に次ぐ全天第2の明るい星になったのです。アメリカの気象衛星ニンバス7に積まれたTOMSというオゾン観測装置のデータから、過去15年間、地球上の広い範囲にわたり、地上に降り注ぐ太陽紫外線の量が増えてきていることがわかりました。オゾン層破壊との関係でたいへん注目すべき観測結果です。
(1996年8月17日に宇宙開発事業団により打ち上げられた地球観測プラットフォーム技術衛星(ADEOS)にもTOMSが搭載されています)
☆ オゾン層破壊については
http://rasc5.kurasc.kyoto-u.ac.jp/~yamanaka/kenkyu/ozone.html; http://www2.nict.go.jp/ck/ck321/mm_ram/J/ippankokai96/index.html
などをごらんください。★ 現在のオゾン層の状況は こちら でごらんになれます。
恒星のスペクトルから、恒星のほんのわずかなふらつきもわかるようになりました。つまり、その恒星のまわりを回る惑星があるらしいということが間接的にわかるのです。 こうして、1995年後半から少なくとも5つの恒星について、その周囲を木星並みの質量を持つ天体が回っているという報告が発表されています。
残念ながら、これらの恒星はどれも遠方にあり、しかも惑星候補天体は恒星のそばを回っているらしいので、直接観測するのは難しいのです。
ところが、もっと近い恒星にも惑星候補天体があるという発表が6月のアメリカ天文学会でありました。おおぐま座にある赤色矮星「ラランド21185」という7.5等星の天体に惑星があるらしいのです。(ラランド21185の位置; 写真上方に北斗七星があります)
8.2光年という、私たちから6番目に近い恒星であるラランド21185なら、ハッブル・スペーステレスコープや最新技術を駆使した地上の大型望遠鏡でも、赤外線で直接惑星の姿をとらえることができるかもしれません。惑星発見のニュースが聞かれるのも夢ではありません。
(資料: Nature 1996年7月4日号, pp. 23-24; http://www.skypub.com/news/jun1496.html)
☆ 関連ニュース
光学開口合成望遠鏡の威力!
光学開口合成望遠鏡で見た「ぎょしゃ座のカペラ」
天体の細かい部分を電波望遠鏡で調べるには、電波望遠鏡(アンテナ)の直径を 大きくするわけですが、一台の電波望遠鏡では、なかなか大きくできません。 そこで、離れた場所におかれた複数の電波望遠鏡を使い、各電波望遠鏡からの 信号を合成して天体の細部を観測するという方法がとられています。
「干渉法」といわれるこの方法が、光や赤外線で観測する望遠鏡においても応用 されはじめました。
1995年9月、イギリス、ケンブリッジ大学のチームが、口径40cmの3台の望遠鏡を使って、ぎょしゃ座の1等星カペラを観測して得た映像が上の写真です。(左が13日、右が28日)
分光器による観測でカペラが2つの星が回りあっていることがわかっていましたが、その2つの星の映像が得られたのはこれが初めてです。2星は、角度にして0.05秒しか離れていません。これは100km先の10円玉の大きさを見るようなことです。約40光年彼方にあることから、2星の間は太陽-地球間の3/4ほどしかありません。104日周期の軌道運動で位置が変わっていることもよくわかります。
この COAST(Cambridge Optical Aperture Systhesis Telescope: ケンブリッジ光学開口合成望遠鏡)のような技術は、今後、天文学のさまざまな分野で利用されていくでしょう。
(資料: Astronomy, 1996年6月号, p. 22; http://www.phy.cam.ac.uk/www/research/ra/coast.home.html)
かに星雲の中心部
地上の望遠鏡とハッブル・スペーステレスコープの見た「かに星雲」
(写真解説(英文))ハッブル・スペーステレスコープが1995年11月に撮影した映像です。かに星雲は、おうし座の方向7千光年の彼方にある、星が大爆発を起こしたあとに残ったガスの広がり(大きさは10光年ほど)です。爆発した星は中性子星となって残っています。
ハッブル・スペーステレスコープがとらえた星雲中心部の映像をみると、波のようなパターンが中心から外側に移動しているのがわかります。(動画(MPEG:570KB))実際、光速の半分くらいの速さで移動しています。
(写真解説(英文); (動画解説(英文))星雲の中心に位置する中性子星(直径10kmほど)が1秒間に30回もの高速自転をしています。この中性子星の磁場もいっしょに高速自転しています。電子などの荷電粒子は磁場にまつわりついているため、磁場が高速自転すると、荷電粒子は猛烈に加速されとばされてしまいます。 こうして生じた光速に近い速度の電子(あるいは陽電子)が出す光が今回の観測でとらえられたわけです。
Credit: Jeff Hester and Paul Scowen (Arizona State University), and NASA
(資料源: http://www.stsci.edu/)
銀河系で最も重い星!
