らのチームが観測したのは、 HD 209458b という惑星です。ペガスス座方向、 153光年のかなたにある天体です。
潜水艦から発射される「コスモス1」
Credit: Michael Carroll, The Planetary Society(c).Credit: Rick Sternbach, The Planetary Society(c).
光は波としての性質を持つ一方で、粒子としての性質を持っています。 光を反射するピカピカの、薄くて軽い大きなソーラーセイル に太陽からの光の粒子があたると、ソーラーセイルに圧力が加わります。 (とびまわるたくさんの原子や分子が壁に当たったときに、壁に圧力がくわわるように)燃料なしの、太陽の光圧を使って宇宙飛行を行うという 世界初の試みが、 国際的な非営利団体「惑星協会」が中心となって行われます。
「コスモス1」打ち上げから軌道にのるまで
Credit: Illustration: Babakin Space Center, The Planetary Society (c).
2005年6月22日04時46分09秒、 北極圏のバレンツ海に配備された潜水艦から、 大陸間弾道ミサイルを改良したロケットで「コスモス1」が発射されます。地球をまわる高度約800kmの軌道にのった「コスモス1」は、6月26日13時42分〜47分頃 に、長さ約15mのソーラーセイル8枚を広げる予定です。(直径約30mになります。比較:スペースシャトル(オービター)の全長が約37m)
それぞれのセイルはヘリコプターの羽根のように、角度を変えることができます。 セイル面上に太陽がくるようにセイルの角度を調整すれば、推力が発生しません。
「コスモス1」のソーラーセイル1枚分
Credit: The Planetary Society, NPO Lavochkin (c)
長さ約15mのセイル(帆)1枚分です。アルミ蒸着マイラーでできており、厚さは5ミクロン(1ミクロンは千分の1ミリ)。ごみ用袋の約4分の1の厚さ。
「コスモス1」の本体
Credit: The Planetary Society, NPO Lavochkin (c)
装着準備中の「コスモス1」の本体。重量は約100kg。軌道上で開く太陽電池板は折りたたまれています。
ロシア製とアメリカ製、それぞれ1台、計2台のカメラが積まれているほか、加速度計や「コスモス1」の状態を監視する装置や 「コスモス1」を追跡するための 装置などが積まれています。
「コスモス1」に積まれるCD
Credit: The Planetary Society, NPO Lavochkin (c)
惑星協会会員と 日本惑星協会会員、そしてボランティアの名前、計75000人以上を記録したCDです。
光圧で加速されながら、次第に軌道高度を上げていくことができれば成功です!どれくらい長く飛行できるかわかりませんが、みなさんの町からも上空を通る「コスモス1」が見えるかもしれません。
ソーラーセイル展開までは、暗くて肉眼ではみえない可能性が高いので、 ソーラーセイル展開後の観察をおすすめします。
潜水艦から発射された「コスモス1」
Credit: The Planetary Society(c).2005年6月22日04時46分09秒に予定通り 打ち上げられた のですが、 83秒後には1段目ロケットが機能しなくなったということで、分離に失敗したロケットは、 ノヴァヤ・ゼムリヤ島付近に落下した と見られています。
軌道に投入する段階のロケット点火のころから、「コスモス1」からの信号がとぎれはじめ、 3分ほどで、「コスモス1」からの信号が途絶えてしまいました。打ち上げ後数時間の受信記録が詳しく調べられ、 「コスモス1」からの微弱な信号が3つの地上局でとらえられていたようです。
その信号が間違いなければ、予定していた軌道ではないにせよ、地球をまわる軌道にのった可能性があり (それでも、低い軌道のため、数時間以内に落下したでしょう)、「分離に失敗」という報道と矛盾することになります。
わずかな望みをかけた捜索が続けられましたが、 長さ約15mのソーラーセイル8枚が展開するはずの6月26日以降も観測されませんでした。
ロシア政府は、調査委員会を設けるということです。 (資料: 1 2 3 4 5 6 )
マーズ・グローバル・サーベイヤーから撮影されたマーズ・オデッセイ
マーズ・グローバル・サーベイヤーから撮影されたマーズ・エクスプレス
Credit: NASA/JPL/MSSS
1997年9月12日から、火星をまわる人工衛星となっている探査機、マーズ・グローバル・サーベイヤーの カメラがとらえた、火星の別の人工衛星2つ、 マーズ・オデッセイと マーズ・エクスプレスの画像です。マーズ・グローバル・サーベイヤーと、 マーズ・オデッセイの軌道は、いずれもほぼ円軌道であり、南極・北極上空付近を とおる軌道(極軌道)ですが、マーズ・オデッセイの軌道のほうが、すこし軌道が 高めです。たまに、両者は15kmまで接近することがあるのです。
2005年4月21日にも接近がありました。
最初の画像には、マーズ・グローバル・サーベイヤーから、 約90km離れたマーズ・オデッセイと、その 数秒後の、約135km離れたマーズ・オデッセイが写っています。
2005年4月20日に撮像された、約250kmと370km離れていたマーズ・エクスプレスの 画像2つを合成したものが2枚目です。
(2004年12月25日の、カッシーニ探査機から分離されたハイヘンス探査機の ような特殊な例をのぞけば)
これは、地球以外の惑星をまわる軌道上で、人工衛星が人工衛星の画像をとらえた初めての例です。
(地球の人工衛星が人工衛星を撮像した例)
資料
Mars Global Surveyor Sees Mars Odyssey and Mars Express
Martian Orbiter Takes Pictures of Neighboring Crafts Passing By
Mars Odyssey from Two Distances in One Image
Mars Odyssey Seen by Mars Global Surveyor (3-D)
Mars Express Seen by Mars Global Surveyor
スピッツァー望遠鏡
Credit: NASA/JPL/Caltech
組立て中のスピッツァー望遠鏡
Credit: Russ Underwood, Lockheed Martin Space Systems2003年8月25日、アメリカから打ち上げられた NASAの赤外線観測望遠鏡 SIRTF(Space Infrared Telescope Facility サーテフ)は、 その後、 「スピッツァー・スペース・テレスコープ」 と 改名されました。望遠鏡を宇宙空間にあげる アイデアを1946年から提唱していた ライマン・スピッツァーさん(1914-1997)を 記念しての 改名です。
一部をのぞき、赤外線の多くが地球大気によってさえぎられてしまうため、広く赤外線で 天体を観測するには宇宙空間に望遠鏡を出す必要があります。望遠鏡からも赤外線がなるべく出ないように、 「スピッツァー・スペース・テレスコープ」は、 望遠鏡を極低温に冷やすしくみをもってます。
さらに、地球をまわる軌道からでは、地球の出す赤外線もじゃまになります。 そこで、地球から離れて、 地球とほぼ同じ軌道で太陽をまわるようにしています。 明るい赤外線源で ある地球と月から離れ、地球から離れることで空を覆う地球を小さくし、観測をしやすくすることが そうした軌道を採用した理由です。
可視光(左)と赤外(右)で観測した太陽系外惑星のみえかた違い
惑星が恒星の向こうにかくれるとき:全光量の変化
いずれも解説用の図と動画 Credit: NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (SSC)上記の 「スピッツァー・スペース・テレスコープ」による赤外線観測から、世界ではじめて、太陽系外惑星からくる光をとらえることに 成功しました。
NASAゴダード宇宙飛行センターの ドレイク・デミング氏らのチームと、 ハーバード大学天文学部の デイヴィッド・シャーボノー氏らのチームは、 それぞれ別の惑星(これら2つの惑星は、軌道運動にともない、恒星の手前や背後にまわりこみます)について、 ほとんど同時に、同様の観測を行い、そして同様な結果を得ました。
ドレイク・デミング氏らのチームは、「スピッツァー・スペース・テレスコープ」の マルチバンド撮像フォトメーターという装置を 用い、いっぽう、 デイヴィッド・シャーボノー氏らのチームは、 赤外アレイカメラという装置で観測を行いました。
いずれのチームでも、「恒星とそのまわりをまわる惑星」全体からくる光量(恒星+惑星)から、「惑星が(公転によって)恒星の向こう側にかくれたとき」(恒星のみ)の 光量をさしひき、惑星からだけの光をとりだす、という方法が使われました。
可視光では、恒星の輝きの1万分の1しかない惑星の輝きが、恒星の輝きに圧倒されてしまいます。ところが、赤外線で観測すると、 恒星の輝きに対し、惑星の輝きが400分の1ほどになり、識別しやすくなるのです。
2つの惑星の食 (観測データ. 上記動画も参照)
Credit: NASA/JPL-Caltech/D. Charbonneau (Harvard-Smithsonian CfA) and NASA/JPL-Caltech/D. Deming (Goddard Space Flight Center)
ドレイク・デミング氏
デイヴィッド・シャーボノー氏らのチームが観測したのは、
TrES-1 という惑星です。
こと座方向、
489光年のかなたにある天体です。
(TrES-1のデータ.
