はまぎんこども宇宙科学館/(財)横浜市青少年育成協会
「金星の太陽面通過」情報とリンク集
2004年6月8日14時11分から、金星が太陽面を横切る現象が日本全国から観測できるはずでしたが、 全国的にお天気が悪かったようです。横浜ではなんとか観測に成功しました。 (今回の画像記録)日本では130年ぶり、世界的にも122年ぶりという珍しい現象です。いま、 世界に生きている人々が生まれて初めて観測することになる 「金星の太陽面通過」。次回は8年後の2012年6月6日ですが、そのあとは2117年12月11日まで起こりません
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「金星の太陽面通過」について
Source: http://www.vt-2004.org/ 金星は地球の内側を まわっている惑星です。 地球に対する金星の位置によって、満ち欠けをして見えます。 (金星のデータ)
金星の軌道は、地球の軌道に対し、3.4度ほど傾いています。そのため、地球と太陽の間に金星がきても、 たいていは太陽の上か下を金星が通っていき、「太陽面通過」が起こりません。金星と地球の軌道の面が交わっている 方向で、金星と地球が並ぶことがあれば、「金星の太陽面通過」が起こります。
(金星と地球の軌道運動 Run/Stopボタンで動かしてみましょう)
金星と地球の軌道
Source: http://www.imcce.fr/vt2004/en/present_eng.html
金星と地球の軌道の面が交わっている方向に、地球が来るのは、 6月上旬頃と12月上旬頃なので、「金星の太陽面通過」はその時期に起こっています。ところが、「金星の太陽面通過」が起きる日時の リストを見ますと、 昔は5月や11月など、1ヶ月も早く起こっていたことがわかりますし、 もっと長期にわたるリストを見ても、「金星の太陽面通過」が起きる日付が、未来に向かって遅くなっていく傾向がわかります。
これは、日常使っている暦の1年では、太陽を正確に1周するのに少し足らないこと(したがって、1周ちょっと前から新年が始まる)、 そして、他の惑星の重力の影響で、地球の軌道に対する金星の軌道の向きも次第に変わっていくこと、のためです。 結果として、およそ1世紀で1日程度日付が遅くなっていくようになります。 (注意:改暦(ユリウス暦からグレゴリオ暦へ)時には 10日分が省かれています)
アメリカ海軍天文台図書館所蔵の1882年金星太陽面通過の写真と それらを動画にしたもの
一度「金星の太陽面通過」が起こってから、何年するとまたこの現象が起こるのでしょうか?「金星と地球が並ぶようになる周期(金星と地球の会合周期といいます)」は583.92日(約1.6年)です。 つまり、583.92日ごとに、地球と太陽の間に金星がきます。 (地球と太陽の間に金星がくるときを計算) これを5回くりかえすと、8年ちょうどにちかい! (地球は、365.256日で軌道を1周) 金星と地球の軌道の面が交わっているところにほぼもどってくる、ということになります。 一度「金星の太陽面通過」が起こって、8年たつとまた「金星の太陽面通過」が起こる可能性があるわけです。 (実際、次回の「金星の太陽面通過」は8年後2012年6月6日に起こり、 日本から全経過が見られます)
前回起こった軌道上の位置に、正確にもどるわけではありませんので、 太陽面を通過する経路はずれていきます。 さらに8年後になると、 ずれがたまるので、もう「金星の太陽面通過」は起こりません。8年間隔で起きることがあるのは連続2回のペアまでです。
また、たまたま太陽の中央寄りを通過した場合には、8年すると通過コースが太陽面の外に出てしまい、 「金星の太陽面通過」が起こらなくなります。 金星の太陽面通過のリストを見ますと、 例えば、416年、659年、902年、1145年、1388年なども、太陽面の外を金星が通過してしまい、 8年間隔のペアがありません。
太陽の中央付近を通過する例として、 424年11月23日(5.7MB動画)、 3818年12月25日(6.4MB動画 クリスマスですね)、 5900年7月11日(6.3MB動画)などがあります。このような場合、金星の通過に8時間ほどかかります。 いっぽう、太陽面をかすめるような場合もあります。 2854年12月14日(2.3MB動画)は南極で見たようすですが、金星が太陽面をかすめていきます。 (いずれも REDSHIFT4 による作図)
