はまぎんこども宇宙科学館/(財)横浜市青少年育成協会
新衛星の発見!
カッシーニ探査機による土星探査
打ち上げから7年、およそ35億kmにおよぶ飛行を経て、土星探査機「カッシーニ」が土星に到着! (現在位置)
土星をまわる軌道に入る 2004年 7月1日 土星探査機「カッシーニ」 が10時12分から96分間メインエンジンをふかすことにより、11時48分 (信号受信時刻では13時12分)、 土星をまわる軌道にはいります。このとき、電波や光が土星から地球に届くのに1時間24分かかっています。
09時47分、土星のリングのうち、FリングとGリングの間のすきまを 南側から北側へまず通過します。その後まもなく 10時12分から96分間メインエンジンをふかすことにより、11時48分(信号受信時刻では13時12分)に、 土星をまわる軌道にはいるわけです。
エンジンを止める少し前の11時39分頃には、カッシーニの 土星探査でもっとも土星に接近することになります。その距離は土星の中心から約8万km、 土星の雲の上約2万km、土星の直径の1/6程度しかありません。
13時34分には、リング面を今度は北側から南側へ通過します。 メインエンジンによるブレーキは、リング北側にいる間に行われるわけです。 リング粒子が衝突して機体を損傷する危険もあるため、リング面通過時には、 直径4mの高利得アンテナを進行方向に向け、盾代わりにします。
衛星フェーベには、すでに土星接近前の2004年6月12日04時33分に 約2千kmまで接近しました。
カッシーニ探査機は予定通り、土星をまわる軌道に入りました
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Credit: NASA/JPL
左から:土星周回軌道初期・ほぼリング面方向から見た周回軌道への投入・リング面上から見た周回軌道への投入
土星周回軌道への投入アニメーション / カッシーニ探査機の今後の軌道を追跡
2008年6月末までに予定される飛行計画中、土星を74周まわり、 土星の複数の衛星に接近します。
土星到着以降の探査日程
2008年4月15日発表のニュース によりますと、探査計画はさらに2年間延長になりました。それまでに、土星を62周まわり、その間に14万近い画像を含む データを送信し、チタン(タイタン)に 43回の接近、他の衛星にも12回の接近を行いました。
燃料も十分残っており(2年後でもさらに延長可能なほど)、10種の観測機器のうち、 3つに多少の問題が発生しているものの、探査上の大きな支障は出ていません。
延長された2年間に、土星を60回まわり、その間、複数の衛星への接近も続行します。
チタン(タイタン)には26回、 エンケラドゥスには 7回、そして ディオーネ、 レア、 ヘレーネには各1回接近。
チタン(タイタン)には、 (地球とはことなり水ではなくメタンやエタンの) 湖、川、雨、雲や、山や砂丘など(もしかすると火山も)が存在するらしいことがしだいに明らかになってきました。リングや磁気圏、土星本体についても探査が続けられます。
エンケラドゥスについては、 南極地域の地表から氷の粒子が噴きだしている現象が 観測されました。地下には液体の水があるらしいのです。 こうした発見が、延長された探査計画の内容に反映しています。
カッシーニ土星到着のプレスキット / 土星到着時時刻表 / カッシーニ探査機の土星探査予定 / カッシーニ探査機の衛星接近表
Credit: ESA-D. DUCROS
Credit: Steven Hobbs (Brisbane, Queensland, Australia)
カッシーニ探査機は高さ6.8m、高利得アンテナの直径4mで、本体の軌道周回機が2125kg+燃料3267kg。切り放さ れるハイヘンス探査機が直径2.7m、320kgあり、打ち上げ時には合計で5712kgもあります。 30人乗りの(空の)スクールバス程度の大 きさ・重さになるわけです。
ハイヘンス探査機を本体から分離
