はまぎんこども宇宙科学館/(財)横浜市青少年育成協会
2009年7月22日皆既日食ガイド
2009年7月22日皆既日食マップ
解説
時刻はすべて日本時間です。時刻は、日食の最大と終了では、分未満を四捨五入してありますが、 開始時刻は、分未満を切り捨ててあります。 これは欠け始めの瞬間を見逃さないように配慮したためです。
また、東京(都心部)と横浜ではあまり違いはないのですが、上記の時刻表記の 原則では、終了時刻が 東京 12時30分(12時30.3分) 横浜 12時31分(12時30.6分) となります。図の上で分離して表示するのが難しいので、 ともに 12時30分としてあります。
オレンジの帯のところでは、太陽が完全に月にかくされる「皆既日食」が見られます。 オレンジの線で、太陽の直径の何割が欠けて見えるかを示しています。(例:0.60 は6割)
太陽の直径の約3/4が欠ける、というのは、横浜近郊では74%まで欠けた 1988年3月18日以来、21年ぶりです。次回、横浜近郊でこの程度まで太陽が 欠けるのは(2012年の金環日食を除き)、21年後の 2030年6月1日(79%)になります。授業や観望会などでも、このマップをご活用ください。
ご使用の条件としては、商用目的での使用でないこと、そして、 図の下のほうにあるクレジットと出典を含めて、そのままの 図を使っていただくか、同じ内容の文面
ART BY GOTO
はまぎんこども科学館プラネタリウム番組 『横浜から宇宙へ』よりを添えて使ってください。
2008年8月1日の皆既日食(中国)
(C)2008Keio DMC/GOTO
2009年7月22日の日食 〜 解説とたのしみかた / 日食当日の写真 / リンク集 / 今後、日本で見られる日食
2009年7月22日の日食では、 奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、 種子島南端、 北硫黄島、 硫黄島などから、 太陽が月によって完全にかくされる「皆既日食」となって見られます。(上の写真例)
2009年7月22日の日食が見られる範囲
Eclipse Predictions by Fred Espenak, NASA's GSFC月の本影は9時53分にインド方面で地球上に接し、 3時間25分にわたり地球上を移動していきます。そして 13時18分、本影は地球上から宇宙空間へと離れます。
その移動距離は全長約15200km。それでも本影が移動する面積は、地球表面の0.71%に すぎません。(資料)
2009年7月22日の、地球に映る月の影(アニメーション)
今回の日食における各地での太陽の欠けかた(アニメーション)
今回の日食が見られる範囲(国立天文台)
今回の日食が見られる範囲(日食情報データベース)どこで皆既日食が見られるか:日本付近/ 薩南諸島/ トカラ列島/ 硫黄島/ インド/ 中国/ 中国
- (日食情報データベースより)
日本の陸地から皆既日食が見られるのは、 北海道で 見られた、 1963年7月21日の皆既日食 以来、46年ぶりです。 (資料)
次回、 日本の陸地から皆既日食が見られるのは、26年後の2035年9月2日になってしまいます。 (資料: 1 2 3 4 5 6 7 8 9)
横浜付近で見られたであろう最近の皆既日食は、 1460年7月18日
今後、横浜付近で最初に見られるはずの皆既日食は、 2218年4月26日あなたの観測地から日食がどう見えるか(国立天文台)
あなたの観測地から見られる日食の一覧を求める(英語)
世界日食地図(英語)
あなたの観測地から見られる日食の予報(英語) あなたの観測地から見られる日食の予報(英語)
また、太陽が月に完全にかくされている皆既の状態が、今世紀に起こる 皆既日食のなかで、最長の6分39秒も続くということでも注目を集める日食です。
次回それ以上になるのは123年後の 2132年6月13日に起こる皆既日食で、皆既状態が6分55秒続きます。 (資料)
そして、 前回、6分39秒を上回ったのは1991年7月12日の6分53秒でした。 (資料)
日食が起こる2009年7月22日、地球は太陽からやや遠く、月は地球からやや近い
太陽をまわる地球の軌道はわずかに楕円です。その軌道上、最も太陽から遠ざかる場所を 遠日点といいますが、2009年には、 7月4日11時頃、地球は遠日点を通過します。
それからあまり日がたっていない7月22日、地球はまだ太陽からやや遠いところにあり、 地球から見た太陽はわずかに小さく見えるわけです。