金星と地球の会合周期、583.92日が66回くりかえすと、105年半に近くなります。 つまり、地球が105周半して、金星と地球の軌道の面が交わっているところ(太陽をはさんで両方向にあります)の反対側に ほぼきます。再び、「金星の太陽面通過」が起こる可能性があります。実際、次回2012年6月6日の105年半後、 2117年12月11日に、次の「金星の太陽面通過」が起こります。583.92日の71回分がほぼ113年半になりますし、 さらに、583.92日の76回分がほぼ121年半になります。 また、583.92日の152回(5+66+5+76回)分がほぼ243年となりますから、243年の周期性もあります。
水星も 太陽面通過を起こします。金星よりも太陽の近くをはやく動いているため、 水星の太陽面通過の頻度は多くなります。金星の太陽面通過が、243年に約4回であるのにたいし、水星の太陽面通過は100年で 13〜14回も起こります。 (資料: 1 2 3 4 5 6 )
「金星の太陽面通過」 日付 前回からの間隔 1631年12月 7日 観測可能地域など 1639年12月 4日 8年 観測可能地域など 1761年 6月 6日 121.5年 観測可能地域など 1769年 6月 3日 8年 観測可能地域など 1874年12月 9日 105.5年 観測可能地域など 1882年12月 6日 8年 観測可能地域など 2004年 6月 8日 121.5年 (1761年 6月6日から243年目)観測可能地域など 2012年 6月 6日 8年 観測可能地域など 2117年12月11日 105.5年 観測可能地域など 2125年12月 8日 8年 観測可能地域など ★1631年12月7日〜2984年6月14日まで、金星の太陽面通過の起こる間隔は 8年、121.5年、8年、105.5年 のパターンで繰り返されています。 554年〜1396年などには113.5年周期もあらわれています。 −426年(紀元前427年のこと)〜424年や、3818〜 5171年などには、 8年間隔のペアがありません。 現在の期間は、人によっては生涯に2度も金星の太陽面通過が観測できる幸運な時期といえるでしょう。 (日付は世界時=日本時-9時間 による。資料:1 2)
2004年6月8日の「金星の太陽面通過」
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Courtesy of Fred Espenak, NASA/Goddard Space Flight Center2004年6月8日に金星が太陽面を通過していくようす(左。図中の時刻は世界時なので、9時間を足すと日本時になります) 日本全国で14時11分頃に金星が太陽面に入り始めます。すっかり入るのが14時30〜31分くらい。太陽像の中心にもっとも 近づくのが約17時14分です。およそ6時間かけて金星が太陽面を通過し、 20時19分頃に太陽の縁から完全に出るのですが、 日本では、太陽面通過中の金星が再び太陽面のふちに達する前に日没を迎えます。金星像の直径は、太陽像の直径の約30分の1です。 (各地の日の出入り時刻 / 日没直前の状況 REDSHIFT4で作図。金星は誇張してあります)
各地での正確な予報時刻(時刻は世界時です)
上の右の地図では、今回の「金星の太陽面通過」を観測できる地域が色分けされています。黄色が太陽面通過の全経過を観測できる地域。 日本などを含む淡い青の部分では、太陽面通過中に日没を迎えます。 大西洋を含む淡い青の部分では、日の出時すでに太陽面通過中になっています。濃い青の地域からはまったく観測できません。
金星像が太陽面に入りかかる瞬間を 第1接触(Contact I )、 金星像が太陽面にすっかり入りきった瞬間を 第2接触(Contact II)、 金星像が太陽面から出かかる瞬間を 第3接触(Contact III) 、 金星像が太陽面からすっかり出た瞬間を 第4接触(Contact IV)といいます。(上の左の図にそれぞれ I, II, III, IV と記入されています)
2004年6月8日の「金星の太陽面通過」のシミュレーション画像(8MB 動画)
この動画では、常時画面下方向に地平線があり、周囲が緑になった段階で日没です。(REDSHIFTで作画)
当日16時18分頃に北海道、17時53分頃に西日本の、それぞれかなり狭い範囲の地域から、金星通過中の太陽面を、国際宇宙ステーションが通過する ようすも観測できそうです。「国際宇宙ステーションの影が通過する場所」の 概略地図が こちらにもあります。