2004年12月17日13時53分 (地球での信号受信時刻) 、カッシーニ探査機は衛星チタン(タイタン)に衝突するコースにのります。こうして、 12月25日11時00分 (地球での信号受信時刻では12時08分)カッシーニ探査機本体からハイヘンス(ホイヘンス)探査機が 切り離なされました。 12時24分に、切り離しの確認が取れました。 実際に土星周辺で起こっている時刻は、2004年12月〜2005年1月では、信号が地球に到達する68分ほど前になります。切り離しから約12時間後に、カッシーニ探査機から撮影されたハイヘンス探査機
(明るい点がそれです)
1分間に7回という回転をしながら、秒速約35cmで本体から離れていくハイヘンス探査機は、 2005年1月14日 18時06分頃 (地球での信号受信時刻では19時13分)頃、衛星チタンの大気圏に突入します。 65度という急な突入角度と、秒速約6kmという猛スピードで、チタンの南半球昼の部分上空に突入します。 その5分後には、ハイヘンス探査機からカッシーニ探査機へのデータ送信が始まります。 (降下中の観測説明アニメーション)
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ハイヘンス探査機のチタン着陸(想像図) Credit: NASA/JPL/Caltech
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ハイヘンス探査機の分離からチタン着陸までのCGアニメーション Credit: NASA/JPL/Caltech (左 22MB 右 14MB)
カッシーニ探査機本体は、12月28日12時00分 (地球での信号受信時刻では13時07分) に軌道修正をしてチタンに衝突するコースからはずされ、 ハイヘンス探査機からのデータ受信の準備などを行います。
2時間15分ほどかけて パラシュート降下しながら、大気の観測などを行います。 (観測装置)
大気のサンプルを取り込んで成分を分析したり、温度、圧力、風力、電磁場などを測定します。電磁場の測定や、搭載されたマイクロフォンからの音採取で 雷の発生がわかるかもしれません。チタンでどんな音が聞こえるのでしょうか。着地直前には、照明によって地上が照らし出されるはずです。カメラはどのような画像をとらえるでしょうか。
カッシーニ探査機には 12種類の観測機器が搭載され, ハイヘンス探査機には 6種類の観測機器が搭載されています。
3台のカメラによって、着地まで700枚ほどの撮影が行われるでしょう。
着陸機として設計されているわけではないため、20時24分 (信号受信時刻21時31分)±15分に予定されている 着地(着水という可能性もあり. その場合、浮かぶ設計になっています)後も機能しているかどうかわかりませんが、 秒速約6mでの着地後、 もしまだ機能していれば、チタンの地平線下にカッシーニが没する 22時37分(信号受信時刻23時44分) までの約130分間、 まで(その後、ハイヘンス探査機はカッシーニ探査機と通信が できなくなります)、さらなるデータが期待できます。バッテリーも着地後30分以上はもつはずです。 機体の底に取り付けられた装置で、着陸地点の物質がどのようなものかが調べられるでしょう。
土星は、地球に比べ、太陽から約9.5倍遠いため、到達する太陽光の強さはおよそ100分の1になります。 さらにチタンでは、太陽光は分厚い大気に遮られているため、 地上に届く太陽光はオレンジ色がかった光だけです。 チタンでは、昼間の地上でも、「地球上で太陽が照っている昼間のおよそ1000分の1の明るさ」 しかありません。いいかえると、「地球上の満月の夜よりおよそ1000倍明るい状態」です。 (資料:1 2 3 4 )
ハイヘンス探査機からのデータ受信のために、16時02分頃 (信号受信時刻では17時09分頃)から ハイヘンス探査機のほうにアンテナを向けていた カッシーニ探査機は、20時12分 (信号受信時刻では21時19分)には チタン上空約6万kmのところを通過します。22時47分 (信号受信時刻23時54分)、アンテナを地球に向けなおし、 蓄積された画像や音声、その他の観測データを地球に送信します。
ハイヘンス探査機からの電波を(カッシーニ経由でなく)直接地上で受信する試みも行われます。 この頃、土星から地球まで電波や光のスピードで67分ほどかかるのですが、もし直接受信が成功すれば、その信号は早ければ 19時30分頃受かるでしょう。
ハイヘンス探査機からの送信される最初の画像は、1月15日朝には見られるでしょう。
