はまぎんこども宇宙科学館/(財)横浜市青少年育成協会


宇宙・天文ニュース(つづき)

★ 2028年に地球に接近する小惑星

アリゾナ大学月惑星研究所では、地球に接近する天体を調査するプログラム「スペースウォッチ計画」を実施しています。
その1997年12月6日の観測で発見された小惑星 1997 XF11 が、2028年10月に、地球に接近することがわかりました。(発見時の映像(矢印の天体が時刻(世界時 = 日本時 - 9時)とともに移動しているのがわかります)

小惑星 1997 XF11 の軌道(地球の軌道と重なって見える2カ所のうち、右上の場所で接近が起こります)

発見後、1998年3月4日までに得られたこの小惑星の位置観測(約3カ月分)から軌道が計算され、地球の中心からたった4万8千kmのところ(地球半径の約7.5倍)を2028年10月27日02時30分(日本時。以下同じ)頃に通過する、という結果がでました。(ハーバード・スミソニアン天体物理学センター広報資料
観測の誤差を考えると、地球と衝突する可能性もある、というので話題になりました。(この時点においても、誤差を考慮してもほとんど衝突の可能性がない、ということを示した研究グループもありました)

今後の観測がもっと集まれば、あるいは発見前に撮影された古い写真のなかにこの天体が見つかれば、もっと正確な軌道を求めることができます。

ただちに、カリフォルニア州ジェット推進研究所の研究らは、パロマー天文台口径46cmシュミット望遠鏡で1990年3月22日〜23日に撮影した写真に、1997 XF11写っていることを見つけました。

こうして、より正確な軌道計算が可能になり、その結果、1997 XF11 は2028年10月26日16時頃、地球の中心から約95万4千kmのところ(月までの距離の約2.5倍)を通過することがわかりました。今後さらに観測が増えれば、一層詳しい値が求められるでしょう。

古い観測記録のおかげで、この小惑星が2028年に地球に衝突する可能性がないことがわかりました。
この小惑星の大きさは1〜2km程度とみられ、1kmくらいの小惑星は数10万年に一度くらいの頻度で地球に衝突していると見積もられています。衝突時のエネルギーはTNT火薬10万メガトン分(広島型原爆のおよそ数百万倍)にもなり、世界的な被害が生じることになります。

近い将来地球に衝突する天体というのはまだ見つかっていませんが、地球に接近する天体は、現在10分の1しか発見されていない、という見積もりがあり、手放しで安心はできません。

☆ 1998年3月11日、ニューメキシコ州アパッチ・ポイント天文台で撮影された1997 XF11の動き(30分間隔で撮影された位置の変化がわかります)
☆ 1997 XF11の現在の位置データ

☆ 今後33年間に地球に0.2天文単位(= 3千万km。地球-月間の約80倍)以内に接近する天体のリスト
☆ これまでに地球に接近した小惑星のリスト
☆ これまでに地球に接近した彗星のリスト
地球に接近する小惑星のリスト
地球に接近する小惑星の軌道要素リスト


(本文中にリンクしたもの以外の資料源: MPEC 1997-Y11: 1997 XF11; IAUC 6839; 小惑星1997 XF11のホームページ; Sky & Telescope 1998年7月号 pp. 30-34)


1998年7月14日NASA発行の広報資料によりますと、 NASAは、地球に衝突する恐れのある小惑星や彗星を発見したり、追跡観測を行ったり、あるいはそうした小惑星や彗星の特質を調べるといった調査研究活動の資金援助を行っていますが、こうした活動の調整を行う部局、「地球接近天体計画局」 (Near-Earth Object Program Office) が設けられました。

「地球接近天体計画局」では、地球に接近する、直径約1km以上の小惑星や彗星(2千個と見積もられています)の90%以上を、10年間で見つけ出すことを目標にしています。

こうした小さな天体でも地球に衝突すれば世界的な被害が発生します。小天体であるため、発見はたやすくありません。NASAの各センター、アメリカ各地の大学、天文台だけでなく、国際的な協力が必要になります。

この計画局では、地球接近天体の発見に力をいれるだけでなく、地球に衝突する天体が見つかった場合の広報にも責任をもつことになります。


☆ 関連ページ 小惑星情報のページ


★ プロキシマに惑星発見か

みなみじゅうじ座付近
Credit: Andre Clayden, Springbrook Research Observatory, Queensland, Australia
写真中央やや上にみなみじゅうじ座があり、左上にある明るい星が、ケンタウルス座のアルファ星です。右下にあるピンク色の星雲が、エータ・カリーナ星雲です。


ハッブル・スペーステレスコープを使った観測から、地球に一番近い(距離4.22光年)恒星である「プロキシマ・ケンタウリ」(ケンタウルス座のアルファ星の周囲を回っているらしい)に、木星の10倍以上もある惑星らしき天体が観測されました。

これが確認されれば、じかに姿がとらえられた、地球外惑星第1号となります。


(資料源 国立天文台ニュース; New Scientist

☆ 青のフィルターで撮影された1976年の写真と、その6年後に緑のフィルターで撮影された写真を交互に見ると、近距離にあるプロキシマが固有運動によって移動しているのがわかります。

☆ プロキシマの関するデータなど
☆ プロキシマの関するデータなど
☆ Alpha Centauri
☆ 地球に近い恒星のリストおそらくこちらが最新データ
☆ 地球から見て、明るい恒星のリストおそらくこちらが最新データ

