はまぎんこども宇宙科学館/(財)横浜市青少年育成協会
ホームズ彗星ガイド
2007.12.19更新
2007年10月24日 急激に明るくなったホームズ彗星
10月24日のホームズ彗星(矢印の先)
Credit: Martin McKenna, N. Ireland![]()
10月24日のホームズ彗星(矢印の先)
Source: http://www.pbase.com/bsanden双眼鏡・望遠鏡で拡大すると、まるい形に見えています
天体撮影用超高感度カラーテレビカメラによるホームズ彗星(10月25日)
木星との(見かけの)大きさ比較
月との(見かけの)大きさ比較
- (彗星のコマが広がっていくようすがわかります)
11月9日の測定では、彗星から放出された塵の雲の大きさは、太陽くらいに達していました! (塵の雲は、秒速0.5kmで広がりつつあるということです)
ハッブル・スペース・テレスコープがとらえた11月4日のホームズ彗星(右)
Credit for Hubble Image: NASA, ESA, and H. Weaver (The Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory)
Credit for Ground-based Image: A. Dyer, Alberta, Canada(上の画像)
アマチュア天文家による11月1日のホームズ彗星(画像左)には、 彗星のコマ全体の構造や、右下方向に淡い尾が広がっていることがわかります。 320万kmの長さ(太陽直径の2.3倍)が示されています。
ハッブル・スペース・テレスコープが11月4日に とらえたホームズ彗星の中心部(画像右)には、12000km(ほぼ地球直径)の長さが 示されています。塵の分布がわかりやすいよう画像処理されていますが、画面の垂直方向よりも 水平方向に塵が多く分布していることがわかります。 (資料: 1 2)
- 横浜市内から撮影したホームズ彗星
2007年10月28日のホームズ彗星 (撮影データ)
11月15日のホームズ彗星 (撮影データ)
11月18日のホームズ彗星 (撮影データ)
11月22日のホームズ彗星 (撮影データ)
11月8日まで:肉眼でも、周囲の星とはちがう印象です。シャープな光点ではありません。ぼんやりして見えます。
11月12日: 彗星のコマが大きく広がってきているため、輝きは弱くなっていますが、肉眼でまだよく見えています。もし、見えにくい場合は、視線をわずかに彗星からそらすと、ぼんやりした彗星が見えやすくなるでしょう。双眼鏡では、まるで小さな雲のかけらのようです。
11月15日夜:淡くなっていますが、ぼんやりしたすがたがまだ肉眼でわかります。双眼鏡では、だいぶ大きくなっていることが実感できます。
11月18日:ペルセウス座中央部、比較的明るい 1.8等の ミルファク(Mirfak)のそばに あるせいか、肉眼では存在がよくわかりませんでした。双眼鏡ではよく見えています。
11月20、22日:やはり肉眼では見えず、双眼鏡でもかなり淡くなっている印象です。
- 彗星がそこにあることを知らなければ気づかないかもしれません。
12月2日:肉眼ではまったく見えず、双眼鏡でも本当にぎりぎり存在がわかる程度。
- 暗い空で撮影したホームズ彗星
12月15日のホームズ彗星 (撮影データ)
12月15日:天の川が見えるほど空の暗い場所で、月明かりもなかったため、肉眼でもまだ見えていました。
ホームズ彗星を探してみましょう!
ホームズ彗星写真集(Spaceweather.com)
ホームズ彗星写真集<(AstroArts)
写真集(SkyandTelescope.com)
望遠鏡がとらえたホームズ彗星画像など
吉田誠一の彗星観測日記(2007年)
Comet Holmes Beckons Skygazers Worldwide (ホームズ彗星観測レポート)
1892年11月7日(現地時間6日夜)、イギリス、ロンドンのアマチュア天文家 エドウィン・ホームズさんは、 口径32cm望遠鏡で木星や 二重星の観測をしたあと、 アンドロメダ銀河の観測をしようとしたとき、たまたま近くに見えていた 彗星を偶然発見したのです。
発見当時も、今回同様、肉眼でみえるほどの明るさになっていましたが、 今回ほどではなく、4等級程度までしか明るくならなかったようです。 (資料:1 2)やがて暗くなっていきましたが、1892年11月下旬まで、かろうじて肉眼で見えていたようです。
ところが、翌1893年1月16日頃、再び同彗星が明るさを増し、再度、一時的に肉眼でみえるようになりました。 (資料)彗星が見えている位置の観測から、軌道が計算され、 火星軌道と木星軌道の間を 約7年の周期でまわっていることがわかりました。
推定される直径は約3.4km(資料)
ホームズ彗星の軌道
Credit: NASA/JPL-Caltech
ホームズ彗星は、 2007年5月4〜5日頃、 2.0532天文単位 まで 太陽に近づいていました。地球には、2007年 11月6日頃、 1.6203天文単位 まで接近していますが、このとき 彗星から地球まで光が届くのに13.5分ほどかかっています。