ESA(ヨーロッパ宇宙機関)飛行管制センターのいまのようす (ドイツ・ダルムシュタット)
ESA TV からのハイライトページ
インターネットで見るNASA TV
Credit: ESA/AAW Darmstadt
ハイヘンス探査機の実物大模型。セロハン製立体メガネでごらんください。立体的に見えます。1995年のパラシュート落下試験に使われたこの模型は、ドイツ中部ダルムシュタットにある ESA(ヨーロッパ宇宙機関)飛行管制センターに 最近展示されました。
資料:1 2 3 4 5 6 7 8 9
ハイヘンス探査機に関するプレスキット(2.5MB)
カッシーニにとりつけられたハイヘンス / チタンの基本データ / チタンの概要
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Credit: NASA/JPL/Caltech
土星の衛星とリングの構造土星到着時、リング構造図の Cassini SOI Crossings と示したすきまを通過しました。
Credit: NASA/JPL/Space Science Institute
カッシーニ探査機が2004年12月12日に、約180万kmの距離から撮影した土星のリング
Huygens ハイヘンス の発音について
カッシーニ探査機による土星探査スクリーンセイバー / 壁紙
画像・情報リンク
降下中のハイヘンス探査機が撮影したた衛星「チタン」
水流でできたような地形が見えます。ハイヘンス探査機から撮影された衛星「チタン」の表面
Credit: ESA/NASA/JPL/University of Arizona
- 氷のかたまりと見られる物体が表面にちらばっています。
- 探査機から約85cmのところにある、写真中央左のかたまりは長さ15cm、
- 中央のかたまりは長さ4cm
- 2005年1月14日20時27分頃(信号受信時刻21時34分頃)固い表面に
- 着陸したもよう。
- 時速16.3kmで表面にあたり、その瞬間の衝撃は重力加速度の15倍に
- 達したということです。
- 底面につけられた測定装置 によると、かための薄い層の下に、「湿った砂」か
- 「粘土」のようなやわらかさの層が広がっていた、ということです。
- クレームブリュレというお菓子に似ているかも しれません。
- ハイヘンス探査機の測定では、着陸地点の温度はマイナス180度C、
- 気圧は地球表面の1.47倍で安定していたということです。 (資料:1 2)
- マイナス180度Cという環境に置かれた ハイヘンス探査機からの電波が、
- 着陸2時間後も地上の電波望遠鏡でもキャッチされていました。
- (22時37分、チタンの地平線下にカッシーニが没しました(信号受信時刻23時44分))
- アメリカ、オーストラリア、中国、日本などにある17の電波望遠鏡が
- ハイヘンス探査機からの電波を追跡し、 干渉法や ドップラー効果を利用して、
- ハイヘンス探査機の降下経路を1kmの正確さで求めようという 計画です。
- こうして測定されたチタンでの風の向きは、ほとんどすべての高度において、
- 自転と同じ「西から東向き」でした。
- 最大風速が記録されたのは、高度約120kmで、およそ秒速120m
- でした。
- 地上での風は弱く、高度が上がるにつれ(約60kmまでは)次第に風も
- 強くなる傾向でした。 (資料)
- コンピューターへの指示ミスで画像の半数が受信できなくなりましたが、
- それでも、350枚の画像を含む観測データが取得されました。
- (資料:1 2 3 4 5 6 7 8 9 )
着陸地点のデータと画像にもとづく着陸地の想像図 Credit: ESA
- 着陸地点周囲画像の動画版はこちら
観測画像に基づくチタンへの降下画像動画版はこちら
チタンからの画像(スライドショー)
チタンからの音
- ハイヘンス探査機がチタン大気を降下中に録音した音(短く編集されたもの)
- チタン上空数kmの高さから、地上からのレーダー反射を音声に変換したもの
- (しだいに地面が近づいてくるのがわかります / 「チタンの音」間連ページ)
Credit: NASA/JPL/University of Arizona