TrES は米欧間の太陽系外惑星観測プロジェクトの名称です)
これら2つの惑星は、恒星のすぐそば(太陽-水星間よりも短い距離!)をまわっており、公転周期はおよそ3日程度です。
これほど恒星の近くだと、強い潮汐力が働き、惑星は(私たちの月のように)つねに同じ面を恒星に向けているようになります。
(参考)
放射量から見積もられた温度は、HD 209458b が856℃±150℃、TrES-1 が787℃±50℃ となっています。
資料
褐色矮星 2M1207 と惑星候補天体(2天体間は太陽-海王星間の2倍近い)
Credit: ESO/VLT/NACO
(上の写真について)
チリ北部のアタカマ砂漠の
パラナル天文台にある、
4台の口径8.2m望遠鏡のひとつ、「イェプン望遠鏡」
2M1207b からの光をスペクトル観測した結果、 この天体には水分子が存在するようで、水分子が存在できる程度の温度の天体ということになりそうです。
スペクトルデータや理論モデル計算などから、 2M1207b は、 木星の約5倍の質量を持っているという 結論になりました。(木星の約5倍以下の質量の可能性もあります)
褐色矮星 2M1207 は、
うみへび座方向、
約200光年のかなたにある天体です。
2004年9月に発表されたときときには、 褐色矮星 2M1207 と、そのそばに写っている 天体が、本当に重力で引き合っているのか、たまたま同じような方向に見えていた別の天体なのか不明でした。
さらに2005年2月5日と3月31日にも、 再びパラナル天文台の「イェプン望遠鏡」で観測が行われました。
2M1207 と2M1207b の1年間の位置変化
Credit: ESO/VLT/NACO
(グラフについて)
2つのグラフとも、横軸は最初の観測からの経過時間(年)。
上のグラフの縦軸は、2M1207 と2M1207b の間の角度(1/1000秒角)
下のグラフの縦軸は、2M1207 に対して、2M1207b が位置する方向の角度。
上のグラフに示されたように、
約1年間に、2天体相互の位置関係(互いに何度離れているか、どちらの方向に離れているか)に変化は見られませんでした。
(1年ではなく、数10年という長い期間なら2M1207 の周囲を2M1207b が軌道運動するようすが検出できるでしょう。
2M1207b の公転周期はおよそ2500年と見積もられています
)
2天体それぞれが、たまたま同じような方向に見えていたのなら、それぞれ
異なる固有運動で星空での位置を変えていく
はずですから、2天体相互の位置関係も変わっていくはずです。
こうして、これら2天体がそろって同じ方向に動いている(同じ
固有運動)であることが
わかりました。たまたま同じような方向に見えていた別の天体どうしなら考えにくいことです。こうして、
この2天体は重力で引き合っていることがほぼ確実となりました。
2M1207(向こう) と2M1207b(手前) の想像図
Credit: ESO
はるか遠方で輝く恒星。そのそばをまわるかすかな惑星の姿を直接とらえるのは、遠方のサーチライトのそばを飛ぶホタルの姿を
とらえるのと同様、きわめて困難です。恒星になりそこねた暗い天体である、褐色矮星だからこそ、その周囲に木星クラスの
天体の光をかろうじてとらえることができたのでしょう。
資料
似た例としての参考情報:おおかみ座GQ 周囲の惑星候補天体
GQ Lupi
First image of exoplanet orbiting Sun-like star(2004年6月25日の観測)
Is this a Brown Dwarf or an Exoplanet?
ひじょうに若い系外惑星候補天体を直接観測(AstroArtsページ)
通常の水素による
核融合では1千万度近い
温度を必要としますので、太陽質量の約8%以下の天体では、
核融合が維持できないことに
なります。
(参考)
しかしながら、
原子核に中性子がひとつ加わった
重水素
(通常の水素
に比べ、わずかしか存在しません)
による
核融合では、
もっと低い温度で核融合を起こすことができます。したがって、
木星の約13倍
の質量があれば、その中心部で、
重水素による
核融合が起こると考えられて
います。
こうしたことから、国際天文学連合の
太陽系外惑星ワーキンググループでは、
「惑星」の定義を暫定的に以下のように示しています。
太陽系外惑星とみなす天体の最小質量・最小の大きさは、太陽系内惑星の場合と同じとする。
(参考: 「惑星」の定義)
以上の定義にてらせば、恒星でもなく、「恒星の進化のはての天体」でもない褐色矮星である 2M1207 のまわりをまわる 惑星候補天体 2M1207b は「惑星」とは呼べないことになります。 ではいったいこの天体をどうよんだらよいのか、という問題もでてきてしまいます。
惑星の定義をめぐる議論もしばらく続くことでしょう。
地球サイズの惑星はみつかるのか?
