1985年10月28日の部分月食 地球の影に入っていく月。地球に大気があるため、影の縁がぼやけています。(渡辺秀夫 撮影)
1985年10月28日の部分月食 月が地球の影の中を移動していきます。地球の影の大きさは月の約2.6倍です。(渡辺秀夫 撮影)
1978年3月24日〜25日の皆既月食 地球の影にすっぽりと入った月。地球大気を通り屈折した太陽光が月を赤く照らしています。(山田陽志郎 撮影)
今年は、中秋の名月(旧暦8月15日の月)9月16日の翌日、9月17日未明、(1993年6月4日から)4年3カ月ぶりに皆既月食が日本全国で見られます。これを見逃すと、次回見られる皆既月食は、2年10カ月後の2000年7月16日になります。
(部分月食ならば1999年7月28日にも見られます)
肉眼でも楽しめますが、双眼鏡があるといっそう印象的でしょう。まず、南西の方角に見えている満月を見ていましょう。 時間の経過とともに、西の地平線に向かって、ゆっくりと月が移動していきます。 欠けはじめ 02時08分 (月の上から欠けていきます) 皆既のはじめ 03時15分 食の最大 03時47分 皆既のおわり 04時18分 (関東では04時頃には薄明がはじまります) 食のおわり 05時25分 (関東ではこのころ日の出となります)各地の日の出時刻については こちら、あるいはこちらをごらんください。
今回の月食動画(QuickTime 1.02MB; 縮小版(486KB); 東京01時09分〜06時19分まで10分間隔)
実際には、半影はほどんど気がつきません。また、本影も縁がぼやけています。
月から見た今回の月食
月食は、「月から見た日食」です。今回の月食を月から見た様子(QuickTime動画 1.28MB; 縮小版(398KB))(動画は RedShiftで作成)
半影(はんえい)のところには、太陽の一部の光がとどいています。
本影(ほんえい)のところには、太陽の光がとどいていません。
日食は一部の地域からしか見えませんが、月食はその時月が空に見えている 場所(地球上の半分)からならどこからでもほとんど同じ様子にながめられます。(空が暗くて晴れていれば)日食の観察から、月よりも太陽の方が遠方にあることが証明されます。
ギリシャのピタゴラス(紀元前580年頃〜500頃)は、月食時に月に映る 地球の影が円いことから、地球の形が球であるを考えていました。普通は、太陽-月-地球(日食)、あるいは太陽-地球-月(月食)がほぼ一直線上に並ぶことはない ため、日食や月食は起こらないのですが、かなり正確に並ぶと日食や月食が起こるのです。 (下図参照。地球の軌道面に対し、月の軌道面が傾いていることに注目)
地球をまわる月の軌道が少し(約5度)傾いているため、 太陽・地球・月の3天体がほぼ一直線上に並ぶことは、そう頻繁にはありません。
日食や月食が起こる条件について、もう少しくわしく考えてみましょう。
地球上から見ていると、太陽は1年かかって星空を背景に一周しているように見えます。この、見かけの太陽の通り道を「黄道」(こうどう)とよんでいます。同じように、月もおよそ1カ月で、星空を背景に一周しているように見えます。月の通り道は「白道」(はくどう)とよんでいます。
黄道と白道はわずかにずれているため、黄道と白道が交わる点(2カ所)近くに月と太陽がこないと日食は起こりません。
黄道と白道の交点から約17゜以内で新月になると、すくなくとも 部分日食が地球上のどこかで見られます。 一方、交点から約11゜以内で満月になると、少なくとも部分月食が 起こります。(通常、月が半影の中しか通らない場合は、「月食」とはいいません)
太陽・月・地球の並んだ図から、月食より日食のほうが頻繁に起きることが直感的に理解できます。(Aの部分(日食になる)の方がBの部分(月食になる)より、長いですね)
日食は年間2〜5回起こり、月食は0〜3回起こっています。 (半影月食はのぞきます)
半影月食を含めると月食は年に2〜5回起こっています。
1982年のように3回とも皆既月食になる場合もまれにあります。
皆既日食は年に0〜2回起こっています。
(資料: 「暦の科学」山崎昭・久保良雄 講談社ブルーバックス 1984年 / Jean Meeus, "Mathematical Astronomy Morsels" Willmann-Bell,Inc., 1992 / Jean Meeus, "More Mathematical Astronomy Morsels" Willmann-Bell,Inc., 2002)関連ページ: 日月食の周期性について サロス周期 /日食・月食はなぜ起こるのですか?
2011年〜2020年に起こる日食と 2011年〜2020年に起こる月食の回数を数えてみましょう。
月食の表の、Type のところに Penumbral とあるものは半影月食なのでこれは除いて数えます。この表の時刻は世界時(9時間たすと日本時)です。
★ この図をヒントに、かんたんな日食・月食の予報を試みてみましょう。
(1) 1997年3月9日に日食(皆既日食)がありました。 この年、もう1度日食(部分日食)がありますが、それは何月でしょう。
(2) 2000年は7月16日に皆既月食があります。 同じ7月、2度部分日食があります。何日でしょう。
(3)2001年には2回の月食が起きます。(半影食を除く) 1回目は 1月10日です。2回目は何月でしょうか。
皆既中の月の色
地球大気によって、光の青い成分が散乱され、赤い光の成分がのこる
Credit: Tony Phillips月食の図を見ると、地球の縁すれすれを通過した太陽光が、地球の大気で屈折して、地球の影の中にはいりこむことがわかります。この光は、地球大気を長く通ってきた光であるため、大気中の分子や微細な塵で光の青い成分が散らされてしまい、赤くなっているのです。こうして、皆既中の月は真っ暗ではなく、すこし赤く見えます。
地球の影の中心近くを通るほど、暗く見えます。また、地球大気の透明度によっても色や暗さが微妙に違います。
半影に月が入っても、ほとんど暗くなった感じがしません。このため、半影に月が入るときを月食として扱わない場合もあります。ただ、半影月食で最も欠けた頃なら、なれたひとなら、明るさの変化がわかるかもしれません。写真で記録をとればよくわかります。
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