12.5光年以内の恒星配置図

Java Applet版カーソルを星に合わせるとデータが表示されます)


★ 木星の複数衛星の影

1997年11月10日(日本時間11日)、ニュー・メキシコ州立大学観測所にある口径61cmの望遠鏡を使って、木星の撮像観測が行われました。


写真の解説(英語))

この写真は、2時間の間にとられた5枚の画像。いくつもの衛星の影が木星上に見えている珍しいものです。(順番は左から右)
異なるフィルターが使われているため、同じ色調ではありません。一番左のものは可視光で撮像したもので、目で見た感じに近くなっています。

最初(一番左)の画像: 木星の左に見える黒い点が衛星「カリスト」の影。その上のピンク色の点は衛星「イオ」です。
2番目の画像: 「カリスト」の影と「イオ」は右手に移動しています。「イオ」の移動のほうが速いのがわかります。左に衛星「ガニメデ」の影が現れています。「ガニメデ」は太陽系最大の衛星です。
3番目の画像: 「イオ」の影が左に現れました。(太陽光は右手からさしています)
4番目の画像: 「イオ」が速く移動しているため、「イオ」の影が追いついてきました。
5番目の画像: ついに「イオ」の影と「ガニメデ」の影がいっしょになってしまいました! 「イオ」は木星前面からはもう離れて、右縁の外にかすかに見えています。「イオ」の影と「ガニメデ」の影がいっしょになったということは、外側をまわる「ガニメデ」の影のなかに「イオ」が入ってしまったわけですから、「イオ」はほとんど見えなくなっているのです。

(このときの木星と4大衛星相互の位置関係(アニメーションGIF; GALSAT Version 5.3 で作図。上の写真とは左右が反対です)


(資料源: アリゾナ大学ニュースサービス

★ 木星についてもっと詳しく知りたい人のために→<ザ・ナイン・プラネッツ - 木星のページ>
★ 木星探査機「ガリレオ」の成果について詳しく知りたい人はこちら

☆ ガリレオ衛星の現在位置 (こちらこちら; 赤い字の衛星は木星の背後にあり、黄色の字の衛星は木星の手前を通過中)

☆ 木星の今夜の出没時や星空での位置を知りたい人のために→<オンライン天体暦>、や<お星さまとコンピュータ>。あるいは Windows ユーザーならこちらのプログラムで計算して調べることもできます。


★ 月探査機の打ち上げ
月をまわるルーナー・プロスペクター(想像図)

NASAは、1998年1月7日11時28分44秒、ケープカナベラル46発射台から、アテナ2ロケット(3段式固体ロケット)によって、月探査機「ルーナー・プロスペクター」を打ち上げました。

打ち上げの瞬間
(MPEG動画 1.08MB)


組立中の「ルーナー・プロスペクター」(by Lockheed Martin)

大きさは直径1.4m、高さ1.22m、燃料を含む重さが295kgです。
3本のマストはそれぞれ2.4mあります。

105時間ほどかかって月に到着、1月11日20時45分から32分間にわたり軌道修正を行い、21時17分、周期11.8時間で月を回る軌道に入りました。しだいに高度を下げ、高度約100km、周期118分で月の北極・南極上空を回る極軌道になります。

カメラは積んでいませんが、5つの観測装置で月面がどのようなものでできているか、磁場や重力場はどうなっているのか、などを1年以上調査します。

月の極地のクレーターに氷が存在するかどうかも調べられます。
月の起源(月がどうやって生まれたのか)や構造、月にはどのような資源があるのか、こうした問題・謎にせまるのが「ルーナー・プロスペクター」の目的です。

3月6日の発表によりますと、1千トン〜3億トンという量の(H2Oの)氷の存在がかなり確かになったということです。場所は、月の両極地で、北極のほうが南極より50%も多いそうです。
H2Oから発生する水素イオンが、中性子とぶつかります。(宇宙線が月面に衝突すると、表面物質の核反応によって中性子が飛び出します。中性子は重い原子核とぶつかってもはねとばされるだけで、あまりスピードは落ちませんが、軽い原子核である水素とぶつかるとスピードが落ちます)この衝突でスピードが遅くなった中性子を観測したのです。
このグラフ(横が観測した緯度、縦が中くらいの速さの中性子の数)をみると、矢印の北極・南極で速い中性子の数が減っているのがわかります。これはH2Oを源とする水素イオンが原因と見られています。(詳しくはこちら

1997年7月18日に亡くなったアメリカの地質学者・天文学者のユージン・シューメーカーさんの遺灰約7gが、小さなカプセルに入れられ「ルーナー・プロスペクター」に格納されています。シューメーカーさんは、宇宙飛行士として月にいくのが夢でした。(詳しくは University Arizona News Services と Eugene M. Shoemaker: A Timeless Tribute をごらんください)
役目を終えたあと、軌道上の不用物体にならぬよう、「ルーナー・プロスペクター」は月面に衝突することになっています。

1998年12月19日(現地時間)、1月から始まった主任務を終え、軌道の高さをこれまでの約100kmから約40kmにするよう、ルーナー・プロスペクターに指令がだされたもようです。今後は、延長計画の段階にはいり、1999年6月までさらに詳しい観測を行います。1月には、さらに高度を25〜30kmに下げます。(Florida Todayより)

1999年1月16日、平均高度を40kmから30kmに軌道修正する予定でしたが、 延期されました。予定された30kmの軌道だと、最も月に近づく点が 月の裏側になってしまい、そこで得られる月の重力データを直接地球に 送信できないことがわかったためです。