星雲に埋もれたりゅうこつ座エータ星
(写真解説(英文))これは、1995年9月、ハッブル・スペーステレスコープがとらえた、エータ・カリーナ星雲に埋もれた「りょうこつ座エータ星」です。
星座間の位置(X印;左にみなみじゅうじ座があります)
みなみじゅうじ座付近の写真
Credit: Andre Clayden, Springbrook Research Observatory, Queensland, Australia
写真中央やや上にみなみじゅうじ座があり、左上にある明るい星が、ケンタウルス座のアルファ星です。右下にあるピンク色の星雲が、エータ・カリーナ星雲です。
複数の映像から画像を処理して合成された写真で、細部がよくわかります。りゅうこつ座エータ星は、銀河で一番重く明るい星かもしれないといわれるほどで、太陽の100倍以上の重さと見られています。
あまりに重いため不安定なこの星は、何度となく爆発する傾向があり、150年ほど前にも激しい 爆発をおこし、大量の物質が放出されました。太陽の数百万倍に輝いたとされる当時は、シリウスに次ぐ明るさになったようです。いま見えているのが、そのとき放出されたガスや塵の雲なのです。この天体までの距離はおよそ1万光年と見られています。「りゅうこつ座エータ星」の性質についてはまだよく理解されていません。
さらに詳しくしりたい人はこちら(英文)
Photo Credit: Jon Morse (University of Colorado), and NASA
(資料源: http://www.stsci.edu/)
星座間の位置: generated by xephem.
★ りゅうこつ座エータ星の過去の観測 ★
これまでの光度変化のグラフ
むかしは、それほど目をひくほどでもない変光星で、たまに4等とか2等級になることがあったくらいでしたが、1830年代、イギリスの天文学者ジョン・ハーシェル(ウィリアム・ハーシェルの息子)は、この「りゅうこつ座エータ星」の急な増光に気づきました。1837年12月には1等級になったのです。(1838年はじめには0等級)
ハーシェルはこの星について記録を調査したところ、1827年にも1等級になっていたことがわかりました。1843年にはマイナス1等となり一時的に、星座の星ではおおいぬ座のシリウス
その後の20年ほどは明るい星でしたが、急に暗くなっていき、1868年には肉眼で見えなくなりました。1895年にはややもちなおすものの、かろうじて6等でした。
その後は、8等級で落ちついていましたが、1935年から、再び増光してきているのです。(資料: Robert Zimmerman, "Scoping out the Monster Star",
Astronomy, February 2000, pp. 38-43; Eta Carinae properties)
こうした光度変化やさまざまな観測結果をうまく説明できるモデルは、まだ見つかっていません。
eta Carinae
Images of Eta Carinae and its vicinity
Eta Carinae: Recent News & Results
冥王星の素顔
ハッブル・スペーステレスコープが見た冥王星
写真解説(英文)
(MPEG 動画版 630KB)
資料源:http://www.stsci.edu/
Credit: Alan Stern (Southwest Research Institute), Marc Buie (Lowell Observatory), NASA and ESA
1994年6月〜7月にかけて、ハッブル・スペーステレスコープがとらえた冥王星の映像です。写真の上方向が冥王星の北です。
小さな円盤像がもともとの画像です。これを、コンピューターを使って、なめらかな画像になおしたものがおおきな円盤像です。
遠くにある小さな惑星であるため、地上の望遠鏡では表面の様子が観測できませんが、大気の外では、大気のゆらぎにじゃまされないため、なんとか観測ができます。160km程度(冥王星の直径の7%)以上のものしか識別できていませんが、明るい部分と暗い部分があるのがよくわかります。これらが、地形によるものか霜によるものかは、まだはっきりしません。
冥王星は探査機が訪れていない、ただひとつの惑星です。
冥王星の直径は月の2/3。2万kmほど離れて、冥王星の半分の直径の衛星カロンが6.4日の周期で回っています。(写真(1994年2月21日ハッブルによる)の解説(英文))
★ 冥王星についてもっと詳しく知りたい人のために→<ザ・ナイン・プラネッツ - 冥王星のページ>
宇宙のオタマジャクシ
惑星状星雲NGC7293のオタマジャクシのようなガス塊
(写真解説(英文))
ハッブル・スペーステレスコープが1994年8月に撮影した映像です。みずがめ座の方向450光年の彼方にある惑星状星雲NGC7293(星座間の位置)のリングの内側に何千というオタマジャクシ状ガス雲が見つかりました。(惑星状星雲の写真に、観測された領域が示されています)
年老いた星が放出したガス殻。そのガス殻同士がぶつかりあってできた不思議な光景です。(できかたのMPEG動画(1.2MB))
(解説(英文))
Credit: Robert O'Dell, Kerry P. Handron (Rice University, Houston, Texas) and NASA
(資料源: http://www.stsci.edu/)
星座間の位置: generated by xephem.