2007年7月、ホームズ彗星の明るさは約14.5等(暗い空で肉眼でやっと見える6等星の、 さらに2500分の1の明るさ)で、その後、さらに暗くなっていく兆しがあったのですが、 10月24日になってから、急激にあかるくなり、25日明け方には、肉眼でも十分見える 2.8等に達しました。(資料)
今後、ホームズ彗星の明るさがどうなっていくのかが注目されます。(明るさ観測データ / 光度変化グラフなど)
肉眼、あるいは双眼鏡でホームズ彗星を探してみましょう彗星らしい尾は見えず、ちょっと見ると、まるで普通の星のように見えるでしょう。
夕方の空、北東のほうに ペルセウス座が見えています。 現在、ホームズ彗星はペルセウス座方向に見えています。 (夕方の空に、ペルセウス座をさがす)星座間のホームズ彗星位置(StarCalcで作図. 彗星の実際の形は図とは異なります)
2007年10月25日の位置
2007年10月30日の位置
2007年11月05日の位置
2007年11月10日の位置
2007年11月15日の位置
2007年11月20日の位置
2007年11月25日の位置
2007年11月30日の位置
夕方、東の、広い範囲の空の図です。右上にぺガススの大四辺形が見えています。このあたりは頭上付近です。 (四辺形の一辺は角度の10度以上あります) 左のほうにカシオペヤ座が見えています。
11月10日以降の図には、右下に、星の集まりである プレアデス星団(すばる)も入っています。上図には、4.5等星まで示してあります。彗星の位置に、なにか星のようなものが見えますか? 双眼鏡や望遠鏡で拡大すると、まるい形に見えるので、周囲の星とはっきり区別できます。(11月8日現在も)
彗星のようすは今後変わっていく可能性があります。
月明かりがまぶしいときは、建物や木、あるいは手などで月明かりをさえぎると見やすくなります。
別の日にも観測して、(上図のように)天体の位置が少し変わっていることも確認してみるとよいでしょう。
この時期、ペルセウス座 は、夕方から明け方まで、一晩中夜空に見えています。
(任意の日付、時刻のペルセウス座の位置を調べる)
発見時の頃のように、暗くなってからも、再び明るくなる可能性もあります。 (資料)
肉眼で見えなくなってからも、ときどき、 ペルセウス座方向に注意を向けてみてください。
ペルセウス座方向のホームズ彗星の動き
2007年7月10日〜2008年3月26日 10日間隔で印がつけてあります。白黒反転版
![]()
ペルセウス座方向のホームズ彗星の動き
2007年11月2日〜12月22日までの拡大図 5日間隔で印がつけてあります。
上図の範囲は、一般的な双眼鏡の視野程度です。 白黒反転版
(以上、StarCalcで作図. 彗星の実際の形は図とは異なります)
観測報告と生中継の記録:「ホームズ彗星を眺めよう!」キャンペーン(国立天文台)
彗星とは
彗星 の本体である「核」は、「 巨大な汚れた雪だるま」といわれるように、 砂粒のような固体物質も多く含まれています。 この固体物質は、砂や石ころの主成分(ケイ酸塩)と同じ物質でできた粒が主です。 (こちらのページの Figure 2 に、 航空機が成層圏で採取した、彗星の塵粒子とみられるものの写真があります。 直接彗星からの塵粒子を採取した例)
彗星の本体は、こうした固体の粒が氷とともに巨大なかたまりになったもの、と考えられています。太陽に近くなるとその熱でガスや塵が放出され、これらが太陽の光で輝いて見えるのです。 ところが、ガスや塵の放出のしかたを予想することは難しく、突然、多くのガスや塵を吹き出して明るくなったり、 それほどしっかりと固まった天体ではないため、 分裂や分解する彗星も珍しくありません。 1975年以降だけでも20個をこえる彗星について分裂が観測され、 ほとんどの場合で、分裂にともなって明るさがかなり増しています。分裂によって、核内部から新鮮な氷や塵が放出され、それらが 太陽光にさらされるために明るくなるのです。
今回のホームズ彗星で、分裂が起こったのかどうかわかりませんが、大量の塵が急激に放出され、そうした塵が太陽の光で輝き、明るく見えているようです。 (資料: 1 2 / 分解したリニア彗星 / 分裂したシューメーカー・レビー第9彗星 (最終的に木星に衝突)の例)
関連ページ肉眼光度にまで大増光したホームズ彗星(国立天文台)
ホームズ彗星(17P/Holmes)の大増光(国立天文台)
ホームズ彗星が急増光(厚木市子ども科学館)
Comet Holmes Undergoes Huge Outburst
Bright Comet Holmes Continues to Amaze in the Evening Sky
Obscure Comet Brightens Suddenly
(今後の詳しい観測で、真相が明らかになってくるかもしれません)
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