2週間のうちに、平均高度40kmの軌道をしだいに、より楕円にしていき、 月に最も近づく点を、月の表側15km上空まで下げます。
こうして、その時点から2カ月ほどデータを表側から送信させ、その後、 平均30km高度の軌道に移行させます。

ルーナー・プロスペクターは、1999年7月31日18時52分00.8秒、月の南極にあるクレーターの底に衝突しました。

衝突目標地点ルーナー・プロスペクター月面衝突ページより。場所は月面の南緯87.7度、東経42.08度

全く、太陽光の当たらない極地クレーターの底に、本当に水分があるのかどうか、探査機を衝突させ、舞い上がった水蒸気が太陽光で分解してできる水酸基(OH)を、地上、あるいは地球をまわる人工衛星から検出しようという計画です。観測データの分析に数日〜数カ月かかる見込みです。

突入断面図ルーナー・プロスペクター月面衝突ページより)
突入角度は約6度という浅い角度であるため、クレーターのふちをかすめるような形になりました。(MPEG動画。 2.11MB。ルーナー・プロスペクター月面衝突ページより) )

(詳しくはこちら

1999年7月28日の部分月食では、長い時間、太陽電池に太陽光が当たらなくなるため、重要な機器以外の電源を切ることによって、電力消費を押さえ、部分月食をのりきりました。(詳しくはこちら


観測データの分析の結果、残念ながら、期待された水酸基は検出できませんでした。
その原因としては

などが考えられています。月の極地クレーター内に水分があるのかどうかの確認は、ついにできませんでした。
(資料: NO WATER ICE DETECTED FROM LUNAR PROSPECTOR IMPACT; Moon Water Still a Mystery


☆ 上記で、とくに出典が表示されていない画像は下記資料源によるものです。


(資料源: ルーナー・プロスペクター ホームページ; NASA Ames PAO News & Photo Archives

☆ アマチュア無線の設備で受信したルーナー・プロスペクターの発信音
☆ ルーナー・プロスペクター関連情報
☆ ルーナー・プロスペクター現況レポート

月リンク集



★ グリーンランドに隕石落下!

1997年12月9日、17時11分(現地時間05時11分)グリーンランド南部に、夜が昼のように照らされる大火球が現れ、大きな隕石が落下した可能性がでています。

グリーンランドの東部と南部沖の漁師らによっても目撃され、その観測をもとに算出された隕石落下推測地点は北緯61度25分、西経44度26分です。駐車場の監視ビデオにも閃光がとらえられ、気象衛星からの画像には、(この事件に関係した現象かどうかわかりませんが)120kmもある黒い雲が写っています。 ノルウェーでは、地振動も観測され、地表への衝突によるものか、大気突入時の大気振動によるものと見られています。

1998年2月13日のAP電によりますと、広域の氷原に対し、航空機によるレーダー探査が行われましたが、クレーターの存在は確認はできなかったということです。

アメリカ流星協会電子回報第3号によりますと、現地は雪が深く、険しいため、調査隊が現地に入れるようになるのは夏頃になりそうです。

1998年7月上旬になり、天文学者と地球物理学者を含むチームがヘリコプターを使って、約40カ所の雪のサンプルを採取しました。それらを顕微鏡で調べた結果、隕石物質の痕跡が見つかったということです。確認は電子顕微鏡で行われる予定です。
7月23日から、7人の隊員による、さらに大がかりな現地調査が始まりました。天候によりますが、4週間くらいにわたるものと見られています。

コペンハーゲン大学の研究者の調査によると、大気圏突入時の隕石の重さは30〜100トンと推定されています。


(資料源:Large Meteor Impact Greenland ?!; Meteor impact in Greenland?; The American Meteor Society - Electronic Circular Issue #3; CNN News (1) ; CNN News (2); CNN News (3)

☆ 関連ページ: 流星・隕石情報のページ


★ 南氷洋に落下した小惑星

今から215万前に、南氷洋、ベリングスハウゼン海に直径1〜4kmの小惑星が落下したようです。このことは、海洋調査船の探査によって明らかになりました。

この衝突では、海底にクレーターはできなかったようですが、巨大津波が発生し、南極大陸や南米をおそったものと見られます。

詳しくは 国立天文台ニュースABC News をごらんください。


☆ 関連ページ: 小惑星情報のページ


★ 奇妙なクェーサー発見!

オーストラリアの電波望遠鏡による観測から、これまでに見つかっているクェーサーとは違う、奇妙なクェーサーが見つかりました。

PKS 0405-385 というクェーサーの出す電波の強さが、1時間とたたぬうちに50%も変動してしまったのです! こんな急激な変化は、これまでのクェーサーでは知られていません。

天体全体が真っ暗になっても、天体に奥行きがあるため、(奥行き÷光の速さ) だけ、暗くなるのに時間がかかります。(電波も光と同じ速さです) このような単純な解釈では、このクェーサーの大きさはせいぜい木星の軌道くらいになってしまいます。クェーサーは、活動的な銀河核と考えられていますが、これでは小さすぎるようです。

そして、なぞはさらに深まりました。数カ月の観測の後、電波の変動がストップしてしまったのです!