太陽系外に地球型惑星を探す「ダーウィン・プロジェクト」
そのほか、金星の太陽面通過のように、恒星の手前を惑星が横切る際に、
恒星の光が一部さえぎられる現象を観測して、地球サイズの惑星をみつようというプロジェクト
「ケプラー計画」があります。
恒星の光がかすかに変化しても検出できる敏感な観測装置を使います。
デリケートな観測をさまたげる大気の影響をうけないよう、宇宙空間に望遠鏡を出します。
2009年4月の打ち上げ予定です。
関連ページ
★ Extra-solar Planets Catalog(太陽系外に惑星の存在が観測された星のカタログ)
★ NEW WORLDS ATLAS(太陽系外惑星データベース)
★ Figures about Extrasolar Planets and related subjects
★ Extra-solar Planets Catalog
★ Masses and Orbital Characteristics of Extrasolar Planets
★ 太陽系外惑星(ウィキペディア)
小惑星 2004 MN4 の軌道(青)(2004年12月23日の位置)
小惑星 2004 MN4 の2029年4月のコース2004年6月19日に発見された小惑星 2004 MN4 は、その後の軌道計算から、 2029年4月に地球に衝突する可能性が指摘されていました。観測数がまだ十分集まらない段階の計算でしたので、 2029年4月に宇宙空間のどのあたりを通過するのか確かなことは言えませんでした。
したがって、将来(あるいは過去)、その小惑星がどこにいるかは確率の問題になります。明確にここにいる、といういいかたはできません。
小惑星がそのとき、ある確率で存在するのは、この空間内です、といういいかたしかできないのです。
観測期間・観測数が増していけば、その空間が小さくなっていくわけです。
上の2番目の図に示されたように、水色の矢印の方向に小惑星が動いていくのですが、広がった白い線上のどこかを通過する、
ということしかわかりませんでした。そのなかには地球の位置も含まれていたのです。2004年12月23日には衝突確率は
約300分の1ともいわれ、24日には約60分の1という確率が、27日には38分の1という確率が求められていました。
観測期間・観測数が増えれば、もっと正確な軌道が求まり、地球をそれるコースが明らかになるだろう、と期待されたのですが、 万が一ということもあり、地球接近天体の研究者、観測者たちは、クリスマス休暇を返上して観測と計算に力を注ぎました。
過去に同じ小惑星が観測されていたかもしれない、ということで過去の観測記録も調べられました。12月27日には、 2004年3月15日の観測画像に 2004 MN4 が写っていたことが判明し、その位置データが加わったことで 軌道の正確さが改善され、2029年4月には地球をそれることが確実となりました。
さらに、2005年1月27、29、30日と、プエルトリコにある アレシボ天文台では、小惑星に電波を当て、その反射電波を受信するというレーダー観測も 行われて、大幅に軌道改良が進みました。 その結果が、次の図です。

正確に求められた 小惑星 2004 MN4 の2029年4月14日のコース
2029年4月14日06時46分頃、地球中心から地球半径の5.7個分(36350km)、 地球表面から地球半径の4.7個分(30000km)、静止衛星までの高さ(約35800km)にも ならない近いところを通過することがわかりました。 (接近表など)
直径320mと見積もられているこの小惑星は、最接近時には3.3等という明るさに達します。この明るさは 「北斗七星」の先から4番目の星 (メグレス)と同じ明るさですから、肉眼で十分見えます。小惑星が夜空でこれほど明るく観測されることは、これまでになかったことです。
ただし、 最接近時の日本は昼間 (Home Planetによる作図) であり、2004 MN4 は地平線上にありません。
アフリカなどから観測できるでしょう。大きさは角度の2秒くらいに達しますから、望遠鏡の向きの調整さえできれば、 かろうじて形が確認できるかもしれません。 かに座方向を通り、 星座間を、北西方向に向かって1時間に42度も位置をかえることになるでしょう。
地球にこれほど接近すると、地球による潮汐力で、小惑星をひきのばす力がはたらきます。 もし、しっかりした構造でなく、もろい構造の小惑星なら、 ばらばらに分裂してしまうかもしれません。(例:1994年7月に 木星に 衝突した シューメーカー・レビー第9彗星は、1992年7月に木星中心から 木星半径の約1.3倍まで接近したため、木星の潮汐力でばらばらに分裂していました)
接近時の地球の重力で 2004 MN4 に変形や 自転の変化が起これば、レーダー観測でも検出できるでしょう。 そうした観測から、2004 MN4 の内部がどうなっているかについても貴重なデータが得られるはずです。
この程度の大きさの小惑星がこれほど接近するのは、平均して1300年に1度くらいと見積もられています。 2004 MN4 (推定質量は 4.6x1010kg)が、秒速12.59kmでもし地球に衝突した場合には、 衝突時に発生するエネルギーはTNT火薬約850メガトンに相当し、 これまで実験につかわれた最大級の水素爆弾の15倍、 1908年6月、シベリア上空で起こった大爆発の約60倍、 1883年に起こった クラカトアでの 大噴火(およそ200メガトン)の4倍 ものエネルギーを発生させることになります。
2029年4月14日の地球接近で、(上図左のように)2004 MN4 のコースは、地球の重力で28度程度も曲げられてしまいます。
その後、2035年にも地球に接近しますが、2029年の接近距離が少し違うだけで2035年の接近状況に大きく影響してきます。
(接近表など)
2035年の接近について述べるには、いまはまだ時期がはやすぎます。2013年、2021年には、 1400万km程度の接近があり、レーダーでの観測から、もっと正確な軌道が求められるでしょう。2013年の観測で、少なくとも 2070年までの位置が予測できるようになるでしょう。
資料
Earth Safe from Asteroid 2004 MN4
Asteroid 2004 MN4: A Really Near Miss!
Near-Earth Asteroid 2004 MN4 Reaches Highest Score To Date On Hazard Scale
Radar Observations Refine the Future Motion of Asteroid 2004 MN4
Unique Asteroid Search Strategy Pays Off
地球に接近して明るく見えた小惑星
地球に接近する天体のリスト
今後、月までの距離の5倍以内に接近する天体のリスト
地球に接近した彗星のリスト
日本の小惑星探査機
地球と軌道がそっくりな小惑星
地球に付きまとう小惑星
小惑星の衛星発見
小惑星の衛星
小惑星に接近する探査機
ニア・シューメーカー探査機がとらえた小惑星エロス
小惑星かロケットか?
イヌがとびつきそうな小惑星!
2027年と2039年に地球に接近する小惑星
月からはじき飛ばされた小惑星
2028年に地球に接近する小惑星
新しいタイプの小惑星
南氷洋に落下した小惑星
小惑星トウタティスの接近
冥王星の衛星誕生のシミュレーション
Credit: Southwest Research Institute
アメリカ、テキサス州にあるサウスウエスト研究所の ロビン・カナップ博士は、コンピューターによる数値実験を 行い、 はるかな昔に カイパーベルト内で起こった天体衝突が、冥王星の衛星を生み出したと 説明しています。
上に示した数値実験(距離目盛りは1000km単位。色は温度を示しています)によれば、冥王星(直径約2400km) にひけを取らないような天体(約1600〜2000km)が 冥王星にななめに衝突した結果、冥王星質量の12.5%もの衛星が冥王星周囲をまわることになりました。現在の冥王星と 衛星「カロン」の状態をうまく再現しています。
地球の衛星「月」が誕生したときにも、似たような状況であったと考えられています。
資料

Credit: NASA/JPL/Caltech
2005年7月4日、
「テンペル第1彗星」に接近し、本体から分離した衝突体によって彗星上にクレーターをつくるという「ディープ・インパクト探査機」(想像図)と構造
地球を離れてから彗星到達までのCG動画
今回の打ち上げから彗星到達までの経路
本体から見た彗星接近時のCG動画
彗星接近時のCG動画
衝突時に発生するエネルギーは
19ギガジュール。これはTNT火薬4.5トンを爆発させたときのエネルギーとほぼ同じです。衝突体は、
彗星物質の一部とともに、たちまち蒸発してしまうでしょう。
彗星表面にどのようなクレーターができるでしょうか。
(クレーターの直径は、大きな家くらいから競技場サイズくらいと予想されていますが)
クレーター内部はどうなっているでしょうか。
探査機本体からは、クレーター生成にともなう蒸発気体の
スペクトルも観測されますが、
衝突体の成分か彗星の成分か区別しやすいよう、衝突体は主に
銅で作られています。
ちなみに、2024年5月に、
テンペル第1彗星は木星に接近し、木星の重力で近日点距離が3400万kmも変わってしまいます。
(2024年のテンペル第1彗星と木星の位置を調べてみましょう)
15時05分には、本体は彗星まで約700kmとなり、彗星の塵から探査機を守るため、探査機の向きを変え(アンテナは地球を向いたまま)
シールドによって、機器を安全な状態にします。
彗星最接近から約22分後まで「シールド・モード」での飛行となります。
計画への関心を高めるために行われた「彗星にあなたの名前を送ろう!」
というキャンペーンの期間(2003年5月〜2004年1月)に、世界中から56万人分の名前が集まりました。これらを含む
約62万5千人
の名前を記録した
ミニ・コンパクトディスクも衝突体に
取り付けられました。(上の写真 )
登録された名前の検索
北米西部から(南東の空に)観測可能なことや、衝突からしばらくするとハワイでも観測可能に
なりそうなことがわかります。
日本は15時頃ですから昼間のため、衝突頃の観測はできません。
衝突によって彗星周囲に飛び散ったガスや塵の雲が広がっていき太陽光に照らされるため、
彗星は明るくなるでしょう。衝突前9〜10等星くらいと見られる明るさが、どれくらい明るくなるか、
どれくらいのはやさで明るくなるか、その明るさがどれくらい持続するかはわかりません。
持続時間によっては、
日本もふくめ、世界各地で彗星の増光が確認できるかもしれません。
(資料)
地上では、20カ国、60の天文台でおよそ100名のプロの研究者が観測すると見られています。
(資料 /
地上大望遠鏡群、ディープ・インパクト突入観測の共同で公募
観測結果)
また、明るさの変化の観測から、約41.85時間の周期で自転していることが
知られています。
衝突体でクレーターをつくっても問題ない大きさの彗星であること、できたクレーターが自転によってたちまち視界から見えなく
なることがない、ある程度ゆっくりした自転であること、探査機で接近しやすい軌道であること、探査機接近時に地球からも観測できること、
などの理由から「テンペル第1彗星」が探査の対象に選ばれました。もし、打ち上げが大きく延期されるようなことがあったら、別の彗星を選びなおさなければ
ならなかったでしょう。
ディープ・インパクト探査機打ち上げ以降2ヶ月にわたり、飛行中の探査機の機器点検が、
地上からの司令で行われていました。その一環として、
探査機につけられた主力カメラである口径30cmの
高分解能望遠鏡から、中に残っている湿気を取去る加熱作業が
ありました。そのあとに行われたテストから、
高分解能望遠鏡のピントに問題があることが判明しました。(3月)
そこで、レンズなど光学部品の欠陥による画像の歪みを除去することができる
「デコンボルーション」という画像処理技術が使われることに
なりました。探査機から地上に送信されった高分解能望遠鏡の画像は
「デコンボルーション」によって補正されるため、公開までには少し時間がかかるでしょう。
(資料:
1
2
3)


彗星は、太陽系ができたころからあまり変化なく、物質の状態が保存されている と見られており、とくに、
彗星内部の物質は、保存状態がよいと見られています。「彗星内部を調べるという、今回初めてとなる探査によって、太陽系初期の状態 を解明する上で、貴重なデータが得られそうです。
そして、もしも将来、地球に衝突するような彗星が見つかった場合にも、「彗星が
どんな物質でどのような構造になっているか」という知識が大いに役にたつでしょう。
「ディープ・インパクト探査機」は、2005年1月13日03時47分08.574秒、
フロリダ州
ケープカナベラルから
デルタIIロケットで
打ち上げられました。
6ヶ月間、約4.31億kmの飛行の後、2005年7月4日(ちょうどアメリカの建国記念日)、周期5.5年で太陽をまわっている
「テンペル第1彗星」に接近します。
テンペル第1彗星
(の核)
の平均直径は約6.5kmと推定されています。(14x4.6x4.6km)

24時間前(7月3日15時07分.彗星まで約88万km)に、本体からスプリング装置で、秒速34.8センチというゆっくりしたスピードで切り離された372kg、直径1mの
衝突体は、秒速10.3kmという
猛スピード(このスピードはマシンガンの弾丸のおよそ10倍です!)で彗星表面に激突します。(7月4日14時52分頃.