Credit: Anthony Ayiomamitis
太陽−地球間距離の違いと太陽のみかけの大きさの違い
(地球が太陽から最も遠ざかったときと、太陽に最も近づいたとき)
- 解説:太陽から地球までの距離
- 太陽の見かけの大きさ
- 太陽の見かけの大きさ(視直径)を計算(英語)
- 太陽視直径の測定
- 太陽の視直径観察
いっぽう、地球をまわる月の軌道もわずかに楕円です。 その軌道上、最も地球に近くなる場所を 近地点といいますが、2009年 7月22日、月は近地点を通過します。 (資料)地球から見た月はわずかに大きく見えるわけです。
Credit: Anthony Ayiomamitis
地球−月間距離の違いと月のみかけの大きさの違い
(月が地球から最も遠ざかったときと、地球に最も近づいたとき)
以上のように、今回の皆既日食では、太陽が少し小さく見え、月がすこし大きめに見えることから、月が太陽を完全に覆っている 「皆既継続時間」が長くなるのです。さらに、今回のように、赤道付近で皆既日食が起こることも、月がわずかに大きく見える原因に加わります。 地球上の北極・南極付近よりも赤道付近のほうが、少しだけ月に近いためです。 (図参照)
さらに、さらに! 赤道付近では、地球の自転によって観測者が東に移動するスピードが速いのです。 それは、月の影の移動に追いつこうとする動きになるため、「皆既継続時間」が長くなる理由に加わります。
実際、 皆既継続時間が7分を超える日食のリストを 調べると、いずれも赤道近くで起こっていることがわかります。
皆既継続時間の理論的な限界は?地球、月、それぞれの軌道に変動があるため、年代によって「皆既継続時間の理論的な限界」もかわっていきます。 例えば、現在においては約7分32秒が限界ですが、今から2000年前には約7分27秒、そして 今から2000年後では約7分22秒、5000年後では7分02秒ほどとなります。
(資料:Jean Meeus, "More Mathematical Astronomy Morsels" Willmann-Bell,Inc., 2002/ Jean Meeus, "Mathematical Astronomy Morsels III" Willmann-Bell,Inc., 2004)
地球から見た太陽と月の見かけの大きさ(視直径)はいずれも約0.5度で、 およそ同じ大きさに見えますが、わずかな違いによって、 皆既日食になったり、金環日食になったりもします。
- 2012年5月21日金環日食ガイド
- 皆既日食と金環日食の違い(JAXAページ)
皆既日食における太陽・月・地球の位置関係
(長さ、大きさの比は、実際とは異なる図です) Source: Wikipedia
日食時の太陽・月・地球の位置
- (これは皆既日食の例. 長さ、大きさの比は、実際とは異なる図です)
この図で、太陽からの光がまったく入ってこない「本影」(ほんえい。Umbra)に地球の表面がくると、そこでは皆既日食(Total (Solar) Eclipse)となります。「半影」(はんえい。Penumbra)の中では部分日食(Partial (Solar) Eclipse)が見られます。金環日食(Annular (Solar) Eclipse) になる領域はこちらのページに示されています。
「日食」とは、太陽が月にかくされる現象です。 上図のように、太陽・月・地球の順にほぼ一直線に並ぶときに起こります。 (日月食の起こりかた)
ただし、地球をまわる月の軌道が少し(約5度)傾いているため、月の影はたいていの場合、地球をそれてしまいます。 頻繁に 日食が起こるわけではありません。上図の、上下に示された頃が、 太陽・月・地球の順にほぼ一直線に並ぶときです。
太陽が月によって完全にかくされる「皆既日食」は年に0〜2回起こり、 一部がかくされる部分日食を入れると、日食は年間2〜5回起こっています。
(資料: 「暦の科学」山崎昭・久保良雄 講談社ブルーバックス 1984年 / Jean Meeus, "Mathematical Astronomy Morsels" Willmann-Bell,Inc., 1992 / Jean Meeus, "More Mathematical Astronomy Morsels" Willmann-Bell,Inc., 2002 /Five Millennium Catalog of Solar Eclipses)
日食をたのしむ
皆既日食時の地球を人工衛星から見ると、月の暗い影が地球表面を動いていくのが わかります。当日、 気象衛星による画像などにも注目です。