よい解釈のしかたがないか、再び急激な電波の変動が始まらないか、ふしぎなクェーサーの観測が続けられています。


(資料源: Helios Science News; Space Research Organization Netherlands

☆ 関連ページ: 銀河に関する Q and A


★ 天王星の新衛星

1997年10月31日の国際天文学連合の発表によりますと、天王星に新しい衛星が2つ発見されたということです。これで天王星の衛星は合計17個になりました。(さらに、18個目の衛星も! またさらに2個の新衛星のニュース21個目の衛星発見のニュース22個目の衛星の発見のニュース。 そして23、24個目、......2003年10月12日時点で27個!

これら2衛星は、1997年9月6日〜7日、カリフォルニア州パロマー天文台口径5mの望遠鏡による観測によって発見されました。10月には再観測もされています。

仮符号 S/1997 U 1S/1997 U 2 と名づけられた2衛星の明るさは、それぞれ22等、21等級で、大きさは80km、160kmくらいと見積もられています。

☆ S/1997 U 1 発見時の写真(○で示した天体です。天王星は画面の外ですが、その輝きが右側に広くにじんでいます)
☆ S/1997 U 2 発見時の写真(○で示した天体です。9月7日に約1時間間隔で撮影されました)
☆ 恒星を背景にした S/1997 U 2 の動き。(アニメーションGIF 177KB)

(発見時の写真はすべて The Canadian Institute for Theoretical Astrophysics 提供)

新衛星の軌道図


これまでの観測から、これらの新衛星は天王星の他の衛星と異なり、天王星からずっと遠いところを、大きく傾いた楕円軌道でまわっていることがわかってきました。(観測から求められた軌道データ
木星型惑星には、惑星から遠く離れ、しかも赤道面に対し大きく傾いた楕円軌道をもつ衛星があるのですが、これまで天王星にはそのような衛星が見つかっていませんでした。今回発見された衛星はまさにそのような衛星のようです。
一方の衛星の軌道はかなりの楕円ですが、もういっぽうの衛星の軌道は円に近い楕円です。(最近までの観測から求められた軌道データ,

発見者らは、シェークスピアの作品「テンペスト」に登場するキャリバン(Caliban)とシコラックス(Sycorax)の名を、これら新衛星の名に提案しています。(コーネル大学ニュースより)

これらの名前は、2000年8月の国際天文学連合総会で公式に決定される見込みです。

1997年秋の天王星の位置(逆三角形のやぎ座にいます。x印が5.8等の天王星の位置。中央付近の明るい星は木星。)
( xephem で作図)


(主な資料源: http://www.cita.utoronto.ca/~gladman/; Sky & Telescope 1998 September, p. 22)




18番目の新衛星 1986 U 10 を含む10個の衛星と天王星、そしてリングUA Science & Research Newsより)
これは、10枚の画像をはりあわせ合成した写真です。
撮影時、天王星の画像部分の露光量は、リング・衛星部分の露光量より少なくなっています

アリゾナ大学の研究者は、1986年1月に天王星に接近したヴォイジャー2号が撮影した画像を詳しく調べ、これまで誰も気がつかなかった衛星のかすかな像を確認しました。

ヴォイジャー2号による7枚の画像にその新衛星が写っていました。この新衛星の仮符号は、"Satellite 1986 U 10" (天王星(Uranus)の、1986年に記録された10個目の新しい衛星(Satellite)の意味。略して "S/1986 U 10")となりました。

上の写真の、右上角近くに、ベリンダ(Belinda)という衛星と (かすかな点の)1986 U 10 が写っています。この2つの衛星はほとんど同じような軌道をまわっていて、1ヶ月に1度すれ違っているようです。

これで天王星の衛星数はぜんぶで18個になりました。

S/1986 U 10 は、直径が約40kmと見られています。これはヘール・ボップ彗星と同じくらいの大きさです。もしかすると、成分も似ているかもしれません。
木星や土星には、さらに小さい衛星が見つかっているので、天王星にももっと多くの衛星が今後見つかるかもしれませんが、木星や土星よりはるか遠くにあるので、地球からの観測では検出が困難です。

1999年7月18日〜21日にかけて、ハワイ、マウナケア山頂にある、カナダ-フランス-ハワイ望遠鏡口径3.58m望遠鏡による観測から、さらに2つの新衛星が見つかったもようです。

これら新衛星の仮符号は、"Satellite 1999 U 1" (天王星(Uranus)の、1999年に記録された1個目の新しい衛星(Satellite)の意味。略して "S/1999 U 1")と、"S/1999 U 2" となりました。いずれも直径が20km程度と見られています。

確認されれば、天王星の衛星数は、20個となり、太陽系惑星で最も多くの衛星が見つかったことになります。(S/1999 U 1 の 発見時の写真

1999年7月〜8月の観測によって、21個目の新衛星と見られる天体(仮符号 S/1999 U 3)も見つかりました。詳しくはこちらこちらを。



S/2001 U 1と天王星
Scientists Boost Tally at Uranus より
Credit: P. Rousselot and O. Moussis (Observatoire de Besancon, France) and B. Gladman (University of British Columbia, Canada)

2001年8月の観測から、22個目の新衛星と見られる天体(仮符号 S/2001 U 1)も見つかりました。2002年8月以降の観測で確認されています。(資料:

S/1986 U 10 については、これまで「存在が確認されていなかった」のですが、2003年8月26日(世界時=日本時-9時では25日)のハッブル・スペーステレスコープ高性能掃天カメラによる観測で、予想された位置に見つかり、存在が確認されました。 S/1986 U 10は、これまでに確認された天王星22個目の衛星、ということになります。 (資料:Uranus's Lost-and-Found Moonlet; IAU Circular No. 8194