打ち上げから173日目、約4億3100万kmの飛行後)
彗星位置の不確かさにより、
上記の衝突時刻には±3分の誤差があります。6月末には±1分精度となり、衝突2〜3日までには±30秒精度、5分前なら2.7秒精度となるでしょう。
このときの地球から探査機・彗星までの距離は
約0.894天文単位。
電波や光で片道7.4分ほどかかります。ここでは、彗星接近時、探査機で起こる現象の時刻は、探査機からの電波が地球に届いたときの時刻で表されていますので、
実際には7分ほど前に探査機で起こっています。
衝突体は、衝突22時間前(7月3日16時52分)から撮像観測を開始し、彗星接近にともない撮像頻度をあげていきます。
頻度がピークに達する衝突約12秒前には、0.7秒間隔で撮像が行われるでしょう。最後に完全な形で送信される画像は、
衝突約2秒前で、彗星表面の20cmほどの地形までが記録されることでしょう。
衝突体の衝突により、テンペル第1彗星の軌道速度は秒速0.0001ミリメートルだけ減速し、
彗星軌道の
近日点距離(軌道上、太陽にもっとも近くなる点までの距離)
が10メートルほどちいさくなります。軌道公転周期は1秒も変化しないほどです。
まるで、旅客機に蚊がぶつかるようなものですね。
探査機本体のほうは、衝突体分離から12分後、彗星との衝突をさけるため、推進システムを約14分間使って、軌道修正を行います。
これにより、探査機本体は秒速102メートルだけ減速します。衝突体の彗星衝突時、本体は彗星から8606km離れています。
本体の彗星最接近はさらに14分後(15時06分)で、彗星から約500kmまで接近することになります。
本体は、衝突から7分後(14時59分)には、衝突後最初の撮像を行います。
衝突時が観測できる地球上の場所
Courtesy
NASA/JPL-Caltech(衝突時、地球上で「テンペル第1彗星」が観測できる地域(図の夜の領域)
関連ページ
地上の望遠鏡(
口径24センチ以上のものを含む)
や、ハッブル・スペース・テレスコープ、
チャンドラ・エックス線観測衛星、
スピッツァー望遠鏡、そして
SWAS
のような、宇宙空間にある望遠鏡
からも、衝突時の同時観測が予定されているほか、
ヨーロッパの彗星探査機「ロゼッタ」からも同時観測が行われます。
観測は、探査機本体からだけでなく、
衝突体(進行コース修正用の推進装置や
カメラもついています)からも行われ、そのデータは本体を経由して地球に送信されます。主なデータは接近から1日で送信されますが、
他のデータはさらに1ヶ月間の間に送信されるでしょう。
ドイツの天文学者テンペルが1867年4月3日(フランスにいた頃)に発見したのが、当時9等の明るさの「テンペル第1彗星」でした。
同彗星は、木星に接近することがあり、接近時の木星の重力によって
彗星の軌道がかなり変わることがあります。

「テンペル第1彗星」の軌道(左)と他の彗星軌道との比較(右) Image Credit: Tony Farnham
ディープ・インパクト探査機搭載の2つの望遠鏡(試験中)
Credit: Ball Aerospace & Technologies Corp
彗星衝突までの(衝突体による)3度の軌道修正"Pre-release" は、軌道修正前の状態での通過点.ITM‐1,2,3のそれぞれが1,2,3回目の軌道修正後の衝突点予測
探査機本体から撮像された彗星
Credit: NASA/JPL-Caltech/UMD
衝突体から彗星画像.衝突5分前
Credit: University of Maryland
衝突体から彗星画像.衝突90秒前
Credit: University of Maryland
衝突体から彗星画像.衝突30秒前
Credit: University of Maryland
ついに衝突体が彗星に激突!
衝突の瞬間(動画.約40秒間のようす)
Credit: University of Maryland 彗星の核がわかりやすいよう画像処理されています。

(左から)衝突13秒後、16秒、67秒後(探査機本体から撮像)
衝突体からの映像 〜 衝突までの動画
Credit: University of Maryland

Credit: NASA/JPL/UMD
接近画像を組み合わせて作られたテンペル第1彗星
小さな天体が衝突したようなクレーターも見られます。
赤外線観測からは、表面温度変化も調べられました。
太陽光があたると温度が急に上がり、影になると急に下がることから、中身の詰まった構造ではなく、かなりスカスカした構造のようです。
a と b の矢印は、平坦な領域を示しており、衝突体が衝突した地点が下のほう、太い矢印で示されています。
小さな矢印が示すのは断崖ですが、照らされている角度のせいで明るく見えています。
画像の右下の長さは、1kmに相当します。
また、画像の右上には太陽方向(Sun)と、彗星の自転軸の方向(N)が示されています。
衝突にともなって、炭素を含む分子が大量に放出されたこともスペクトル観測でわかりました。 (資料)
ハッブル・スペース・テレスコープから撮像された彗星の変化
Credit: NASA/STScI(動画版)
衝突時を中心にはさみ前後計2時間40分間の明るさの変化.25枚の画像を重ねたものです。彗星の位置は周囲の恒星に対し移動していきます。
Deep Impact(Wikipedia)
ディープインパクト(厚木市子ども科学館)
星空のなかの「テンペル第1彗星」(赤)と木星(黄色)の位置
テンペル第1彗星の星図上の位置 /
軌道・位置データ /
立体軌道図と軌道データ
半世紀前のこと、1954年11月30日午後2時頃(現地時間)、
アラバマ州、
シラコーガで、
屋根を突き破ったグレープフルーツ大(約4kg)の隕石がラジオを
直撃して跳ね返り、居間の長椅子で昼寝をしていたエリザベス・アン・ホッジズ夫人
(31歳. 資料によっては32歳)の
腕と腰に当たり打撲傷を与えた
という事件がありました。隕石が人に当たったと確認されている唯一の例として有名です。
いっぽう、隕石の所有権をめぐって、地主が訴えを起こしましたが、結局は示談で
ホッジズさん側の所有権が認められました。
落下の翌日にホッジズ夫人宅から3km以上離れた場所から
破片がひとつ見つかり、こちらは
スミソニアン博物館にあります。
(最後から2枚目の写真)
「ホッジズ隕石」は石質隕石でも一般的な「普通コンドライト」で、H4に分類される
種類です。
落下当時、
ミシシッピー
から
ミズーリ州にかけて、明るい光の目撃や
爆発音が聞こえたとの報告が出ていました。
太陽の未来の姿、といわれる「ミラ型変光星」
の周囲に広がる希薄な分子層は、火星軌道をはるかにこえるほどです。(本文参照)
太陽にもっとも近い恒星は、
ケンタウルス座の
方向にある
プロキシマという天体です。
(距離4.22光年。
もし、地球の軌道を1cmの直径に縮めても、プロキシマまで1.3kmもあります!)