国際宇宙ステーションの太陽面中央通過が観測できる地点の緯度・経度とその地点の地図、その地点を中心とした観測可能地域の幅などは、こちら( 北海道 / 西日本)。
このとき、小さなシルエットとなった国際宇宙ステーションが、1〜2秒ほどで太陽面を横切っていくでしょう。
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Source: http://nicmosis.as.arizona.edu:8000/ECLIPSE_WEB/TRANSIT_04/TRANSIT_2004.html
上:2004年6月8日の「金星の太陽面通過」のシミュレーション画像(0.6MB 動画)
下:2004年6月8日の「太陽上で見た金星による地球食」のシミュレーション画像(14MB 動画)
2004年6月8日の「金星の太陽面通過」を、もし太陽面上で(望遠鏡を使って)見ると、2番目のような光景が見られるはずです。
太陽・金星・地球と並んだときの 縮尺模型の例太陽の直径を10cmとすると、太陽から7.8m離れたところに直径0.8mmの金星があり、その金星からさらに 3m(太陽からは10.7m)離れて0.9mmの地球があることになります。
「金星の太陽面通過」の観察のしかた
太陽を直接見てはいけません! まぶしく感じなくても、目には見えない赤外線によって目を痛めてしまうことがあり、下敷きその他目的外のものを フィルターに使うことはたいへん危険です。見ているときに痛みを感じなくとも網膜を痛めていることがあります。 メーカーが品質を保証している「日食メガネ」(取り扱い説明書をよく読んで使ってください)を使うか、次のような方法で 望遠鏡や双眼鏡からの太陽像を白い紙などに投影して観察するとよいでしょう。(強烈な太陽光の熱で レンズの接着材やファインダーの十字線が破損してしまうなど、望遠鏡や双眼鏡の一部をいためてしまうことがあります。 投影法の場合も、取り扱い説明書やメーカーの指示にしたがって危険のないようにしてください)
投影法で観察しているときには、誰かが望遠鏡や双眼鏡をのぞきこまないよう十分注意してください
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科学館の天文教室で 製作する小型望遠鏡でも、投影法で太陽黒点が観察できました。
双眼鏡でも大きな黒点がわかります。
投影法で、望遠鏡を太陽に向けるときは、望遠鏡の影をみます。 望遠鏡の影が最も小さくなるように望遠鏡の向きを調整すれば、太陽光が望遠鏡に入ってきます。
2003年5月7日の「水星の太陽面通過」では、 水星は太陽面直径の150分の1程度でしたが、金星の太陽面通過では、 金星は太陽面直径の30分の1程度になります。太陽面通過中の金星は、 丸く真っ黒なシルエットになるので、黒点とまぎらわしいことはありません。
はまぎんこども宇宙科学館やお近くの科学館などの 「金星の太陽面通過」観望会の予定は、 こちらで調べられます。
(関連資料:部分日食の安全な観察のしかた)
「金星の太陽面通過」観測の歴史から
ドイツの天文学者、 ヨハネス・ケプラー(1571-1630)は、 自分自身の 「ルドルフ星表」(1627年)に基づき、 1629年に、1629〜1636年の惑星位置を計算していました。ここで 彼は、 1631年12月(彼が死んだ年の翌年)の「金星の太陽面通過」を予測して いましたが、その次に起こる「金星の太陽面通過」は1761年と計算していました。 また、「金星の太陽面通過」はおおよそ120年の周期で起こることを見出していました。 (資料: 1 2)ケプラーはまた、 水星の太陽面通過が 1631年11月7日に起こることも予報しました。 フランスの ピエール・ガッサンディ (1592-1655)がこの予報にもとづき、惑星の太陽面通過という現象をはじめて観測しました。ケプラーの予報に対して5時間ほどの違いしか ありませんでした。
ほかにも、この水星の太陽面通過を 3人が観測していましたが、 詳しい記録を残していたのはガッサンディでした。 (資料: 1 2 3)
ケプラーは同年 1631年の12月7日に、金星も太陽面通過すると予報していたので、 ガッサンディはその観測も試みましたが、 残念ながら、 パリからは観測できない通過でした。