ハッブル・スペーステレスコープによって発見された新しい2衛星のうちのひとつ S/2003 U 1 とS/1986 U 10が写っています。
2003年8月26日(世界時25日)に得られた画像です。実際には、まぶしい天王星の光をさえぎって観測されました。あとで天王星の画像を 入れこんだものが上の画像です。新発見の衛星は25等級、天王星は6等級の明るさですから、その差は約4000万倍です! 長時間露光のため、いくつもの衛星が軌道運動しスジになって写っています。
Credit: NASA and M. Showalter (Stanford University/NASA Ames)

2003年8月26日(世界時=日本時-9時では25日)、ハッブル・スペーステレスコープ高性能掃天カメラによる観測から、 天王星の新しい衛星が2つ見つかりました。いずれも、天王星の主要衛星5つ (直径数100kmクラス)の内側の軌道です。 新衛星の仮符号はそれぞれ S/2003 U 1 と S/2003 U 2 となっています。 これらが、他の衛星と同じくらい暗い物質でできていると仮定すると、推定される直径はそれぞれ16km、12kmとなります。 よりおおきなS/2003 U 1 は、天王星から97700km離れて22時間09分で天王星をまわっています。 S/2003 U 1 のほうは、天王星から74800km離れて、14時間50分で1周しています。

衛星ベリンダにとても近い軌道をまわる S/2003 U 1 とS/1986 U 10 は、ベリンダに彗星が衝突してできたベリンダの破片かもしれません。大きな衛星の重力が小さな衛星に及ぼす影響なども 今後の研究で明らかになってくるでしょう。今回の発見で天王星の衛星数は24となりました。

(資料:Hubble Uncovers Smallest Moons Yet Seen Around Uranus



天王星の新衛星 S/2001 U 2 の発見時の画像
各コマの間隔は約30分です。その間に、衛星の位置が移動しているのがわかります。背景は恒星と 銀河です。天王星は画面外です。
下のほうを横切っている線はセンサーによるもので、天体ではありません。
http://www.ifa.hawaii.edu/~sheppard/satellites/uranus2003.html より)

ハワイ大学天文学研究所シェパードさんジューウィットさんらのチームは、 ハワイ、マウナケア山頂にあるすばる望遠鏡(口径8.2m)を用いた 2003年8月29日の観測から、天王星の新たな衛星を発見しました。

その後の観測もあわせて、軌道を計算した 小惑星センター マースデンさん(写真右)によって、この天体は、2001年に観測されていた天体と同一のものであることがわかりました。 当時は観測が不十分で、信頼できる軌道が求められず、天王星の衛星であるのかどうかがわかりませんでした。

この新衛星は、直径が約12kmと見られ、天王星を約8年で1周しています。

(資料: IAUC 8213 (2003 Oct. 1) S/2001 U 2 AND S/2002 N 4; M.P.E.C. 2003-S105 (2003 Sept. 30) S/2001 U 2; New Satellite of Uranus S/2001 U2


その後の発見も含め、2003年10月12日の時点で天王星の衛星は27個が見つかりました。

最近発見された天王星の衛星の軌道データ
天王星の衛星の軌道データ
各惑星の最新の衛星数など
各惑星の衛星数など
衛星発見のデータ
惑星の衛星ガイド


最近の新衛星発見ラッシュについて


(資料: UA Science & Research News; 国際天文学連合回報7171号; 国際天文学連合回報7230号; BBCニュース; Astronomers busy as Uranus moon count grows.; 国際天文学連合回報7248号; Buzzing like a beehive: Uranus now swarming with distant moons



2000年8月7日〜18日にかけて、イギリスのマンチェスター(北緯53度30分、西経2度15分付近)で開かれた、国際天文学連合第24回総会で、天王星に発見された新衛星5つについて、正式な固有名がつけられ承認されました。(8月15日)
ヴォイジャー画像から発見された S/1986 U 10 については、確認を待ってから、ということになりました。 (ハッブル・スペース・テレスコープによる観測

S/1997 U 1	キャリバン(Caliban)
S/1997 U 2	シコラックス(Sycorax)
S/1999 U 3	プロスペロー(Prospero)
S/1999 U 1	セテボス(Setebos)
S/1999 U 2	ステファノー(Stephano)

仮符号の意味:S/1997 U 1 とは、"Satellite 1997 U 1" (天王星(Uranus)の、
1997年に記録された1個目の新しい衛星(Satellite)の意味。
いずれの名前も、シェークスピアの作品「テンペスト」の登場人物から。
(テンペストについて:




2005年にハッブル・スペース・テレスコープで確認された2つの衛星




☆ 星の名前の由来



天王星関連ニュース


★ 天王星についてもっと詳しく知りたい人のために→<ザ・ナイン・プラネッツ - 天王星のページ>
☆ 天王星の今夜の出没時や星空での位置を知りたい人のために→<オンライン天体暦>。Windows ユーザーならこちらのプログラムで計算して調べることもできます。



★ 「青色はぐれ星」のなぞ

地上の望遠鏡がとらえた球状星団「きょしちょう座47」の中央(左)とハッブルがとらえたその中心部(右)
小さな黄色のマルで囲んだのが「青色はぐれ星」
写真解説(英文); ハッブルによる 撮影1995年9月〜10月)

(Credit: Rex Saffer (Villanova University) and Dave Zurek (STScI), and NASA)