愛知県岡崎市の山本稔氏は、1995年8月24日に撮影したフィルム上に9.2等の 新星を発見しました。これまでの変光のようす。 (Source: http://www.demon.co.uk/astronomer/)
ハッブルが超軽量の恒星を確認
くじら座にある赤色わい星 GL 105A と伴星の GL 105C (近赤外画像)
27光年彼方にある赤色わい星から、角度にして3.4”だけはなれたところに
太陽の8〜9%の質量しかないとみられる超軽量の恒星 GL 105C が確認されました。
(左下の)主星の25000分の1の明るさしかないこの伴星(右上)がもし
太陽の位置におかれると、満月の4倍の明るさにしかなりません。
今後の観測から伴星の軌道が求められれば、正確な質量がわかりますが、
恒星としてエネルギーを出せる限界にちかい、超軽量の恒星とみられています。
(Credit: D. Golimowski and NASA)
詳しい説明(英文)
ジュネーヴ天文台の発見者ら
ミシェル・マイヨール(右)とディディーエ・ケイロウズ(左)
Credit: Observatoire de Gene`ve
スカイ・アンド・テレスコープニューズビュレティン 1995年10月14日号に
よりますと、ペガスス座51番星(5.5等星。距離42光年
(新しいデータでは50光年)
。赤経 22h57m,赤緯 20d46')
周囲に惑星があるかもしれない、ということです。
ジュネーヴ天文台の研究者ら(上の写真)が、この星の詳しいスペクトル観測の結果から
この星から約700万km(太陽-水星間の12%)のところを木星の半分程度の
質量の惑星が回っているらしいという報告を10月6日に発表しました。
その後、カリフォリニア大学とサンフランシスコ州立大学の研究者が独自に
観測を行い同じ結論に達しました。
この惑星の表面温度は1000度と見られ、生物の存在は考えられません。
(ペガスス座51番星のホームページ)
ペガススの四辺形と51番星の位置(上記ホームページより)
☆ 関連ニュースはこちら
その後、別の研究者が、惑星の存在に異議をとなえる発表を行っていましたが、決着を見たようです。 詳しくは 1, 2, 3をごらんください。
「マイクロレンズ効果」を利用した太陽系外惑星探し
太陽系外の星(恒星)の周囲に惑星があるかどうかを調べる方法として、これまで行われてきた主な方法は、
(直接見ることができない)惑星の重力が、中心星をひっぱることによって、中心星がわずかにふらつく動きを、スペクトルの観測でとらえようというものです。
中心星のスペクトルに見られるスペクトル線が、ドップラー効果によって、位置が移動するのです。
望遠鏡で見ても、ひとつの星にしかみえなくても、その星のスペクトルを調べることによって、星同士が回りあっていることがわかる、という分光連星と同じ原理なのです。
分光連星の動きとスペクトルの変化のようすを見てみましょう(Java script)。
ふらつく中心星がこちらに接近してくるときは、ドップラー効果によって光の波長が少し短くなります。 遠ざかっていくときには、同様にして波長が少しのびます。
こうして、スペクトル線の位置が移動するのです。
この方法では、木星並みかそれ以上の大型惑星でないと、存在がわからないといわれていました。(木星は太陽のまわりを約12年でまわっていますが、太陽に、秒速約12.5mのふらつきを生じさせています)
ところが、その後、観測装置の改良がすすめられ、木星より小型の惑星の存在もわかるようになってきています。 (資料: 1 2)
もっと小さい、できれば地球程度の惑星の存在を調べられないか、ということで、「マイクロレンズ効果」を使った観測も行われています。
赤色矮星のふらつきを観測すれば、
地球の数倍程度の質量の惑星でも見つかるかもしれません。
ペガスス座51番星に惑星を発見した2人を含む研究チームは、さらに高精度
(時速3.6kmという、人が歩くスピードのふらつきでも検出できてしまう!)
の観測装置を使って、
てんびん座の方向、
20.5光年にある
10.55等という赤色矮星
「グリーズ581」の周囲に、
地球の質量の5倍ほどの惑星が存在することを
つきとめました。
(2007年4月)
地球質量の5倍程度の惑星発見! 液体の水も存在できそう!