このように、恒星と恒星の間には、気が遠くなりそうなほど、だだっぴろい空間が広がっています。
この「星間空間」といわれる場所には、
きわめて薄い
ガス(主に水素ガス)や
星間塵(せいかんじん)
とよばれるものが浮かんでいます。
星間ガスがどれだけ薄いガスかといいますと、1立方センチの中に水素原子1個くらいです。
私たちのまわりの空気には、1立方センチの中に 30000000000000000000個
(3X1019 個)もの分子がありますから、とんでもないほどの希薄さです。
塵(チリ)という字ですが、あなたの部屋に舞い上がっているような塵
とは違い、大きさは 0.1μm程度(1ミリの1/10000 程度)しかなく、
炭素を含む化合物や珪酸塩(岩石の成分)、氷などから成り、場合によっては鉄分も含まれる
ようです。(資料)
ガス(主に水素ガス)と塵からなる星雲から、
星が生まれてきます。
(関連ページ:
惑星ができつつある塵円盤
オリオン星雲 〜星雲のガスがとくに密集している領域からは星が生まれてきています
)
星雲そのものの重力によって、各部が引き合い、全体が縮んでいきます。おしくらまんじゅう状態で、星雲中心部
の温度が上がっていきます。温度が1千万度くらいになると
核融合反応が起こり始めます。
太陽系も、
いまから約46億年前に、
こうした
ガスと塵のあつまりからできたと考えられています。
太陽の中心では、いつも
核融合反応によって
水素からヘリウムが作られています。
このときに発生する熱で太陽は光り輝いています。中心部で発生する熱によってガスが外側に膨らんで
いこうとします。いっぽう、外側にある大量のガスは、自分の重みによって中心方向に落ちていこうとします。
この2つの力がつりあっているため、
太陽の大きさにはあまり変化がなく、
安定して輝いているのです。
いまから15億年後、温室効果によって地球表面の平均気温は
およそ摂氏50度に達するでしょう。浅くなった海など、地球上にはまだ生物は存在できるでしょうが、
今から35億年後には、今より40%も明るくなります。地球上の水分はすっかりなくなり、
ひび割れた惑星になっていることでしょう。
それまでは、海に溶け込んでいた大気中の二酸化炭素も、海が干からびてしまうと大気中にとどまるようになり、その二酸化炭素によって
温室効果がさらに強まります。
地表温度が上がると、火山活動が促され、火山ガスに含まれる二酸化炭素がさらなる
温室効果を生み出します。
こうした温室効果の暴走で、一部の強靭な微生物を除く一切の生物が存在できない惑星環境になるでしょう。
その後の数10億年は、上昇していく温度以外は地球上に大きな変化はありません。
今からおよそ50〜80億年後(太陽誕生から100〜130億年後)
中心部に水素はなくなってしまい、中心部での
核融合反応は止まります。
この段階で、太陽の直径は現在より35%ほど大きくなっており、明るさも2倍近くに達しています。
すると、中心から支える力が衰えるため、中心部にたまったヘリウムの核は、中心に向かってつぶれていこう
とします。中心部のおしくらまんじゅう状態がひどくなり温度が上がっていきます。
うんと温度があがれば、ヘリウム原子核同士がぶつかって新たな核融合反応が起こるのですが、
水素原子よりもプラスの電気がひとつ多いヘリウムでは、反発力もより強くなり、接近させるのには
1億度以上の高温になる必要があります!
ヘリウム核で核融合反応が起こらないまま、ヘリウム核の収縮がすすみ、どんどん温度が上がっていきます。
そのため、ヘリウム核をとりまく周囲の層の温度も、ついに1千万度に達し、その場所で水素からヘリウムが作られる
核融合反応が起こるようになります。
その熱で、太陽の外側の層は膨らんでいき、表面温度は5000度以下に下がります。
この段階で太陽の直径は現在の2倍くらいになるでしょう。
(中心部の、縮んでいくヘリウム核とは対照的です)
こうして、太陽は
主系列星の
時代を終え、数億年にわたり、
赤色巨星
(せきしょくきょせい)の段階となります。太陽の直径は現在の170倍程度まで大きくなり、明るさも現在の
2300倍に達します。
高温によって、原子核からはぎとらえた電子たちがぎゅっと押し込められているのですが、まるで電子が硬いボールに
なったかのように、それ以上圧縮することができなくなります。こうした電子の
縮退圧という圧力で、太陽の中心部が
それ以上収縮しないよう支えられるようになります。
この縮退圧という特殊な圧力は、核融合反応で温度が上がっても
強くならないので、膨張して温度がさがるということがありません。核融合反応で温度が上がり、その温度でさらに
核融合反応が急速に進みます。こうして、数時間にわたり、「ヘリウム・フラッシュ」とよばれる、ヘリウムの核反応の暴走が起こるのです。
しかし、ついには、ふたたび通常の圧力が優勢となり、ヘリウム核が膨らんで密度、温度が下がり、もとのような
バランスが回復します。
1億度を上回る温度のもと、中心部では
ヘリウムから炭素が生み出される核融合応
が進みます。同時に、ヘリウム核周囲では
水素からヘリウムができる核融合反応も進んでいます。
ヘリウム核で進む核融合応は、
数1000万年というところで、そう長くは続きません。そうなると、今度は燃えかすとしての炭素核が収縮し温度が上昇します。
その周囲でヘリウムが、そのさらに周囲で水素が核融合反応を起こし、その熱で外側の層が膨らんでいく、という
状態になります。
その熱で、太陽の外側の層は膨らんでいきます。この段階で太陽の直径は現在の100倍くらいになるでしょう。
ヘリウムが核融合反応を起こしている領域では、ものすごい圧力と、わずかな温度変化によって、一連の爆発的核反応が
起きるようになります。この「ヘリウム・シェル・フラッシュ」によって、外層へ流れるエネルギー量が大きく変動するため、
恒星全体が膨らんだり縮んだりという脈動(みゃくどう)を起こすようになります。
さらに、表面近くの層では、太陽が膨らんだ際に温度が低下し、それまで原子核から自由になっていた電子が勢いを
失い、再び原子核に再結合します。
このとき、原子からは余分なエネルギーが放射され、さらに外層を外側に押すようになりますので、脈動は強まります。
内側から押し出されるようになる外層ガスの一部は、太陽から脱出し、
惑星状星雲となるかもしれません。
太陽のような単独の恒星では
惑星状星雲ができないかもしれないという
研究結果もあります。(資料:
1
2)
惑星状星雲
望遠鏡によるスケッチを見ますと、その丸っこい形から「
惑星状星雲」のなまえに納得しますね。
(
惑星状星雲写真集
/ Planetary Nebulae
/ ハッブル・スペース・テレスコープによる惑星状星雲画像
)
外層が広がり、薄れていくにしたがって、中心部にある、
白色矮星がじかに見えるようになってきます。
太陽質量程度の質量が地球サイズに押し込められているという、不思議な天体です。核融合反応は起こしていませんから、
余熱で輝いているのです。
白色矮星となった太陽は、もともとの質量のかなりの
部分を失っているでしょう。
軽くなった太陽は、地球をこれまでのような力(重力)で引っぱっていることはできません。いままでより弱い重力でしか
地球や他の惑星をひっぱれないのです。したがって、地球は太陽の重力をふりきらないまでも、太陽からより遠くをまわることが
できるようになります。(軌道半径がおおきくなります)うまくすれば、膨らむ太陽にのみこまれないですみそうです。
(太陽質量がほとんど変化しないようなモデルで計算すると、およそ80億年後には、地球はおろか火星軌道まで
太陽に楽々飲み込まれてしまいます。
(資料))
例えば、
アイオワ州立大学の
リー・アン・ウィルソンや
ジョージ・ボウエンらは、
赤色巨星の段階で、
外層ガスが放出されて、星の質量が減っていく過程を研究しています。太陽のような恒星では約40%もの質量が
失われることがわかってきましたが、問題は、失われるペースです。
最後の最後の段階で急速に失われるとしますと、それまでに太陽は大きく膨らんでしまっているわけで、地球は太陽にのみこまれて
しまいます。
リー・アン・ウィルソン
らは、太陽程度の質量の恒星が
赤色巨星になったと
考えられる
「ミラ型変光星」の詳細なコンピューター計算モデル
をつくりました。その結果、
赤色巨星の最後の最後の段階で
急速にガスが失われることが判明。太陽はそれまでに巨大化が進み、地球はのみこまれてしまう、という結論になりました。