多いものでは、およそ100万個もの星が20光年といった空間に群れている球状星団。その星のほとんどが生まれてから相当時間のたっている古い星で赤みを帯びているものもかなりあります。ところが、少数ながら、明るい高温の青い星も見つかっているのです。

なぜ、まわりの大多数の星とは違うそんな星が見つかるのでしょう? 「青色はぐれ星」(あおいろ はぐれぼし)とよばれるこれらの星の存在はなぞでした。

ハッブル・スペーステレスコープを使って、きょしちょう座の方向、約15000光年彼方にある球状星団「きょしちょう座47」のスペクトル観測が行われました。(1995年10月27日実施)「青色はぐれ星」のひとつが、重たい星でしかも太陽の75倍も速く自転していることがわかったのです。どうも、2つの星が衝突してできたのが「青色はぐれ星」のようです。

もともと、関係のない星同士が衝突したのか、くっつきそうなくらい接近した連星の2つの星がついに合体したものなのかははっきりしませんが、速い自転であることを考えると、連星合体説に有利かもしれません。


(資料源: http://www.stsci.edu/


★ 衝突する銀河

地上の望遠鏡がとらえた「アンテナ銀河」(左)とハッブルがとらえたその中心部(右)
写真解説(英文); ハッブルによる 撮影1996年1月20日)

(Credit: Brad Whitmore (STScI), and NASA)

からす座の方向、約6300万光年彼方にある2つの銀河NGC 4038とNGC 4039は、ぶつかりあっている銀河です。

☆ 衝突のようすをコンピューターで計算して描いた動画(QuickTime動画 2.25MB http://www.stsci.edu/より)

銀河の約0.3%が衝突中の銀河です。

互いの重力の影響で、一部が昆虫の触覚のようにのびています。このため、この衝突銀河アンテナ銀河(触覚を英語でアンテナといいます)とよばれています。

星と星の間には広大な空間が広がっているため、銀河同士が衝突しても、ほとんどの星はそのまま通りぬけてしまいます。(広いスクランブル交差点に人がほとんどいないような状態です)

ところが、銀河の約80%を占める渦巻銀河に含まれているガス星雲には、大きさが数10光年から数百光年という規模の大きなものがあり、銀河同士が衝突すると、ガス星雲同士も衝突し圧縮されます。すると、濃密な部分から星々が誕生し、星団ができます。

今回、ハッブル・スペーステレスコープを使った観測で、「アンテナ銀河」の中心部に、千個以上の若く明るい星団の存在がわかりました。(上の写真の青白く光る部分) 球状星団と同規模の星団であり、これらが球状星団になるのかもしれません。

楕円銀河という種類は、ガスに乏しく球状星団が多いので、渦巻銀河同士の衝突によって大量のガスから星ができ、球状星団が増えたものなのかもしれません。

アンドロメダ座の方向、約250万光年彼方にあるアンドロメダ銀河(アンドロメダ星雲)は、銀河系のほうに、時速約50万kmで近づいてきており、30億年後くらいには衝突しそうです。(正面衝突になるのか、斜めからの衝突になるのかは、観測が不十分でわかっていません。比較のため、地球-月間が約38万kmです)「アンテナ銀河」は遠い未来の私たちの銀河の姿かもしれません。

アントロメダ銀河と銀河系が衝突すると、お互いの銀河の中にあったガス星雲同士が衝突し圧縮され、多くの星々が誕生することでしょう。その頃のわたしたちの子孫は、きらびやかな星空を眺めているかもしれません。2つの銀河が合体し、楕円銀河となれば、いま私たちが見ているような天の川も見られません。
渦巻銀河としての銀河系を、銀河系内部から眺めている姿が天の川だからです。(資料


「天の川」の見えるわけ
円盤状に星が分布している銀河系を、銀河系内部から見たら、ぐるりと帯状に星が密に見える説明図
(Side View at 0h という表示の下のボタンを操作してみましょう。実際には、太陽系は銀河系の中心にはなく、中心から約2万6千光年離れています


銀河系とアンドロメダ銀河の衝突のようす(コンピューターで計算し描いた動画。小さいほうが銀河系。 MPEG 1.03MB; Credit: John Dubinski; http://www.cita.utoronto.ca/~dubinski/merger/bigmerger.htmlより)
さらに新しい計算結果はこちら

2つの銀河の衝突のようす(コンピューターで計算し描いた動画。MPEG 2.01MB; Credit: Chris Mihos (Case Western Reserve University), Lars Hernquist (Harvard University), and Frank Summers (STScI); http://oposite.stsci.edu/pubinfo/PR/2001/22/animation.html より)


(資料源: http://www.stsci.edu/; http://www.astro.soton.ac.uk/PH308/galaxies/mergers/mergers.html; http://www.cita.utoronto.ca/~dubinski/merger/bigmerger.html



☆ 関連ページ(銀河と銀河の衝突シミュレーション・プログラム; いろいろな衝突銀河(そのように見えるだけのものもあるかもしれません); 接近した銀河や相互作用しあう銀河の写真

 ハッブル・スペーステレスコープで撮影された画像を約100枚無秩序に調べたところ、銀河同士の衝突の結果と見られる銀河が予想外に多く写っていたことから、銀河同士の衝突という現象は、従来考えられていたよりも頻繁に起こっている可能性があります。この発表を行った研究者は、さらに多くの画像で確認を行うそうです。(資料1;


  棒渦巻銀河の、中心部から両側にのびている「棒」は、渦巻銀河がたがいに接近、あるいは衝突した結果できるものと考えられています。(棒渦巻銀河の例: ; ; 銀河の衝突シミュレーション