ジェレマイア・ホロックス(1618-1641)は、 イギリス、ランカシャー州、 リヴァプール近くにある、トクステス・パークの貧しい家庭の生まれで、 母親はメリー・アスピンウォール、父親のジェームズ・ホロックスは時計職員であったようです。(かつて信じられていた農夫のウィリアム・ホロックスは別人らしい。 David Sellers, "The Transit of Venus" ほか 資料)
貧乏であった彼は、1632年、給費生として、 ケンブリッジ大学の エマヌエル・カレッジに入学します。入学許可が (当時のイギリスで使われていた ユリウス暦では)1632年7月5日のことですから、入学規則によって 彼はこのとき14歳のはずで、このことから逆算すると、生まれは1618年1月〜7月ということになります。 (資料)
そこでの講義は今日の大学とは大違いで、ほとんどが美術、神学、ラテン語でした。幾何学や天文学も美術コースの なかで学ばれている程度で、 当時としては新しいティコ・ブラーエ(1546-1601)や ヨハネス・ケプラー(1571-1630) の天文学などは講義内容にまったく含まれていなかったのです。
ホロックスは、大学の図書館に通い、独学でそうした天文学を学ぶようになりました。(14〜15歳のころです!)
1635年(17歳頃)、ホロックスは、学費が払えなくなったためでしょうか、卒業しないまま大学を去り、トクステスにもどります。
ケプラーの惑星運動理論で使われていた軌道データを改良し、その結果を観測により確かめるように しました。こうして、彼はより正確な天体位置計算ができるようになったのです。 20歳にして彼は、月の軌道が、地球を焦点のひとつとする楕円であることを見破っていました。
ランカシャー州、 プレストン近郊に ある、フールという村の教会の 牧師補となった ホロックスが、 1639年秋にたどりついた結論は、 「金星の太陽面通過」は、ケプラーの発見したおよそ120年周期内に 2度起こること、その2度は8年間隔で起こることでした。 そしてホロックスは (当時のイギリスで使われていた ユリウス暦で) 1639年11月5日に、友人のクラブトリーに宛てた手紙でこう書いています。
『いま手紙を書いているのは、11月24日、太陽と金星とが、驚くべき会合を起こすことを 伝えるためです。そのとき、金星は太陽面を横切ります。過去長年起こらなかったことですし、 今世紀中はもう2度と起こらないでしょう』
と述べ、金星の大きさなどの観測をしてくれるようたのんでいます。こうしてホロックスは、 みずからの計算により、1639年12月4日(当時のイギリスで使われていた ユリウス暦では11月24日)に 金星が太陽面を通過することを知りました。現地時間午後3時57分から太陽面通過になる計算でしたが、 念のため、日の出から9時まで、10時から正午まで観測しましたが、空はくもりがちで、 ときおり太陽がのぞくときもありましたが、黒点以外には何も見えませんでした。
日曜ということもあり仕事のため観測を中断 しなければなりませんでした。午後3時すぎに教会の仕事から解放された ホロックスは午後3時15分、急いで観測を再開。おしくも金星が太陽面に入っていくところはみそこなったものの、 ちょうど太陽面に入った金星が見えていたのです! 冬の早い日没までの35分間、ホロックスは 自宅で観測することができました。 (ホロックスが雇われていた教会と彼が観測を行った家の写真. 玄関の上に見える2階の窓から観測したようです)
1639年12月4日のイギリス、マンチェスターで見た「金星の太陽面通過」のシミュレーション画像(3MB 動画)
この動画では、常時画面下方向に地平線があり、周囲が緑になった段階で日没です。(REDSHIFTで作画)
ホロックスは、日没までに、太陽面を移動する金星の位置を 3度測定しています。金星像の大きさを 角度の76秒と見積もりました。 この大きさから、 計算によって、 太陽(の中心)から見た場合の金星の大きさを28秒と求めたホロックスは、太陽から地球を見た場合も、同じ28秒に 見えるだろうと仮定してみました。(ちょっと乱暴な仮定ですが、太陽から見たら金星と地球が同じ大きさに見える、と仮定したわけです) すると、 三角法の 計算から、地球と太陽の間の距離は、地球の半径の約15000倍と見積もることができました。彼の友人で、 マンチェスターにいた織物商の ウィリアム・クラブトリー(1610-1644)も、あきらめかけていた午後3時35分、突然晴れ間があらわれ、日没直前の空に 「金星の太陽面通過」を観測することができたということです。 (クラブトリーは大学で学んだことはありませんが、書物を買い求めて独学で天文学を身につけていました) この2人は、世界で初めて「金星の太陽面通過」を観測したことになります。ホロックスは、1641年、短い生涯を閉じます。 死因はわかっていませんが、クラブトリーに会う直前でした。まさに突然のことだったようです。そして、1644年には クラブトリーもこの世を去っています。