- 7月22日の日食時に、静止気象衛星「ひまわり」が観測した画像を気象庁ホームページで公開
- 太陽観測衛星「ひので」から見た7月22日の日食を即時公開
- 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」による7月22日の日食画像
- NASAの地球観測衛星「テラ」による7月22日の日食画像
1999年8月11日 ミールから見た皆既日食(月の影)
Image: CNES
http://antwrp.gsfc.nasa.gov/apod/ap990830.htmlより
国際宇宙ステーションから見た2006年3月29日の皆既日食(月の影)
- 月の影のそばには地中海のキプロス島とトルコ沿岸が見えます。 Credit: NASA
人工衛星から撮影された月の影(皆既日食時)
人工衛星から撮影された月の影(皆既日食時)
人工衛星から撮影された月の影(金環日食時)国際宇宙ステーションから見た月の影(2005年4月 動画)
月の暗い影(本影)が覆うのは、地球上のほんの一部です。そこからしか 皆既日食は見られません。その周囲の広い範囲では「部分日食」が見ら れます。東京付近でも、太陽の3/4まで月にかくされます。(ページ冒頭の図参照)
太陽を観察するときには十分な注意が必要です 強烈な光を双眼鏡や望遠鏡で見ると失明してしまいます。 肉眼で太陽を直接見ることも危険です。 部分日食を安全に、しかも簡単に観察する方法のひとつは、 メーカーが安全を保証する「日食メガネ」で太陽を見ることです。
「日食メガネ」は、 太陽に大きな黒点(群)が現れたときや、 金星の太陽面通過(次回は2012年6月6日)、 そして2012年5月21日の金環日食の観察でも活用されるでしょう。
昼間の太陽を日食メガネで見ると、「太陽って意外に小さい」と感じるかもしれ ません。 地球から見た太陽や月の見かけの大きさは、角度の0.5度(分度器の1度の半 分)くらいです。 (角度の10度はこれくらい)
月は、太陽の約1/400の直径です。いっぽうで、月は、太陽までの距離の約1/400 にある天体なので、月と太陽はほぼ同じ大きさ に見えます。 ふしぎな一致ですね。
- 関連:はるか未来、皆既日食が起こらなくなる!?
縮尺模型で考えて見ましょう: 地球の直径を1cmとすると、地球から約30cmはなれ たところに、直径2.5mmの月があります。 さらに120mはなれたところに、直径約1mの太陽があることになります。
安全が保証されたもの以外のもので代用することも危険ですので おやめください。(例えば、下敷きは赤外線を通してしまいます)
長い筒の先端に、1mmほどの穴を開けたアルミホイルをとりつけて、 筒の底面の白紙上に映る、小さな太陽像を観察することもできます。 (ピンホールカメラの原理です)
(2002年6月11日の日食での使用例)
- ピンホール・ビューワーなど、部分日食の安全な観察のしかた
めんどうくさがりやのかたにお奨めなのは、近くの公園に行くことです。 木漏れ日が「欠けた太陽」になっているでしょう。
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科学館前の駅前公園で見られた「木漏れ日」。木の葉のすきまからもれる太陽光です。どれも欠けた太陽になっています。 (1997年3月9日の部分日食のときの記録から)
- そのほかの木漏れ日写真
日食中の電波を使った実験
(1) BSアンテナを利用した太陽電波観測で 部分日食を観測
(2)ラジオを使った実験
日食時、昼間なのに太陽光が遮られることで、電離層の状態が夜間に似た状態となり、通常の昼間は受信できない遠方の放送が受かるようになるかも!中波放送
Audio Eclipse May Fill the Sky2009年7月22日 日食 - 電離圏観測/ 2009年7月22日の日食時の電離圏変動を予測
まいど1号による7月22日の日食観測/ 7月22日の日食時のFSS観測結果 (太陽光の変化)
2009年は「世界天文年」ということもあり、全国の多くの科学館・ プラネタリウム、公開天文台などで観望会が計画されました。
はまぎんこども宇宙科学館での7月22日当日の日食観望会のようす
インターネットやテレビの中継、日食の解説など、多くのみなさんが参加されました。ありがとうございました。 観望会では、曇空のなか、薄雲を通して、大きく欠けた太陽がわずかに 現れたときには大きな歓声があがりました!