オハイオ州立大学の天文学者らは、200個以上の渦巻銀河について、可視光赤外線による長時間露光の撮像観測を行いました。

その結果、可視光では渦巻銀河の約30%しか棒構造が見つからなかったのに対し、赤外線では、その2倍の渦巻銀河に棒構造が見つかりました。棒渦巻銀河中心部のが、可視光をさえぎっているのです。赤外線ならば塵の多い中心部まで見通すことができます

渦巻銀河同士の接近や衝突という現象は、予想以上に頻繁に起こっているようです。(詳しくはこちら



銀河団 MS1054-03
写真解説(英文))

1998年5月に、ハッブル・スペーステレスコープによって撮影された、MS1054-03 という銀河団(地球からおよそ80億光年離れたところにあります)の写真です。複数の画像をはりあわせたモザイク写真です。

この写真には、何百という銀河が写っていますが、この銀河団に確かに属している81個の銀河を詳しく調べたところ、そのうち13個が銀河同士の衝突を起こしたばかりのものであったり、現在衝突中のものであることがわかりました。

これは、ひとつの銀河団の中で発見された「衝突銀河」の数としては、最も多い数です。

Credits: Pieter van Dokkum (University of Groningen), ESA and NASA
http://www.stsci.edu/より。



かすめるほど接近しあう2つの銀河
写真解説(英文))

おおいぬ座の方向(2000年分点の赤道座標: 06h16m24.9s -21d22'26" の方向)、約1億1400万光年の彼方にある2つの渦巻銀河。左の大きいほう(直径約14万3000光年)は NGC 2207 という銀河で、右のやや小さいほう(直径約10万1000光年)が IC 2163 という銀河です。この画像は、ハッブル・スペーステレスコープにより1996年5月25日に得られたものです。画像の縦方向の大きさは、角度の2.4分(満月のみかけの直径の12分の1ほど)。北が下です。

大きく、質量のある NGC 2207 に接近した IC 2163 は、NGC 2207による潮汐力で変形し、右手のほうへブラシのような形になって物質が引き出されています。
よく見ると、NGC 2207 の腕が、IC 2163 手前にかぶさってシルエットになっているのがわかります。つまり、NGC 2207 のほうがわたしたちにやや近い位置にあるわけです。

計算によれば、IC 2163 は、約4千万年前に最も NGC 2207 に接近していたということで、NGC 2207 の周囲を時計と逆回りにまわっているそうです。何度も接近しあい、何十億年か後にはついに合体してしまうようです。

Credit: NASA and The Hubble Heritage Team (STScI)
http://www.stsci.edu/より。



ポーラーリング銀河
写真解説(英文))

「ポーラーリング銀河」とよばれる変わった銀河が100個ほど知られています。そのひとつが、およそ1億3千万光年の彼方にある、NGC 4650A です。円盤とリングを組み合わせたようなふしぎな構造をもつ「ポーラーリング銀河」がどのようにしてできたのか、よくわかっていません。

2つの銀河が衝突したもの、という可能性があります。一方の銀河は衝突後、老齢の星(赤みを帯びている)からなる円盤中心部をあとにのこし、もう一方の比較的小型の銀河のほうは、潮汐力で大きく壊され、ガスなどを大きい銀河にはぎとられ、それがガスや塵、星でできたリングになったというのです。

中央に見える黒いスジは、リングのガスや塵が、背景の光をさえぎっているからです。ポーラーリング銀河は、ひどく変形を受けているようで、リングにも渦巻の腕のような構造は見られません。

Credit: The Hubble Heritage Team (AURA/STScI/NASA)
http://www.stsci.edu/より。


衝突銀河間を結ぶパイプライン
写真解説(英文))

おうし座の方向、約3億光年の距離にある、2つの棒渦巻銀河、NGC1409(右)と NGC1410(左)。
この2つの銀河それぞれの中心は2万3千光年離れていますが、NGC 1410 から暗い物質のスジがのびて NGC 1409 をつつむようになっています。「暗いスジ」の幅は約500光年で、1年間で太陽質量のたった2%の物質が移動していると見積もられています。

およそ1億年ほど昔に、この2つの銀河が衝突したことが原因で、このような物質の流れが出来たのだと考えられています。NGC 1410 の腕が青白く輝いているのは、衝突時にガスが圧縮されて星が大量に誕生したためでしょう。NGC 1409 の中央に暗いスジができているのも、衝突の影響と見られています。

何度が接近、衝突をくりかえし、あと2億年もすると合体してしまうでしょう。

1999年10月25日にハッブル・スペーステレスコープにより撮影されました。

Credits: NASA, William C. Keel (University of Alabama, Tuscaloosa)
http://www.stsci.edu/より。


たがいに貫くように衝突する2つの銀河(コンピューターで計算し描かれた動画 AVI 15MB)
http://terpsichore.stsci.edu/~summers/viz/mhs/ より。
Credits:Visualization by Frank Summers (Space Telescope Science Institute).
Simulation by Chris Mihos (Case Western Reserve University) and Lars Hernquist (Harvard University).