当時、それぞれの惑星の軌道の大きさの比は、観測から求められていましたが、 実際の大きさがどれくらいなのかよくわかっていませんでした。1663年、 スコットランドのジェームズ・グレゴリー (1638-1675)は、水星や金星の太陽面通過を観測すれば、地球−太陽間距離を正確に測れることを指摘しました。 (資料)
ハレー彗星で有名な イギリスのエドモンド・ハレー(1656-1742)は、 1677年11月の水星の太陽面通過を観測し、 地球上の(とくに緯度方向で) 互いに大きく離れた観測地点から「金星の太陽面通過」を観測すれば、 太陽面を動く金星の経路が わずかにずれる(図ではズレを誇張してあります)はずで、 きたる1761年と1769年の「金星の太陽面通過」で、金星や太陽までの距離を求めようという具体的な提案を1691年にしました。( 1716年に発表されたハレーの論文. 関連資料: 1 2 )
金星は水星よりも地球に近くなるため、わずかな「見えかたのちがい」を測定するには好都合です。 仮に、地球上の南北両極2点から金星の太陽面通過を観測できたとしても、太陽面での金星像のずれは 金星像そのものの大きさ程度にしかなりません。残念ながら、1761年と1769年の「金星の太陽面通過」までハレーが生きていることはできませんでした。
ハレーが提案した方法では、「金星が太陽面通過に要する経過時間を正確に測定する」というものでしたが、 フランスの ジョウゼフ-ニコラ・ドリール (1688-1768)は、ハレーの方法を改良し、観測地点の緯度経度が正確にわかっていれば、太陽面通過開始時刻(または終了時刻)を正確に測定すればよいという方法を1722年に考案しました。 (資料:1 2)
ハレーの方法(ことなる2観測点から、金星が(第2接触から第3接触まで)太陽面通過に要する経過時間 をはかる) やドリールの方法(ことなる2観測点から、同じ接触の時刻をはかる)を使って、 1天文単位の長さを求めてみましょう。 観測地点の緯度・経度と観測した時刻データさえあれば、 めんどうな計算をしてくれるページがあります: ハレーの方法での計算 / ドリールの方法での計算 / ハレーの方法とドリールの方法での計算
その後、18世紀、19世紀と、ヨーロッパやアメリカなどが国の威信をかけて、太陽系の実際の大きさをはかるための 「金星の太陽面通過」観測隊を 世界各地に送ったのですが( 1874年には、 日本にもフランス隊、アメリカ隊、メキシコ隊がきました)、ハレーが期待したような正確な値が求まりませんでした。 金星が太陽面に入るときと、出るときに、金星像がもちのようにのびる 「ブラック・ドロップ現象」が正確な時間測定をさまたげたのです。
(天文単位について)
1999年11月の「水星の太陽面通過」が、人工衛星 「TRACE」から観測されました。 大気らしい大気のない 水星の太陽面通過を、地球大気の外で観測 した結果、「ブラック・ドロップ現象」がやはり観測されたということです。 今回の「金星の太陽面通過」でも同様な観測がなされるでしょう。 太陽の周縁減光と 望遠鏡による像の不鮮明さ(PSF: 点像強度分布) が原因ではないかと見られています。(資料)
1898年8月に発見された小惑星「エロス」は、 火星や金星よりも 地球に接近する軌道をもつことがわかりました。 そこで、地球上各地でエロスを観測し、背景の星々に対するエロスの位置を測定し、距離を求めようということになりました。 (片腕を前にのばし、親指を立てて、腕を手前に近づけていきます。同時に、それぞれの目(観測地)でかわるがわる親指を見ると、背景の 変化が大きくなりますね。同様に、接近するエロスを異なる場所で観測すれば、見える方向の違いが比較的大きく、測定しやすくなります) 1930〜31年の接近時には、世界の25の天文台が観測に参加し、3千枚近い写真が撮影されました。
さらに、第2次世界大戦後になると、レーダーを使って金星までの距離が正確に測定される時代に入りました。現在ではなんと1m精度での 測定が可能ということです!