火星がどうなるかは不明で、木星以遠は安泰とのことです。(資料:
ISU PROFESSORS SEE A TOASTY FUTURE FOR EARTH)
金星は、太陽にのみこまれてからは、
ガスによる抵抗で軌道運動にブレーキがかかり、数10万年で太陽中心部に落ち込んでしまうと見積もられています。
(資料)
離して置いた複数の望遠鏡にとどく、天体からの電磁波を、「干渉」(かんしょう)という方法で比較することによっ
て、その天体がどの方向にあるか、さらには天体の形を正確に求めることができます。
従来の可視光での観測では、この層がかなり不透明になっていたため、分子気体層の上が表面であるかの印象を与え、
ミラ型変光星が実際より大きく見積もられていました。
。赤外線での観測では、
この層が比較的透明になり、下の星まで見通すことができ、大きさは従来の半分程度のサイズであったことが
わかったのです。(ミラ型変光星の理論モデルによる大きさと、観測から求められた大きさが食い違うと
これまで問題になっていたのですが、今回の発見でそのなぞが解けたようです)
この希薄な分子気体層がどのようにしてできたか、維持されているのか、については、さらに今後の観測や研究で
明らかになってくるでしょう。
その実態が明らかになれば、その中に地球が入ったときの結果もわかってくるはずです。
(資料: 1
2)
直径150kmくらいの大型の小惑星(あるいはカイパーベルト天体)の
軌道をかえて(そのための巨大な推進システムの燃料は小惑星そのものから採掘できるかもしれません。さらに、他の惑星のそばを通過させて
その重力を利用すれば、コースをうまく変更できるでしょう)、地球の軌道進行方向手前を通過するコースに
のせます。その通過時に、小惑星が重力で地球をひっぱるため、地球の軌道がすこし大きく
広がります。もちろん、接近した小惑星の軌道のほうも、地球の重力にひっぱられて大きく変わるのですが、
その後木星に接近するよう、あらかじめ地球接近コースを調整しておくのです。木星(質量は地球の318倍)に接近した
小惑星は木星の重力にひっぱられ、地球接近時に失ったエネルギーを取り戻します。
太陽の
主系列星の時代にわたり、
こうした「大型小惑星の地球接近」を6000年に1度繰り返せば、地球の軌道は次第に大きくなり、
太陽熱で生命が生存できない運命を変えることができる、というのです。
地球を救おうとするこの壮大な計画には危険な側面があります。例えば、地球の軌道を変える際に、月の軌道がどうなるか、という
問題があります。月の軌道が大きく変わるようなことがあれば、海洋・気象など地球への影響もはかりしれません。
(地球の自転への影響)さらに、地球の際まで小惑星を接近させる必要があるため、
地球の自転速度の変化への影響も心配されます。
間違って小惑星を地球に衝突させたら、もうとり返しがつきません。
(資料: 1
2)
Stellar Evolution
Stars
Recipe for Saving Earth: Move It
A dying universe: the long-term fate and evolution of astrophysical objects
Mark A. Garlick, 'The Fate of the Earth, ' Sky & Telescope, October, 2002, pp. 31-35
天候不良のため、2日の打ち上げは延期され、
8月3日15時15分56秒に
打ち上げられました。
このとき、金星と地球の間に太陽があり、満足な通信ができない状況にありました。このため、今回の金星接近時の
金星観測は見送られました。その20日前(金星から約1650万km)に探査機から撮影された
金星画像です。
(2枚とも同じ画像で、右の画像は4倍に拡大したもの)分厚い雲におおわれているようすがわかります。
(資料)
今回は、飛行中で初めて
7つの観測機器すべてに電源が入れられ、
水星接近時の予行演習的に金星観測が行われました。
630枚以上の画像を含む観測データは、探査機のレコーダーにいったん蓄えられ、
6月7日以降、地上で受信されはじめます。
(公開された画像1
公開された画像2
/
資料:
1
2
3
4
5
6)
メッセンジャー探査機は、
2008年1月15日04時04分39秒、水星上空200kmを
通過しました。
このクレーターの名は、
フランスの画家、
アンリ・マティスから
とられたものです。
水星のクレーターには、
著名な画家、音楽家、作家など、芸術分野で活躍した故人の名前がつけられることになっています。
(国際天文学連合による惑星地形名命名のルール)
しかし、水星には月のように無数のクレーターがあります! この画像だけでも(幅が276kmの地域ですが)763個のクレーター(緑の○で示されています)と
189個の山や丘(黄色の○)が確認されています。
クレーターの数を数えて、各地域相互の古さ、新しさを判断するのはたいへんな作業です。
しかも、2次クレーター というものもあるので、これを区別しなければ
なりません。
水星に、このような巨大な地形がいくつも存在することは、
マリナー10号の観測で、すでに知られていました。
たくさんの谷が放射状に広がっていて、クモを連想させることから、
「スパイダー」(クモ)というニックネームがつけられたこの地形は、
マリナー10号の観測では、水星のどこにも見つからなかったものです。
カロリス盆地内の物質が拡げられるようにして、このような地形ができたものと考えられます。
「スパイダー」中心にあるクレーターの直径は約40km。
マリナー10号の画像では、カロリス盆地のふちまで、直径は約1300kmとされていました
(黄色い破線)が、メッセンジャーによる画像を見ると、1550km近いことがわかりました。(青い破線)
どれくらいの直径で多重リングクレーターが現れるか、というのは、主にその天体表面の
重力の強さで決まってきますが、表面物質の違いによっても変わってきますので、
こうしたクレーターの調査から、表面物質についての情報を得ることもできるのです。
2重リングクレーターの周囲に、
2次クレーター列も見られます。
ある観測報告
によりますと、衝突から1時間のうちに2等級ほど明るくなったそうです。
アリゾナから口径35cm望遠鏡で撮像した彗星
Credit: Rocky Alvey, Terry Mann, A.G. Kasselberg and Richard Berry of Vanderbilt University and the Astronomical League
探査の結果
資料
ディープ・インパクト計画プレスキット(1)
DEEP IMPACT - MISSION STATUS CENTER
DEEP IMPACT(菅原賢さんのページ)
テンペル第1彗星とディープ・インパクト探査機の現在位置 /
同彗星の明るさ観測 と
星空間の現在位置
(2004年12月〜2005年7月 おとめ座の方向)
テンペル第1彗星発見者 エルンスト・ヴィルヘルム・テンペル(1821-1889)についての資料:
1
2
3
関連ページ
「人にぶつかった隕石」を持ち上げている、アラバマ大学のジョン・ホール博士
Credit/Source: The University of Alabama

隕石が屋根をつきやぶった現場に立つ3人(左から当時のシラコーガ市長、ホッジズ夫人、警察署長)
当時は、東西冷戦
の緊張下にあり、「宇宙からの物体」ということで当日午後遅くには
ホッジズ夫人宅に空軍が訪れました。隕石を持ち帰りましたが、「宇宙船の一部」ではない
ことがわかるとすぐに返却されています。

当時の頃のホッジズ夫人の自宅。この家に隕石が落下し、そのニュースを聞いた人の車で周辺が大渋滞になったそうです。
Credit/Source: The University of Alabama
「ホッジズ隕石」は1956年、
アラバマ大学のアラバマ自然史博物館
に
寄贈されました。
関連ページ: 流星・隕石情報
関連資料
Meteorite(Wikipedia)
SYLACAUGA METEORITE NEWSPAPER ARTICLES
Wodehouse and the Sylacuaga Meteorite
Woman Hit by Falling Star
UA Museum to Observe 50th Anniversary of Hodges Meteorite
遠い未来、地球は太陽にのみこまれる!?