2つの渦巻銀河が、たがいに貫くように衝突します。 たがいの潮汐力で双方ともひきのばされ、一部が昆虫の触覚のようにのびていきます。それぞれの中心部は合体します。
スーパーコンピューターを使った、重力や流体力学の計算により、262144個の粒子の動きが追跡されました。気体粒子が青、星が黄色で示されています。



オタマジャクシ銀河
Hubble's Advanced Camera Unveils a Panoramic New View of the Universe より。
Credit: NASA and the ACS Science Team (H. Ford, G. Illingworth, M. Clampin, G. Hartig, T. Allen, K. Anderson, F. Bartko, N. Benitez, J. Blakeslee, R. Bouwens, T. Broadhurst, R. Brown, C. Burrows, D. Campbell, E. Cheng, N. Cross, P. Feldman, M. Franx, D. Golimowski, C. Gronwall, R. Kimble, J. Krist, M. Lesser, D. Magee, A. Martel, W. J. McCann, G. Meurer, G. Miley, M. Postman, P. Rosati, M. Sirianni, W. Sparks, P. Sullivan, H. Tran, Z. Tsvetanov, R. White, and R. Woodruff)

ハッブル・スペーステレスコープが2002年4月1日と9日に撮影した3つの画像から合成された「オタマジャクシ銀河」の写真です。
この不思議な形の銀河の正式な名前は、UGC 10214、あるいは Arp 188といいます。この番号のような名前は、それぞれUGCという銀河カタログ、Arp(アープ)のカタログに記載された番号です。

りゅう座の方向、約4億2千万光年の彼方にある銀河です。

昔、この銀河に、別の(比較的小型の)銀河が衝突し、(拡大して銀河の左上の円盤部をよく見ると、衝突して向こう側に抜けていった銀河らしき姿が見えます) たがいの潮汐力で双方の銀河とも形がゆがんでしまい、一部がオタマジャクシのしっぽのようにのびたのでしょう。この「しっぽ」の長さは約28万光年もあります。私たちの住む銀河系の直径の3倍近い長さです。

「しっぽ」の途中に、明るい部分が2カ所ありますが、この部分の星の集まりは、やがて「オタマジャクシ銀河」の周囲をまわる「伴銀河」になるかもしれません。

この写真の背景にも、無数の銀河が写っています。大判写真でじっくりながめてください。背景のほとんどの天体、ひとつひとつが銀河です。写真の幅は、角度の3.2分ほどで、満月のみかけの直径(角度)の1/10程度に相当します。


ネズミ銀河
Hubble's Advanced Camera Unveils a Panoramic New View of the Universe より。
Credit: NASA and the ACS Science Team

ハッブル・スペーステレスコープが2002年4月7日に撮影した3つの画像から合成された「(ハツカ)ネズミ銀河」の写真です。銀河同士が衝突しつつある現場のようすです。(大判写真
この衝突銀河の正式な名前は、NGC 4676といいます。NGCという星雲・星団・銀河のカタログに記載された番号です。

かみのけ座の方向、約3億光年の彼方にある衝突銀河で、たがいの潮汐力で双方ともひきのばされ、一部がネズミのしっぽのようにのびていきます。こうした銀河衝突のようすを計算機で再現したものが次のアニメーションです。

2つの銀河の衝突シミュレーション(MPEG動画 3.5MB)
http://sites.stsci.edu/pubinfo/pr/2002/11/animation.html より。
Simulation by: Josh Barnes (University of Hawaii) and John Hibbard (National Radio Astronomy Observatory

このシミュレーションによると、私たちが現在見ているNGC 4676は、同じような2つの渦巻銀河が最接近した、約1億6千万年後の姿を見ていることになります。やがては、この2つの銀河は合体し、ひとつの銀河になってしまうことになるとシミュレーションは予測しています。

上の写真の背景にも、無数の銀河が写っています。大判写真でじっくりながめてください。背景のほとんどの天体、ひとつひとつが銀河です。写真の幅は、角度の3.3分ほどで、満月のみかけの直径(角度)の1/10程度に相当します。





子持ち銀河 M51
Credit: T.A.Rector and Monica Ramirez/NOAO/AURA/NSF


りょうけん座の方向、 およそ2万7千万 光年彼方にある 通称「子持ち銀河M51は、 近くにある別の銀河 NGC 5195 との たがいの潮汐力 により、渦巻きの腕がのび、変形をうけていると見られています。

NGC 5195が、 M51に1度だけ接近したのか、 何度も接近を繰り返してきたのか議論されてきました。

その周辺にちらばっている36個の 惑星状星雲スペクトルを観測し、 惑星状星雲視線速度を得た 研究者らは、その結果に基づき、「1度だけの接近」を有力視しています。


シミュレーションMPEG 動画(1)
シミュレーションMPEG 動画(2)
Credit: Chris Mihos, Case Western Reserve University

コンピューターの 接近シミュレーションによると およそ2億8千万年前に最接近していたということです。すでに NGC 5195M51 の背後にあり、遠ざかっています。 (資料M51画像リンク




★ 1997年10月16日未明の土星食

1997年10月16日未明、日本全国から、土星の手前を月が通過する「土星食」が見られました。天気がわるくて見られなかったかたも多いことでしょう。

今回の土星食の記録を公開しているページがあります。(海上保安庁水路部; AstroArts


★ 昼間の大流星

1997年10月9日アメリカ山岳夏時間12時47分(日本時間10日03時47分)、アメリカ南西部上空に、満月よりはるかに明るい大流星(火球)が現れました。1秒ほどで消えてしまったあとには、痕がおよそ10分も残っていました。この物体の大きさは50〜75cm程度と推定されています。

(資料源: Sky & Telescope's Weekly News Bulletin (1997年10月17日号); CNN News; Yahoo! News

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