太陽−地球間平均距離(あるいは太陽の赤道地平視差)測定の変遷: 1 2 3
(資料: 斎田博「おはなし天文学1」地人書館 1973年 / Eli Maor, "June 8, 2004: Venus in Transit" Princeton University Press, 2000 / David Sellers, "The Transit of Venus" Maga Velda Press, 2001 / Michael Maunder and Patrick Moore, "Transit When Planets Cross the Sun" Springer-Verlag, 2000 / William Sheehan, "The Transit of Venus", Sky & Telescope, February 2004 pp. 46-54 / Richard West and Henri M. J. Boffin, "The Venus Transit 2004 (VT-2004) Programme", The Messenger, March 2004 pp. 49-51 / 1 2 3 4 5 6 )
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リンク集
インターネット中継
きのこステーションからの太陽画像
国内中継サイト
海外中継サイト
ブラジル、サン・ジョゼ・ドス・カンポス
大西洋カナリア諸島、ラパルマにあるホテルの天文台
大西洋カナリア諸島、ラパルマにあるスウェーデン1m太陽望遠鏡
スペイン、バルセロナ大学
スペイン、バスク地方
北アイルランド、アーマー天文台
イギリス、ワースヒル天文台
イギリス、イースト・アンティリム天文協会
ノルウェー
ベルギー王立天文台
ベルギー/オランダの公開天文台など
フランス、オルセーにある教育施設
ギリシャ、アテネ
スイス
チェコ、フラデツ・クラロベの天文台とプラネタリウム
ポーランド、ブロツワフ大学
スペイン/インド/オーストラリアの各太陽望遠鏡
イラン、イスファハン大学
インド、ニューデリー、ネールプラネタリウム
オーストラリア、パース天文台
オーストラリア、キャンベラ
金星の太陽面通過全般を解説するページ
金星の日面通過 厚木市子ども科学館
金星が太陽の前面を通過します(国立天文台)
The Venus Transit 2004
2004 Transit of Venus
Predictions for the 2004 Transit of Venus
2004 and 2012 Transits of Venus
Teachers' Guide
TRANSIT OF VENUS - 8 June 2004
RAS Press Notice PN04-20: TRANSIT OF VENUS ACROSS THE SUN
The Transit of Venus: North American Viewer's Guide
Transit of Venus
The Venus Transit of June 8, 2004
Sun-Earth Day 2004 Venus Transit
Transits of Venus
Transit of Venus 2004
Transits of Venus
The Transits of Venus
Frequently Asked Questions (FAQ)
The Venus Transit 2004 - Brief InfoSheets
The Venus Transit 2004 - Extended InfoSheets
2004 Transit of Venus
THE TRANSIT OF VENUS & The Quest for the Solar Parallax
Venus ready to make a rare move
Sun spectacle to let school science shine
金星の太陽面通過の歴史解説ページ
THE TRANSIT OF VENUS
The Astronomical Unit, Stellar Parallax, & the Transits of Venus
History of transit observing
A nice historical overview of measurements of the solar parallax
Historical Observations and Global Expeditions
The First Observations of Transits
ホロックスの生涯
Jeremiah Horrocks
History of Jeremiah Horrocks
Jeremiah Horrocks
Jeremiah Horrox: Venus in sole visa
Lancashire Pioneers - Jeremiah Horrocks
Der Venusdurchgang von 1631
Der Venusdurchgang von 1639
Jeremiah Horrocks, Edmund Halley and the importance of the Transits of Venus
Measuring the Solar System - the Story of the Transits of Venus
EDMOND HALLEY'S FAMOUS ADMONITION of 1716
The Solar parallax with the transit of Venus
Halley's method of durations: Its history and appliance
Halley und die Sonnenparallaxe