大きく欠けた太陽に感動! (C)星空公団
7月22日の日食映像集
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撮影・提供:渡辺秀夫さん (撮影データ)
2009年7月22日 硫黄島皆既日食中継の公開映像(国立天文台)
The Longest Solar Eclipse Of The Century
(サングラスを重ねて太陽を見ている人がいますけど、目にとても危険です。まねをしないでね)46年ぶりの皆既日食 中継ダイジェスト (NHK)
投稿画像ギャラリー(AstroArts)
July 22nd Eclipse Gallery(SpaceWeather.com)
2009年7月22日皆既日食の速報画像 (国立天文台)
2012年5月21日の金環日食を楽しみに待ちましょう。
インターネット中継の予定(科学館でも部分日食の中継を予定)
はまぎんこども宇宙科学館のプラネタリウム番組 「横浜から宇宙へ」においても、 2009年7月22日の皆既日食や2012年5月21日の金環日食を含めた解説があります。
- 日食関連ページ
開港150周年記念プラネタリウム番組『横浜から宇宙へ』(番組関連情報)
2009年7月22日の皆既日食(国立天文台 暦計算室)
2009年7月22日の皆既日食の情報(国立天文台)
2009年7月22日の皆既日食について(鹿児島県ホームページ)
2009年7月22日 皆既日食 メニュー(せんだい宇宙館)
2009年7月22日の部分日食 (厚木市子ども科学館)特集「2009年7月22日 皆既日食」(AstroArts)
2009年7月22日の皆既日食が見られる場所の地図と気象情報
2009年7月皆既日食シミュレーション
2009年7月22日の皆既日食についての詳細ページ(NASA Solar Eclipse Bulletins)
- 日月食の起こりかた
- 安全な部分日食の観察のしかた
- 2004年10月14日の部分日食
- 2002年6月11日の金環日食
- 2001年12月15日の金環日食
- 1998年2月27日の皆既日食
- 1997年3月9日の皆既日食
- 科学館スタッフによる日食映像集
- 地球上どこでも皆既日食!(日食の統計なども)
- 日食のリスト(時刻は世界時=日本時−9時)
- 日食情報データベース
- 日本で観測できる日食
- 日本から見られる日食
- あなたの町から見られる日食の一覧を求める
- あなたの町から見られる日食の予報
- 日食各地予報/日食用語解説(国立天文台・ 暦計算室)
今後、日本で見られる日食(2010〜2035年)
2010年1月15日 (金環日食) 国内では、 西日本で日没時に部分日食
2011年6月2日 (部分日食) 新潟・仙台以北で、早朝わずかに欠ける
2012年5月21日 (金環日食) 全国で見られ、太平洋側の広い地域で金環日食
次回、国内で見られる金環日食は、2030年6月1日で、北海道のほぼ全域で金環日食
2019年1月6日(部分日食) 全国で見られる
2019年12月26日 (金環日食) 全国で午後、部分日食が見られる
2020年6月21日 (金環日食) 全国で部分日食が見られる
2023年4月20日 (金環・皆既日食) 太平洋側の一部でわずかに欠ける部分日食
2030年6月1日 (金環日食) 北海道のほぼ全域で金環日食。その他で部分日食
2031年5月21日 (金環日食) 国内では、南西諸島・小笠原諸島でのみ、わずかに欠ける部分日食
2032年11月3日 (部分日食) 全国で見られる
2035年9月2日 (皆既日食) 全国で見られる 北関東の広い地域で皆既日食
資料