2004年10月27日、カッシーニ探査機が、 チタン上空約1200kmまで接近した際、 赤外線で観測した複数の画像を組み合わせたものです。
左寄りにハイヘンス探査機着陸地点が示されています。
右寄りには、30kmほどの大きさのまるい地形があります。 これは「氷の火山」ではないかと見られています。 その中心部にはカルデラのようなくぼんだ地形や、噴出物によって できたような地形もそばに見られます。
内部の熱(熱の発生源は不明)により、温められた氷が上昇し、こうした 火山ができたのでしょう。ほとんどが窒素(ちっそ)からなるチタン大気中に 2〜3%ほど含まれるメタンは、こうした火山から、液体メタンや氷のメタン がまじったものとして、ふきだしたものかもしれません。 Credit: NASA/JPL/University of Arizona
この画像も、2004年10月のチタン接近時に赤外線観測で 得られた画像を組み合わせたものです。赤い色で示されている のは大気の部分です。緑・青で示された地表部分など、 肉眼で見る波長域では見えないものです。 挿入されている「氷の火山」と見られる地形の画像は最接近頃に 得られたものです。
カッシーニの土星探査計画中、45回のチタン接近が予定されていますが、 2005年8月下旬の接近など、レーダー観測から、さらなる情報がもたらされるでしょう。 (資料:1 2 3) Credit: NASA/JPL/Space Science Institute
この画像は、2005年6月6日に、45万kmの距離から 赤外線観測で得られたチタンの南極地方の画像です。 中央付近に暗く写っている「足跡」のようなものは、 もしかすると液体の炭化水素からなる湖かもしれません。 (あるいはその痕跡) その大きさは、234km x 73km もあります。 (比較: 神奈川県 東西約75km) この地域には、雲が頻繁に観測されていることもあり、また、 湖岸のような部分も、波に洗われたかのように滑らかに見えます。 チタン上の低温では、メタンの雨がたまれば、なかなか蒸発しない のです。
今後の観測で、液体からのものと見られる反射をとらえることが できれば、液体の存在がかなり強まるでしょう。
(資料:1 2 3) Credit: NASA/JPL
この画像(次の2つも)は、2005年9月7日のチタンへの接近の際に、 レーダーで得られたチタンの南半球の画像です。 左側に明るく写っている領域は、液体の流れた跡や湾のような 地形のある高地と見られます。 明るい領域と暗い領域との境は、海岸線のように見えます。 この画像で写っているのは、南緯66度西経356度付近で、 縦175km、横330kmの範囲が写っています。 Credit: NASA/JPL
2005年9月7日のチタンへの接近の際に、レーダーで得られたチタンの画像です。 チタンからの距離は約2000km。南緯55度西経7.5度付近の地形で、 左右の範囲は300km以上あります。
液体の流れた跡の幅はおよそ1km。その深さは200mほど ではないかと見られています。 なかには、200kmもの長さのものもあります。
Credit: NASA/JPL
2005年9月7日のチタンへの接近の際に、レーダーで得られたチタンの画像です。 チタンからの距離は約2000km。南緯48度西経14度付近の地形で、 左右の範囲は240kmほどあります。
この画像のしたのほうには、液体の流れた跡と見られる地形が 放射状になっているようすがわかります。
4年間の土星探査計画中、チタンへの接近観測は 45回予定されており、 今回は7回目にあたります。次回のチタン接近は2005年10月28日頃です。
(資料)
Raw images from the Huygens probe descent on 14 January 2005IMAGES AND MULTIMEDIA: Huygens Probe Descent - Jan. 14, 2005
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Cassini-Huygens Home Page: ESAページ / JPLページ
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