Der Venusdurchgang vom 6. Juni 1761
Le Gentil and the Transits of Venus, 1761 and 1769
How Far to the Sun? The Venus Transits of 1761 & 1769
Der Venusdurchgang vom 3. Juni 1769
Demonstration of the 1769 transit by Benjamin Martin
クック
The Astronomy of James Cook
James Cook
Drawings of the Transit of Venus by Captain James Cook and Charles Green
Captain Cook's First Voyage 1768-1771
Captain Cook's First Voyage 1768-1771
View of Matavai Bay, Tahiti from One Tree Hill
James Cook and theb Transit of Venus
The Endeavour Journal of James Cook
Blue Latitudes: Boldly Going Where Captain Cook Has Gone Before
Astronomical Observations made, by Appointment of the Royal Society, at King George's Island in the South Sea; by Mr. Charles Green, formerly Assistant of the Royal Observatory at Greenwich, and Lieut. James Cook,* of His Majesty's Ship the Endeavour
Der Venustransit von 1874
British photograph of 1874 transit from Rodrigues Island
Photographic plates from the 1882 transit
Movie showing photographs of 1882 transit taken at Lick Observatory
Reanimating the 1882 Transit of Venus
The 1882 Transit of Venus:Observations from Wellington, South Africa
The Transit of 1882
Transit of Venus Plates
The American Transit of Venus Expeditions of 1882, Including San Antonio The RAS Library: Transits of Venus, 1874 & 1882
The Naval Observatory And the American Transit of Venus Expeditions of 1874 and 1882
Venus Transit 2004 - Background Reading: History
Who observed the first transit of Venus?
Could ancient Chinese sunspot observers have seen a transit of Venus?
Why did Kepler not know about the 1639 transit of Venus?
スーザ小伝
Why did John Philip Sousa write the Transit of Venus March in 1883?
Transit of Venus March by John Philip Sousa
Transit of Venus March: Scores, Parts and Recording
Transit of Venus march (Virginia Grand Military Band)
- (スーザ作曲の「金星の太陽面通過マーチ」が 聴けます)
Transit of Venus March: Image Gallery
Many articles written in newspapers about the various transits of Venus
Chasing Venus: Observing the Transits of Venus 1631-2004
List of expeditions to observe the transit of Venus from the XVIIth century to the XIXth century
金星の日面通過
金星日面通過のこと
明治7年(1874)12月9日の金星日面経過観測(神奈川県)
金星台・「金星過日測檢之處」石碑(神戸市中央区)
金星観測記念碑
明治7年神戸における金星日面通過観測
長崎金星観測碑
長崎金星(太陽面経過)観測碑
長崎金星観測碑
1874 (明治 7 )年長崎で行われた 金星試験
長崎に来たフランスの観測隊
1874(明治7)年の金星観測記念碑
東京品川・御殿山における金星観測
金星の太陽面通過に関する教育活動ページ
金星の太陽面通過(高校生天体観測ネットワーク)
Internet Project: Observing, Photographing and Evaluating the Transit of Venus, June 8th, 2004
Paper Plate Education
The Venus Transit 2004 - the Quiz!