Illustration Credit: Journal Astronomy & Astrophysics / Source:
NOAO
太陽のように、自分から熱や光を出している天体を
恒星(こうせい)といいます。
プラスの電気を帯びたものどうしである、重水素や三重水素の原子核をたがいに近づけると反発します。うんと近づけて
核融合反応を起こすには、
これらをものすごいスピードでぶつける必要があります。温度があがれば粒子のスピードが速くなります。
(温度計の目盛りをかえて粒子のスピードを比べてください
/関連資料)
しかし、太陽の中心部には、核融合反応によって
できたヘリウムがしだいにたまっていきます。(関連資料)
中心部では、4つの水素原子核が1つのヘリウム原子核に変わっていくのですから、粒子の数が減っていき、圧力が減っていきます。
すると、中心部が圧縮され、温度があがり圧力も回復します。こうして、核融合反応が前よりも活発になります。
こうした変化の結果、太陽はゆっくりと大きさと温度を増していきます。現在の太陽は、46億年前の誕生時期よりも30〜40%ほど
明るくなっています。今から10億年後には、今より約10%明るくなるでしょう。
その頃、極地の氷は完全にとけてしまい、海は水温が上がるだけでなく、大規模な蒸発が始まるでしょう。そうした水蒸気の
温室効果によって、さらに地球大気には熱がたまります。
こうして地球は高温多湿の世界になりますが、
太陽の
紫外線がそうした大気上空にあたり、
そのエネルギーにより水蒸気分子が水素原子と酸素原子に分解します。水素原子は軽く、早いスピードで動きまわるため、
地球の重力を振り切って宇宙空間に逃れていってしまいます。
話しを太陽に戻しましょう。
恒星内部の状態の変化を、物理の法則を使って計算していくことができます。ここで書かれていることも、そうした計算に
基づいています。さまざまな恒星の観測事実と照らし合わせて、
そうした計算が正しそうかどうかを確認することができます。
恒星の誕生からの変化(計算例)
HR図
(解説1
解説2
)上での恒星の進化を
パソコンで再現
太陽の外側の層は膨らんでいくいっぽう、中心部のヘリウム核は、縮んでいくのですが、これは永久に続くわけではありません。
主系列星の
時代を終えた太陽は、数億年後、ヘリウム核で核融合反応は始まります。このとき、中心部の密度は
1立方センチあたりおよそ100kg(おすもうさんが角砂糖の中に詰まっているような密度)、温度も1億度に達します!
こと座の惑星状星雲 M57
Credit: NOAO/AURA/NSF
ヘリウム核の場合と同様に、やがて炭素核の電子の
縮退圧によって炭素核の収縮が止まります。
こうして、中心部の密度は、1立方センチあたり数トン程度、温度は数億度くらいに達します。太陽の場合、もはや中心部での
核融合反応は起こらず、中心部は
白色矮星(はくしょくわいせい。[矮星]とは
「こびとの星」という意味です)になっていきます。
赤色巨星となった膨らんだ
太陽に、水星や金星は飲み込まれてしまいます。地球はどうなるでしょうか?
ヘリウム・フラッシュについては、確かな計算ができていないため、
赤色巨星の最終段階についても、
はっきりした結論がでていません。研究者によって、地球が太陽にのみこまれそうだ、いや助かる、と見方が分かれています。
太陽があまり巨大になる前から外層ガスが失われていけば、その間に地球の軌道半径が広がっていくため、地球は太陽にのみこまれ
ないですみそうです。
いっぽう、
英サセックス大学の
クラウス=ピーター・シュレーダーらによる、
最近の観測結果を反映したという計算モデルでは、
太陽が最大の大きさになったとき(半径1億7200万km)、質量は32%を失っています。これにより、
地球の軌道半径は2億2000万km(現在は約1億5000万km)にも拡大するため、地球は太陽に
のみこまれないですみそうだと結論しています。
それでも、希薄なガスが地球軌道に迫ることがあるでしょうが、それは短期間なので地球軌道にさしたる変化は
起こらないということです。
地球による潮汐力が、膨張した太陽面にわずかなでっぱり(月による潮汐力が地球の海水面にでっぱりを生じさせるように)を
生じさせ、その「でっぱり」からの重力が、地球の公転スピードを減速させる
可能性も指摘されています。その場合、地球は次第に太陽に
近づいていき、太陽にのみこまれてしまいます。
これは、
火星における衛星フォボスの軌道の減衰と
同じメカニズムです。
(資料)
太陽の未来の姿、といわれる「ミラ型変光星」
の最近の観測結果から、ミラ型変光星の周囲には、水蒸気や一酸化炭素などの希薄な気体から成る領域が大きく広がっていることが
わかってきました。(冒頭の図参照)
そうした方法によって、約10ミリ秒角(月面の約20mの物体が地球から見るとこのくらいの角度)の細部まで観測することが
できたのです。
水蒸気や一酸化炭素などの希薄な気体から成る領域が、(典型的な例では)恒星半径の2.2倍の距離まで
広がっていました。気体の温度は2000度程度です。
例え、地球が太陽にのみこまれなくても、太陽の明るさは最大時で、現在の2000〜4000倍となり、
地表は摂氏1500度以上
という高温にさらされ、溶岩惑星となっているでしょう。また、高温によって、大気は宇宙空間に流失してしまっているでしょう。
遠い未来の人類は、この危機にどう立ち向かうのでしょうか。
探査機を、目的の天体に向かわせる場合、飛行コースの途中で別の天体の側をわざと通過させることがあります。
その天体に接近させ、天体の重力で機体をひっぱらせ、(燃料を使わずに)コースを変えようというものです。
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の
ドナルド・コリカンスキーらの研究では、この方法を
使った、未来の地球を太陽熱から救うアイデアが述べられています。
再び地球に接近させ、同じようなプロセスを繰り返すのです。
恒星と恒星の間には、気が遠くなりそうなほど、だだっぴろい空間が広がっていますが、他の恒星が太陽に接近することは
ないのでしょうか? 今後35億年間に、他の恒星が太陽に接近する可能性を、数多くのシミュレーションで調べた研究者がいます。
それによれば、接近する他の恒星の重力の影響で、地球が太陽系から放り出されてしまう確率は10万分の1ということです。
(資料)
何十億年という遠い未来の人類は、長い年月の進化によって、いまのような姿をしていないかもしれませんが、
きっと、驚くべき技術を手にしていることでしょう。すぐには役に立たないかもしれない天文学の研究の積み重ねが、
やがては地球や人類を救うことになるかもしれません。
関連資料
恒星の進化
星の進化(Stellar Evolution)
Stellar Evolution (graphs)
太陽の最期を見る? 100億歳の星に巨大ガス放出を発見
変光星ミラを見よう!
