は他にも蛇の神様が 多く、大地母神コアトリクエも蛇の女神で、コアトリクエの夫は「雲の蛇」ミシュコアトルです.
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日本における中米の文明のイメージは、マヤ・アステカ等がごっちゃになっている観がありますが、場所や時代・文化の中身が少し違います.
なおインカ帝国は南米で,全然別物です. |
Special Thanks
To: KOBEYA for Kabegami.
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