Calculation of the parallax (Using the durations of the interior transits)
Calculation of the parallax (Using the times of the interior first contacts)
8 juni 2004 Data input
June 8 2004 Calculations
The solar parallax and the distance of the sun
The Venus Transit 2004 - Approximated method for the calculation of the parallax
Calculating the Astronomical Unit during a Transit of Venus using Satellite Data
Venustransit 2004
On the transit of a planet across the sun
Mercury Transit 2003 - Venus Transit 2004 - Safety!
過去〜未来の金星の太陽面通過リスト
Passages des planetes Mercure et Venus devant le Soleil
Transits of Venus and Mercury, -1000 to +4000
Transits of Venus: Six Millennium Catalog: 2000 BCE to 4000 CE
A list of Venus transits between 100,000 BC and AD 100,000 (Source: The SOLEX page)
ブラック・ドロップ現象
The "Black Drop" Effect
TRACE Observations of the 15 November 1999 Transit of Mercury
Space Studies of the Black-Drop Effect at a Mercury Transit
The Transit of Venus and the Notorious Black Drop
TRACE Observations of the 15 November 1999 Transit of Mercury and the Black Drop Effect for the 2004 Transit of Mercury
TRACE Observations of the 15 November 1999 Transit of Mercury and the Black Drop Effect: Considerations for the 2004 Transit of Venus
宇宙空間からの観測
- SOHOから見ると、太陽面を 少しそれて金星が通過しますが、
- コロナを背景にしたシルエットがわかるかもしれません。
- SOHOの画像の うち、 この画面に金星が入ってくるのは6月3日〜13日頃です。
Credit: SOHO/LASCO (ESA and NASA)
SOHOの観測画面に(画面左端から)入ってきた金星。太陽に接近していくようす金星から水平方向にすじがのびていますが、観測視野に明るい天体(惑星など)が入ると、 そのように写ることがあります。 撮像装置のせいであり、実際の天体がそのようになっているわけではありません。 (資料: 1 2 )
- TRACE衛星からは 金星の太陽面通過がとらえられそうです。
金星について
日本の金星探査計画(PLANET-C)/ 金星探査機「PLANET-C」
ヨーロッパの金星探査機 「ヴィーナス・エクスプレス」
【特集】宵の明星 金星(AstroArts)Venus(Wikipedia)
金星(ウィキペディア)
ザ・ナイン・プラネッツ - 金星
The Nine Planets: Venus
Views of the Solar System - Venus Introduction
Welcome to the Planets - Venus
NSSDC's Venus page
NSSDC Photo Gallery: Venus
The BAA Mercury and Venus Section: The Planet Venus
The retrograde rotation of Venus
現在の太陽系惑星配置図
月・太陽・各惑星の出没時など(国立天文台・ 暦計算室)
月,太陽,惑星の位置・出没時(お星様とコンピュータより)
現在の金星周辺の星図(惑星のシンボル)
金星の今夜の出没時や星空での位置など <オンライン天体暦>
現在の金星の満ち欠けの状態(Object にVenus を選び Make Image をクリック)
Ephemeris Generator
現在の金星の満ち欠けの状態をJPL Solar System Simulatorで見る方法
- 使い方:Show me Venus as seen from Earth に設定し、時刻GMTを日本時間-9時に。
- I want a field of view of 0.02 degree(s) に設定するか、
- I want the body to take up 30 percent of the image width に設定します。
そのほか
2004年金星プロジェクト(日本プラネタリウム協会)
金星太陽面経過観測130周年・観測記念碑設立30周年 記念講演会のご案内
8 June 2004 TRANSIT OF VENUS ANIMATIONS
Venus in Science Fiction
Bestimmung der Sonnenparallaxe aus Venusdurchgangen und mit modernen Methoden
The most complete Transit of Venus information
Web Links: Venus Transits
Transit of Venus
Compute your own transit for your place
Solar Transits visible from your Site
2003年5月7日「水星の太陽面通過」情報とリンク集
火星における「地球の太陽面通過」
月明かりではなく、金星の明かりで影ができる!金星の満ち欠け(地球までの距離が変わるので、みかけの大きさも変わって見え ます)
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