君にも地球の大きさがはかれる!

      

エラトステネスってしってますか?


なんと、約2200年も昔に、地球の大きさを正確にはかった人がいるのです!

紀元前3世紀頃、エジプトのアレクサンドリア図書館長をしていた エラトステネス*1は、図書館の文書の中に興味深い話がでているのを見つけました。(あるいは、旅人を通じて伝わった話しとして聞いた)

アレクサンドリアから真南に5000スタジア*2離れたシエネ(いまのアスワン) では、太陽が最も高く空にのぼる夏至の日、正午の太陽の光が井戸の底にとどく、 というのです。 つまり夏至の日の正午、シエネでは太陽は頭の真上にあったのです。

でも同じ夏至の日、アレクサンドリアでは太陽は頭の真上にはきませんでした。 これはいったいどうしてなのでしょう?


*1 エラトステネス。紀元前276頃生まれ〜紀元前196頃没。多面的な才能の持ち主で、当時のほとんどの学問に手をつけていた。紀元前240年頃、当時エジプトを治めていたプトレマイオス三世は、エラトステネスを図書館の館長に任命した。(「地図を作った人びと」河出書房新社 1988 より)

*2 stadion 複数形は stadia. 古代ギリシャの長さの単位。競技場(stadium)のトラックの長さに由来。1スタディオン stadion は約185m。(「単位の辞典」丸善 1965 より)

ラクダの隊商はアレキサンドリアからシエネまで50日かかり、ラクダは1日100スタジア歩くといわれていたことから、アレキサンドリア-シエネ間はおよそ5000スタジアということになる。(「地図を作った人びと」河出書房新社 1988 より)
「エラトステネスはひとりの男を雇って、アレキサンドリアからシエネまでの距離を歩幅で測らせた。その距離は約800キロであった」と書いてある本もありました。(「COSMOS(上)」朝日新聞社 1980 より)




地球はまるい!


地球がまるいせいだ、とエラトステネスが考えました。

太陽は非常に遠く離れているので、その光が地球にとどくときには、平行光線となっていると考えていいわけです。

夏至の日の正午、アレクサンドリアで、垂直に立てた棒の影の長さから、 そのときの太陽は、頭の真上から7.2度ずれていることがわかりました。



この角度は、地球の中心から見たアレクサンドリアとシエネの間の角度にも なっていますね。そして、アレクサンドリアとシエネの間が5000スタジア(約925km)というわけです。

地球1周360度は7.2度の50倍。925kmを50倍すると、地球1周が46250kmということになります。これは実際の地球1周がほぼ40000kmですから、当時としてはおどろくほど正確な測定結果です。上図では、地球1周の、より正確な長さ40000kmの7.2度ぶんの長さとして「800km」という値をかいてあります。




参考ページ




君にも地球の大きさがはかれる!


複数の人工衛星からの電波を受信して、自分がいまいる位置の緯度経度を正確にはかる、というシステム、「GPS」があります。

最近は、2万円前後でも買える小型のGPS受信機があります。こうしたものを使えば、緯度の変化が正確にわかるはずです。

つぎに、南北にのびた道路を地図などでさがします。科学館の近くですと、シーサイドライン並木北〜幸浦に沿った道路がほぼ南北にのびていることがわかりました。

周辺地図


坂道があると測定が不正確になります。実際に現地に行ってみると、坂がほとんどない、平坦な理想的な場所でした。



並木北駅前(地図のA地点)から真南へ向かう平坦な道路



幸浦付近(地図のC地点)の様子


科学館の渡辺秀夫氏が、車に搭載したカーナビ(カーナビゲーション・システム。GPSを使って車の位置を割り出しながら、目的までの案内をしてくれる装置)で、幸浦から並木北沿いの道路を走行した結果(C地点からA地点まで)、距離計の変化は1.55kmで、緯度変化は角度の48秒でした。1秒は1度/3600 です。すると360度(地球1周)の長さとしては...


      360度
  -------------  X 1.55km
   (48÷3600)度

という計算になり、約42000kmとなります。実際には約40000kmですから、5%の誤差で地球の大きさが測定できたわけです。幸浦付近では道がまがっていた所がありましたから、距離が長めに測定されたのでしょう。


カーナビのアンテナ(人工衛星からの電波を受信している)


カーナビや車をつかわず、歩いて地球の大きさを求めてみましょう。

まず、1歩の長さをはかるために、10歩歩いて、その長さを巻き尺ではかる、という ことを行います。その長さを10で割って1歩の平均を求めておきます。 歩幅が一定になるよう、自然に歩くのがポイントです。何度も測定して、結果が だいたい一定になったらその値を採用しましょう。(今回、1歩の長さが71センチ、 となりました)



巻き尺を床にのばし、それに沿って10歩歩く


歩数を数え間違いしないよう、人数などを数えるときつかうカウンターも用意しました。10歩進む毎にカウンターを1回押します。メモ帳などに10歩歩くごとに印をつける、などでもよいでしょう。


さあ、並木北駅前(地図のA地点)での測定です。


(ハンディGPSをソニーマーケティング株式会社さんからお借りすることができました)

南に向かってまっすぐにのびる道を進んでいきます。




さあ、並木中央駅の前(B地点)です。GPSとカウンターの表示を見てみましょう。

南北にほぼまっすぐな道なので、経度は変化していません! 緯度の変化は21秒です。並木北から歩いた歩数は860歩(71センチをかけると、約610メートル)。 ということは...

さきほどの計算式を確認)

360度地球1周にすると約38000kmということになります。10分程度歩いただけで、5%の誤差で地球の大きさを測定することができました!
GPSのすごさにびっくりです! エラトステネスが生きていたら何というでしょうね。

みなさんも、自分の足とGPSで地球の大きさをはかってみませんか。





関連ページ

科学館ニュース No.71

カーナビで地球の大きさを測る
カーナビで地球の大きさを測る
An Overview of the Global Positioning System
USNO GPS Timing Operations
GPS CONSTELLATION STATUS

Great Circle Distances

(地球上2地点の緯度・経度を入れると、その間の地表上最短距離を計算)

地名から緯度・経度を探すページ
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わが国最初の実測日本地図をつくりあげた人物

 伊能忠敬(Wikipedia)

 伊能忠敬記念館

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 伊能忠敬の生涯

 伊能忠敬の人生

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 伊能忠敬の地図と史料

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