Mira, Omicron Ceti
HISTORY OF THE DISCOVERY OF MIRA STARS
星進化における質量放出の影響
Mass Loss from Asymptotic Giant Branch Stars and the Cosmic Cycle of Matter
STELLAR EVOLUTION
Stellar Birth
Age and mass of main sequence A-Type stars
AGB Stars and Planetary Nebulae
Evolution Away from the Main Sequence
The Evolution of a Sun-like Star
Stellar Evolution
Stellar evolution
Introduction to Stellar Physics
Average Star Death
星の誕生と進化、 太陽質量の星の進化
The Evolution of a Sunlike Star
STELLAR EVOLUTION -WHAT HAPPENS WHEN THE HYDROGEN FUEL RUNS OUT IN A LOW MASS STAR ?
Lecture 13: Stellar Evolution- Observations of Elderly Stars
Stellar Evolution: From Middle Age to Death
Stellar Evolution I - Solar Type Stars
A Review of the Universe - Structures, Evolutions, Observations, and Theories
Main Sequence Stars
Life on Earth Granted a 200 Million Year Reprieve when Sun becomes a Giant
Good news: how the Earth will survive when the Sun becomes a supergiant
PLANETARY NEBULAE AND THE FUTURE OF THE SOLAR SYSTEM
Freeze, Fry or Dry: How Long Has the Earth Got?
The Fate of the Earth

水星を探査するメッセンジャー(動画版)/ 地上での点検 /
構造・観測機器
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
重量約1100kg(燃料約600kg+機体・観測機器約500kg)
本体の高さ1.42m、幅1.85m、奥行き1.27m
強烈な太陽光から機体を守る日よけ板の高さは2.5m、幅2m
2004年8月2日15時16分11秒、フロリダ州
ケープカナベラルから
デルタIIロケットで
打ち上げられる
予定です。(UTCに9時間を加えると日本時)
(大判)
Credit: NASA メッセンジャー探査機の準備と打ち上げ
打ち上げから57分後、太陽をまわる人工惑星軌道に入りました。
打ち上げ後、地球に1度(2005年8月)、
金星に2度(2006年10月、2007年6月)、そして
水星に3度(2008年1月、
10月、2009年9月)と接近し、惑星の重力にひかせて
軌道修正を行います。
打ち上げから6年半以上をかけ、太陽を15周、79億kmの飛行の後、2011年3月に
水星をまわる軌道に入り、水星にとってはじめての
人工衛星になる予定です。およそ1年間、水星の観測を行います。
2005年8月3日04時13分、メッセンジャー探査機が地球に接近。中央モンゴル上空2347kmを通過しました。
(資料:1
2)
地球に接近するメッセンジャー探査機のアニメーション(18MB, 8MB)
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
左のアニメーションは探査機から見たようす

7月30日、地球から105万kmの距離からメッセンジャー探査機が撮影。オーストラリア大陸がよくわかります。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington/Northwestern University
2006年10月24日17時34分、メッセンジャー探査機は金星上空2990km以内を通過しました。
(こちらに、今回の金星接近のアニメーションが
Venus Flyby 1 としていくつか用意されています)
2007年6月6日08時08分、メッセンジャー探査機は金星上空338km以内を通過しました。
(こちらに、今回の金星接近のアニメーションが
Venus Flyby 2 としていくつか用意されています)
第1回目の水星接近後の画像
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
上の画像は、最接近から約80分後、水星から約27000kmから撮影されたもの。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
最接近から9分後に撮影されたもの。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
上の画像とほぼ同じ領域を、もっと高い角度から撮影したもの。画面の幅は約1000km。
最接近から13分後。水星から約3000kmの距離から。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
最接近から約58分後である、2008年1月15日05時03分に撮影。水星表面からの距離は約18000km。
幅約500kmの範囲が写っており、1kmほどのクレーターまで識別できます。
左下に、二重になったクレーターがあり、その内部は溶岩で満たされたようになっています。
断層が横切っているのもわかります。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
最接近から約20分後、水星表面上約5000kmで撮影。0.4kmのものまで識別でき、幅約370kmの範囲が写っています。
下のほうに、大きなクレーターがあります。天体の衝突でクレーターができたとき、周囲に飛び散った物体が表面に落下します。
そうしてできたと見られる「2次クレーター列」があちこちに見られます。2次クレーター列が、
大きなクレーターを中心に放射状に並んでいる傾向もわかります。
赤道付近のこれらの地形は、マリナー10号が観測しなかった領域にあります。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
右中央に、クレーター内にまたクレーターができているような地形が見られます。
これは、直径約210kmの「マティス」というクレーターです。
(参考:周辺の地形図)

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
これまで撮影されたことがなかった南極(画面右下)近くの地域です。
水星最接近から約98分後、水星から約33000kmの距離にて撮影。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
水星の北極付近。写っている領域は、これまで観測されていない部分です。
南極付近の画像と比べますと、南極付近のほうがクレーターがたくさんあるように見えます。
水星最接近から約94分経過し、水星から約32000kmの距離から撮影。

Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
天体が衝突したあとにできる、こうしたクレーターの個数を数え、どれだけクレーターが密になっているか
を調べますと、場所によってクレーターがたくさんある地域、少ない地域があります。
ある場所の地形がいったんできて、長い時間がたつほど、そこに衝突する天体も多くなり、クレーターも多くできる
ことになります。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
幅約236kmのこの画像の中央に、直径52kmのクレーターが見えています。
その中に、まるで電話の受話器のような形の陥没があります。
水星内部の火山活動に関係したもののようですが、今後の多くの画像から、さらに手がかりが得られるでしょう。
この地形は南半球にあり、これまで観測されたことがない領域です。
水星最接近から1時間ほど経過し、水星から約19300kmの距離から撮影。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
水星最接近から21分経過し、水星表面から約5800kmの距離から撮影。画面幅は約200km
これまで撮影されたことがない領域で、赤道付近の、長く連なる山脈のような地形がみつかりました。
左の画像に写っている地形の(北方向の)続きが右の画像に写っています。
おそらく、数100kmにおよぶ地形でしょう。水星内部が冷えていったとき、惑星全体がわずかに縮んだ結果、
このような地形が「しわ」のように残ったと考えられています。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
中央上寄りのところにある小さなクレーターを見ますと、天体が衝突してクレーターができたときに、物質が飛散してできた、
すじ状の模様がはっきりとわかります。こうした模様は、長い年月の間に、
太陽風や微細な隕石が降りそそぐため、しだいに
色が暗くなり、目立たなくなっていきます。
(宇宙風化作用といいます)
とびちった模様がこれほどはっきりわかるということは、この小さなクレーターが比較的最近できたことを意味します。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington
マリナー10号の観測による
カロリス盆地の画像(
画像の
左のほうに
盆地を囲む大きな円弧が見えます)では、
カロリス盆地の
中心付近が写っていませんが、今回の接近で、この中心付近に見つかったのが上の地形です。
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington/Brown University
マリナー10号の観測によるカロリス盆地の画像(画像の右側)
と今回メッセンジャーの接近で撮影されたカロリス盆地の画像(画像の中央・左側)を合成したもの。どこに「スパイダー」があるか、おわかりですか?
Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington/Brown University
これも、
マリナー10号の観測では撮影されなかった部分です。
2重リングクレーターの外側リングの直径は約260kmあります。水星では、
およそ200kmをこえるクレーターで多重リングクレーターが見られます。
探査機から、1213枚の画像を含む観測データが送信されます。
2008年10月6日17時40分22秒、メッセンジャー探査機は水星上空200kmを通過しました
2009年9月30日06時54分56秒、メッセンジャー探査機は水星上空228kmを通過します
探査機が水星をおとずれるのは、
1974年から1975年にかけて3度水星に接近した
「マリナー10号」以来のことです。
このときは、水星に接近しただけで水星をまわる軌道には入りませんでした。マリナー10号では、
水星表面の45%しか観測できませんでした。
(資料: メッセンジャーのホームページ /
メッセンジャーのプレスキット /
Spaceflight Now)