。
地球とグリーズ581c(推定サイズ)の大きさ比較
Source
恒星の中でも、太陽のような
主系列星ではなく、
もっと質量の小さな
「赤色矮星」(せきしょくわいせい)ならば、
周囲をまわる惑星によってふりまわされやすくなります。
あなたが、力士のような体重の重い人と手をつないでスケートリンク上にいる場合を考えてください。
相手がもっと軽ければ、手をつないだ相手を振り回すことができるでしょう。
グリーズ581 の惑星の軌道面に対し、どれくらい傾いた方向で(地球から)観測しているのかがはっきりしないため、 グリーズ581 のふらつきを、ほぼ真横からでなく、斜めから観測している可能性があります。
このため、 グリーズ581 のふらつき から計算で求められた「地球の5倍の質量」は、 厳密に言えば、その惑星質量の下限になります。(つまり、5倍以上の質量の可能性があります)
今回の発見の2年前に、同じ研究チームによって、 グリーズ581をまわる別の (もっと重い)惑星「グリーズ581b」が見つかっていたため、今回見つかった惑星は 「グリーズ581c」と呼ばれています。 (さらに同じチームは、地球質量の7.7倍以上と推定される グリーズ581d も発見しました。
グリーズ581c は、 グリーズ581から 0.073天文単位しかはなれていません。これは太陽-地球間の約1/14 です。 (グリーズ581の周囲を約13日で1周しています)
しかし、 グリーズ581は 赤色矮星であり、 表面温度は太陽表面の半分程度(3000℃)と見られています。このため、 グリーズ581cの平均温度は0〜40℃と 推定され、液体の水が存在できそうです。直径は地球の1.5倍程度と見積もられています。
惑星表面の温度は、大気の成分や大気の厚さに大きく左右されますが、そうした情報が欠けているため、 正確な表面温度はわかりません。
もしかすると、グリーズ581c は、地球に似た、広大な海をたたえた惑星なのかもしれません。
その後の研究により、グリーズ581cには、 液体の水は残念ながら存在できそうにないようです。 むしろ、 グリーズ581dには、液体の水が存在できそうです。 (資料: 1 2)
Source:
Wikipedia
推定されるグリーズ581の惑星系
Credit:
ESO
太陽系とグリーズ581系の「液体の水が存在できる領域」
(ハビタブルゾーン)
さらに、グリーズ581の4番目の惑星として
発見されたグリーズ581eは、
、地球質量の1.9倍以上(岩石主体の天体かもしれません)と推定されています。残念ながら、
グリーズ581eは、
グリーズ581に近すぎて
(グリーズ581bよりも内側)
液体の水が存在できそうにありません。
資料
New 'super-Earth' found in space
Astronomers Find First Earth-like Planet in Habitable Zone
The HARPS search for southern extra-solar planets : XI. An habitable super-Earth (5 MEarth) in a 3-planet system
Gl 581 b,c and d: very low-mass planets around a low-mass star
Lightest exoplanet yet discovered
関連ページ:
10月24日、イランから東南アジアにかけて皆既日食が見られました。
日本でも当日午後、晴れた地方では部分日食が見られました。
1991年8月日本が打ち上げた太陽エックス線観測衛星「ようこう」が、
10月24日、
日食中の太陽をとらえました。
日本時間12:33〜12:50に月の影の中を通過。
(Source: MPEG動画 http://umbra.gsfc.nasa.gov/eclipse/; ようこう機体写真
http://www.isas.ac.jp/)
この次日本から見られる日食は1997年3月9日(日本では部分日食)になります。
M16星雲中の星が誕生する場
ハッブルがとらえたM16星雲内のガスの塊
(Credit: Jeff Hester and Paul Scowen (Arizona State University), and NASA)
MPEGアニメーション版 782KB
写真の解説(英文)
へび座にあるM16星雲(地球からの距離約7000光年)の中に、ハッブル
スペーステレスコープでとらえたガスの塊です。何光年にものびたガスの柱
の中は特にガスが濃くなっており、星が誕生する場となっています。
近くにある熱い星の出す紫外線が、ガスを温めて散らしてしまうのですが、
ガスが特に濃くなっている部分だけは柱のような形で、長い間残っています。
ちょうど、砂丘で風に流されずに残っている砂の塊のようです。でき方解説図
撮影は1995年4月1日、ハッブル・スペーステレスコープの広視野惑星カメラ
で行われました。(赤っぽくなっている部分は硫黄イオンからの光。緑の色は
水素の出す光。青は2個の電子を失った酸素原子による色です)